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2010年06月07日(月)

びしゃご 87話  室戸荘

八雲 「にゃ~ん♪ (びしゃごと一緒に行きたいニャ~ン♪)」


  八雲は びしゃごに擦り寄りました


びしゃご 「あれ?お栄さん・・八雲は気が乗らないんじゃなかったんですか?」


お栄 「八雲ったら・・びしゃごを気にいったみたいですね・・(まったく・・薄情な人(八雲)ね~・・)」

びしゃご 「では・・八雲を お借りしてよろしいですか?」


お栄 「どうぞ・・」


びしゃご 「良かった♪」


  お栄は 八雲の手を握り


お栄 「これ八雲・・」


八雲 「にゃん? (なんだニャン?)」


お栄 「ちゃんと、びしゃごさんの言いつけは守るんですよ。」


八雲 「にゃ~ん♪ (了解♪)」

    そして・・・


    びしゃごと夫は 八雲を連れ 

    
    びしゃごの家へ帰りました・・

  ・・・びしゃごの畑・・・


 びしゃごの畑


   早速、びしゃごと夫は 八雲を裏庭の畑へ・・

びしゃご 「あ?そうだ? あなた・・ワタシはごはんを作りますんで♪ その間、あなたは・・八雲にタヌキの匂いを嗅がせてあげてください♪」


夫 「おう!まかせとけ!」


びしゃご 「そうだ♪八雲の分のごはんも作らないといけないわね♪」


八雲 「にゃ~~ん♪ (ゴハンはなんだろう♪ マグロかな~?クジラかな~?お寿司かな~?)」

   そして びしゃごは ごはんを作るため家の中へ・・

   畑には  夫と八雲 だけになりました


夫 「さ~て、八雲・・・今からタヌキの匂いを嗅げぜよ♪」


八雲 「にゃ~? (なにを嗅げばいいニャン?)」


夫 「コレぜよ!」


   夫は  大量のタヌキのフンを 指差しました!

   
   八雲は絶句・・


八雲 「・・・(汗)」

夫 「ほら、どうしたぜよ?さっさと嗅がんかい?」

八雲 「にゃ!! (絶対!イヤだにゃん!)」


夫 「なんやと!?」


八雲 「にゃ! (お前(夫)が嗅げニャン!怒)」


夫 「なに~(怒) 貴様~? ワシの命令が聞けんのか~?(怒)」


  夫は 己のコブシに「ハァ~」と息を吹きかけました!

八雲 「シャー! (なんだ!?ヤル気か!?)」


  一方! 八雲も全身の毛が逆立ちました!


  早速! 二人は ケンカ腰!! 


  また次回。


この物語はほとんどフィクションです


次回! 夫と八雲・・・対決!? 

2010年05月31日(月)

びしゃご 86話  室戸荘


八雲 「にゃ? (タヌキだって?ボクは人間だにゃん!)」


夫 「おまん(八雲) 少し黙っちょき・・ワシは眠たいんぜよ・・」


  夫は八雲を無視して  横になり眠りました


夫 「zzzz」


八雲 「にゃ~ (失礼な男だな~ ところでダレだコイツは???)」


  その時!!


  部屋に お栄が 現れました!


お栄 「あら? この眠っておられる方が・・びしゃごの旦那様ですか・・」


  八雲は お栄にすりより・・


八雲 「にゃ~♪ (おねえちゃん!ごはんのお魚は?)」


お栄 「はいはい♪ちゃんと買ってきてますよ♪」


八雲 「にゃ? (お魚はなんだにゃん?サバ?アジ?カツオ?)」


お栄 「フフ・・今日は八雲の大好物のマグロを買って来てあげました♪」


八雲 「にゃあ!! (本当!?(ヨダレ))


お栄 「だけど・・八雲・・マグロは・・・「びしゃご」からの頼まれ事を済ませて、帰ってからですよ・・」


八雲 「にゃ~? (頼まれ事?)」


お栄 「この人(夫)と「びしゃご」のお供をしなさい。」


八雲 「・・・。 (コイツ(夫)の・・お供・・)」


  八雲は寝ている 夫を見ました


夫 「ぐが~ぐが~zzz」


  すると・・


  八雲は 急に 嫌な顔に・・

夫を見る八雲
↑寝ている夫を見る八雲


八雲 「にゃん・・ (イヤだにゃん・・コイツ(夫)・・なんかキライだにゃん・・)」


お栄 「・・なぜですか?」


八雲 「にゃん (ボクは男は嫌いだにゃん。おねえちゃんくらい可愛い人じゃないと・・言うこと聞かないにゃん!)」


お栄 「まあ? 困った人(八雲)ね~・・・」


   その時・・


   部屋に びしゃごが・・

びしゃご 「どうですか?お栄さん?八雲は来てくれそうですか?」


お栄 「それが・・なにやら乗気では無いようなのです・・」


びしゃご 「そうですか・・残念です・・・・あらまあ?この人(夫)ったら、こんなトコロで寝てしまって・・あなた!起きなさい!」


夫 「zzz・・・ん?おおう?びしゃご?すまんすまん・・ぐっすりと寝ておった。」


びしゃご 「あなた、帰りますよ。」


夫 「そうか?トコロで八雲は?来てくれんのか?」


びしゃご 「八雲は気が乗らないようなのです。」


夫 「そうか?まあ~仕方が無いの~・・」


お栄 「すいません・・お二人とも・・わざわざ足を運んでいただいたのに・・・ん?」


  お栄はチラッと八雲を見ると・・

いつでもオッケーよ


  びしゃごを見上げる 八雲の目は 輝いていました。


また次回。


この物語はほとんどフィクションです

2010年05月24日(月)

びしゃご 85話  室戸荘

   そして・・


   びしゃごと夫は 室戸の村の 庄屋の屋敷へ・・

  ・・・庄屋の屋敷・・・

室戸の庄屋の屋敷


びしゃご 「相変わらず、大きい家ですね~」

夫 「そうやの~ さあ、中に入ろうぜよ。」

 
   びしゃごと夫は 屋敷の中へ・・


屋敷の中

   
びしゃご・夫 「ごめんください!」


   二人が 呼びかけると・・

   庄屋が出てきました


庄屋 「はいはい・・どなたかね・・・ん?これは、びしゃごさんに亭主・・なにようぞ?」

  
びしゃご 「あの~お願いがありまして・・庄屋さんの娘さんの「お栄」さんの飼い猫「八雲」をお借りしたいんです・・」


庄屋 「八雲を?なぜ?」


びしゃご 「性悪タヌキに・・畑を荒らされて・・困ってるんです・・。そこで八雲をお借りして・・性悪タヌキを捕らえようと思ってるんです。」


庄屋 「そうですか・・ワタシ個人としては・・ぜひ、びしゃごさんに・・八雲をお貸ししたいトコロですが・・今しばらく、お待ちを・・・。もうそろそろ・・魚を買いに行った、お栄が帰ってくるころです。八雲を貸すか貸さないかを決めるのは、飼い主のお栄ですからな~」


びしゃご 「分かりました。ココで待っていていいですか?」


庄屋 「どうぞ♪どうですか? お栄が・・帰るまで・・私とココでお話しでも・・」


びしゃご 「いいですよ♪」


   庄屋は・・


庄屋 「びしゃごの亭主(夫)・・お前は、上がって奥の部屋で昼寝でもしてなさい。」


夫 「そうですか?分かりました♪昼寝をしたいき、少し眠らせてもらいます♪」

  夫は ワラジを脱ぎ 奥の部屋へ・・

  ・・・奥の部屋・・・

庄屋の一室


夫 「ふわ~眠たいぜよ~・・ん?ちょうど、えいトコロに、フワフワの枕があるぜよ♪」


  夫はフワフワの枕に頭を置きました!


  すると!


枕 「にゃー!! (何するニャン!!)」


  夫は 枕が鳴いたのに ビックリ!


夫 「なんや!? この枕?」


  夫が よく見ると・・  頭を置いたモノは枕では無く・・

  八雲(ネコ)でした!


迷い猫の八雲
↑八雲


八雲 「にゃ! (ダレだ!お前は!? ボクは枕じゃないんだぞ!)」

夫 「なんじゃ~?もしかして・・コイツが八雲とか言うネコかいな?カラダはまるでタヌキぜよ・・」

また次回。


この物語はほとんどフィクションです

2010年05月17日(月)

びしゃご 84話  室戸荘

  ・・びしゃごの家・・

びしゃごの家


  そして 仕事(漁)を終えた

  今日も坊主(釣果ゼロ)の夫が 昼に帰ってきました


夫 「びしゃご!帰ったぞ♪」


  びしゃごは 元気なく・・


びしゃご 「おかえりなさい・・・・」


夫 「どうした?元気無いな~?風邪でもひいたんか?」


びしゃご 「なんでも・・ありません・・・」


夫 「なんでもないって? いつも元気なびしゃごが・・元気が無いのに・・なんでもないわけないぜよ・・」


びしゃご 「あなた・・」


夫 「ワシらは夫婦やろうが?・・隠し事はいかん・・・さあ?何があったんや?」


びしゃご 「はい・・


  びしゃごは お気に入りの茄子が カラスに誘拐された事を夫に話しました

夫 「なんやと?たかが・・そんな事で元気が無かったのか♪心配して損したぜよ♪」


  夫の言葉に! びしゃごはカチンとキマした!


びしゃご 「たかが・・そんなことですって!?(怒) 裏の畑の野菜は・・ワタシ達夫婦の唯一の食料なんですよ!」


夫 「確かにそうやけど・・・・」


びしゃご 「今日こそは言わせてもらいます!(怒)」


  そして・・


  毎日 まったく魚を釣って帰らない・・

  夫への 説教が始まりました(夜まで)


  そして・・  翌朝・・


  びしゃごが 畑に行くと・・


  


  全体の! 4分の1の野菜が 消えていました!


びしゃご 「あなた!!!」


  びしゃごが 大声で 夫を呼ぶと・・


  夫は 家から 裏庭の畑に出て・・


夫 「びしゃご・・どうしたんじゃ? ・・ん? なんじゃ~こりゃ!?」


  夫も 畑を見て 驚きました


びしゃご 「これは・・ダレの仕業なのでしょうか・・」


夫 「決まっとるぜよ! あの坊主(高僧)の仕業ぜよ!(怒) 今から!坊主のトコロ(ミクロ洞)へ行って文句を言ってくるぜよ!」

  夫が  高僧のトコロに行こうとした・・

  その時・・


  びしゃごは・・

  畑に 大量のフン(タヌキの嫌がらせ)

  があるのに気付きました


びしゃご 「あなた・・待ってください・・」

夫 「なんでじゃ?」

びしゃご 「畑を荒らしたのは・・お坊さんでは無いかもしれません・・。 コレ(フン)を見てください」

夫 「でっかいフンがどうしたぜよ? きっとそのフンも坊主のフンぜよ! びしゃご! 犯人は坊主以外に他にダレがおるぜよ! ん・・・待てよ・・・そうか!!六助のヨメか!(納得)」


  びしゃごは 大量のフン(タヌキの嫌がらせ)を指差し


びしゃご 「この大量のフンはきっとタヌキのモノです・・」


夫 「タヌキ?」


びしゃご 「タヌキは執念深い・・・あなた・・何か心当たりは?」


夫 「ないぜよ。」


びしゃご 「本当に?」


夫 「まったく無いぜよ。」


びしゃご 「そうですか・・・あなた・・庄屋の娘の「お栄」さんをご存知ですか?」


夫 「知っとる。」


びしゃご 「「お栄」さんは・・ワタシの昔からの知り合いです・・」


夫 「それがどうしたぜよ?」


びしゃご 「お栄さんの・・飼い猫に八雲というネコがいます。」


夫 「ネコ~?ワシはネコが嫌いぜよ・・。」


びしゃご 「八雲の鼻は・・どんな獣よりも敏感と聞きます・・あなた・・・お栄さんから八雲を借りに行きましょう! そして・・八雲に・・このフンの匂いを嗅がせ・・性悪タヌキの巣を探し・・タヌキを捕らえましょう!」


夫 「なるほど・・さすがは・・びしゃごじゃ・・名案じゃ!」

   早速、 びしゃごと夫は 庄屋の家に向かいました。  また次回。


この物語はほとんどフィクションです


2010年05月10日(月)

びしゃご 83話  家庭菜園編   室戸荘

子タヌキ(長男) 「キミはおねえちゃんとはぐれたの?」

八雲 「そうなんだよ・・おねえちゃんは・・ドコかな~・・」

子タヌキ(長男) 「ボクが一緒に探してあげるよ!」

八雲 「本当!?助かるにゃん♪」


   そして・・

   子タヌキと八雲は 一緒におねえちゃんを探し始めました


   そして・・


   一匹の野良猫を発見・・


室戸岬の野良猫
↑室戸岬の野良猫

野良猫(メス) 「なによ?タヌキじゃない?アタシに何かようかい?」


  子タヌキは 野良猫を指差し


子タヌキ 「八雲・・このネコがキミのお姉ちゃんじゃないのかい? 毛の色もそっくりだよ?」


  しかし・・  八雲は 首を横に振り・・


八雲 「コイツはネコだにゃん・・ボクのおねえちゃんは人間なんだにゃん。」


子タヌキ 「え? じゃ~キミは飼い猫なの?」


八雲 「飼い猫?・・・なにを言ってるだい・・ボクは人間だよ・・」


  子タヌキは 唖然・・


子タヌキ 「人間って・・キミはどう見てもネコだよ・・(汗)」


八雲 「違うニャン!(怒)」


  その時!!  ドコからか・・


  『やくも~ やくも~ どこ行った~ やくもや~い 』


  と人間の女性の言葉が 聞こえてきました


八雲 「えへへ♪ おねえちゃんが向かいに来てくれたにゃん♪ 世話になったにゃん♪ ありがとうにゃん♪」


子タヌキ 「うん・・向かいが来てくれて良かったね・・」


八雲 「さらばにゃん♪」


  八雲は  尻尾を振りながら 

  何処へ・・

子タヌキ(長男) 「変なヤツ(八雲)だったな~・・・」


野良猫(メス) 「タヌキ!ワタシにようは!あるのかい!?無いのかい!?」


  ・・びしゃごの畑・・

びしゃごの畑

  
  そこでは・・  夫が漁の仕事に行き・・

  家で留守番する びしゃごが 畑仕事を・・


  びしゃごは 昨夜 タヌキ一家に食べられた野菜の残骸を見ながら・・


びしゃご 「はあ~(タメ息) 大根4本に・・キュウリ2本・・イモ4個も・・お坊さんが食べたなんて・・・。 お坊さんも・・夜に忍び込んで野菜を食べなくても・・一言、ワタシに言ってくれれば・・お分けしたのに・・」


  びしゃごは  無事だった 特にお気に入りの茄子を見ながら・・

茄子
↑びしゃごのお気に入りの茄子


びしゃご 「でも・・この茄子が無事で良かった♪」


  びしゃごは・・ お気に入りの茄子を見つめながら・・


びしゃご 「おいしそう・・(ヨダレ)」


  そして・・  茄子を掴み・・


びしゃご 「もう・・・食べても・・いいわよね・・(ヨダレ)」


  
  その時!!


  上空から! カラスが急降下して!!


  びしゃごに迫りました!!

びしゃご 「きゃ!」

  びしゃごは 驚き! 避けました!


  そして・・


  カラスは・・


カラス 「アッホー アッホー 」


  と鳴きながら・・  何処へ・・

びしゃご 「なんて失礼なカラスなのかしら!(怒) ん?」

  びしゃごは・・ お気に入りの茄子を見てみると・・


  もう・・  その姿がありませんでした・・

びしゃご 「ワタシの茄子が!?(愕然!) どういうこと? まさか・・・今のカラスが・・・あの子(茄子)を・・・さらった!?」


また次回。

この物語はほとんどフィクションです
  

2010年05月03日(月)

びしゃご 82話  家庭菜園編   室戸荘

   そして・・  翌朝・・

   室戸岬の山では・・


   悪巧みを企む・・


   子タヌキ(長男)と カラス一匹・・

   そして モグラ一匹の姿が・・


カラス
↑カラス(子タヌキの友達)


カラス 「カァー (じゃ~ 本当に・・ソイツ(夫)の畑を無茶苦茶にしてもいいんだな?)」

子タヌキ

子タヌキ(長男) 「ギュー! (もちろんさ!頼んだよ!)」


カラス 「カァ! (ダチの頼みだ! 任せときな!)」


   カラス一匹は 羽ばたき飛んで!

   びしゃごの畑へ!

子タヌキ(長男) 「ギュー (カラス(一匹)なら、きっとアイツ(夫)の畑を!メチャクチャにしてくれる!)」

   その時・・


   子タヌキ(長男)の 足元にいた・・

   ちっこいモグラが・・


モグラ
↑モグラ(子タヌキの友達)

モグラ 「ピー・・ (タヌキ君・・ボクも協力させてよ!!)」

子タヌキ(長男) 「ギョ? (え?(汗))」


モグラ 「ピ~・・ (友達だろ?ボクは何をすればいい?(ドキドキ)」


子タヌキ(長男) 「ギュ~ (う~ん・・そうだな~・・アイツ(夫)の畑の根っこでも・・カジってくれないかな?(汗))」


モグラ 「ピ~・・ (うん!分かった!・・・だけど・・ボク・・カラス君と違って・・・移動が凄く遅いし・・トロいから・・・時間はかなりかかると思うけど・・頑張るよ!)


注:モグラの時速12メートル


子タヌキ(長男) 「ギュー! (頼んだよ!)」


  モグラは右手の親指を突き上げ・・


モグラ 「ピッ (まかせてね!)」


  土の中へ・・

  残った 子タヌキ(長男)は・・

  モグラの潜った穴を見つめながら・・

子タヌキ(長男) 「ギュー・・ (モグラ君には悪いけど・・モグラ君が畑に到着する前に・・・ボクら(タヌキ一家)とカラス(一匹)が畑を全滅させちゃうから・・きっとモグラ君の出番は無いよ・・・)」


  そして・・  

  子タヌキ(長男)は・・

  タヌキの巣へ・・ 帰りました・・

  その途中・・

  子タヌキ(長男)は! 寝転がってる 大柄なネコを発見しました!


  そして・・  子タヌキ(長男)は警戒・・


子タヌキ
↑警戒する 子タヌキ(長男)


子タヌキ(長男) 「ギュー・・ (なんだ?アイツ(ネコ)は? 大きなネコだな~・・)」


  子タヌキ(長男)は・・恐る恐る・・

  大柄なネコに近づきました・・


  そして・・


  ネコに話しかけました


子タヌキ(長男) 「ギュー? (きみ・・・だれだい? どこから来たんだい?)」


  子タヌキ(長男)の質問に・・

  ネコは・・

迷子の八雲
↑迷子の猫「八雲」


八雲(ネコ) 「ニャン! (ボクは八雲だニャン・・・おねえちゃんと・・はぐれて・・迷子になってるにゃん・・)」


子タヌキ(長男) 「ギュ~? (八雲?迷子?)」 

 また次回。

この物語はほとんどフィクションです

2010年04月19日(月)

びしゃご 81話  家庭菜園編   室戸荘


   室戸の山のどこかの タヌキの巣では・・


   びしゃごの畑の野菜を たらふく食べた・・

   タヌキ一家(父・母・子(長男)・妹)の姿が・・

タヌキ一家!
↑タヌキ一家(夜バージョン)


父タヌキ 「ギュ~ (美味かったな~♪)」

母タヌキ 「ギュー♪ (ええ♪あなた♪特に大根は肉厚もあって美味でした♪)」


妹タヌキ 「ギュー・・ (アイツ(夫)も コレに懲りて・・もう二度と悪さをしないことでしょう・・・ゲップ。)」


父タヌキ 「ギュー・・ (そうだな・・・ゲップ。)」


   その時!!

   子タヌキ(長男)が!

子タヌキ
↑子タヌキ(長男)

子タヌキ(長男) 「ギュー!! (お父さん達!何を言ってるんだい!(怒)」

父タヌキ 「ギュ? (どうした?息子よ?)」

妹タヌキ 「ギュ・・?(どうしたの・・お兄ちゃん?)」


子タヌキ(長男) 「ギュー・・ (まだだよ・・こんなのまだ・・序の口さ・・)」


父・母・妹タヌキ 「・・・。」


子タヌキ(長男) 「ギュー (カラスから聞いたら・・アイツ(夫)は村一番の出来損ない漁師らしいんだ。」

父タヌキ 「ギュ~? (それが どうかしたか?)」


子タヌキ(長男) 「ギュ~ (つまりさ・・まったく魚を釣る事ができないアイツ(夫)は・・あの畑が無くなれば・・飢え死にするのさ・・」


母タヌキ 「ギュ? (まさか・・お前?(汗)」


子タヌキ(長男) 「ギュー!! (村中のカラスにも呼びかけて・・昼はカラス・・夜はボクら(タヌキ一家)で・・・あの畑を全滅させようよ!)」

   子タヌキ(長男)の呼びかけに・・

   皆・・沈黙していましたが・・


妹タヌキ 「ギュー・・ (ワタシはやる・・・だって、アイツ(夫)はお兄ちゃんを殺そうとしたんだもん・・まだまだ許せない・・ゲップ。)」


母タヌキ 「ギュー! (ワタシもやる!あの畑の野菜を根っこも残らないくらいに食べてやる!)」


父タヌキ 「・・・。」


子タヌキ(長男) 「ギュー!? (お父さんは・・反対なの!?)」


父タヌキ 「ギュ・・ (息子よ・・・やっと一人前になったな・・(しみじみ))」


子タヌキ(長男) 「ギュ? (じゃ~やるんだね!)」


父タヌキ 「ギュー・・


      (ああ・・10日後には・・


       アイツ(夫)の畑は・・


びしゃごの畑

      
       から・・


びしゃごの畑(崩壊状態)


       こうなるであろう・・(ニヤ)   」

また次回。

この物語はほとんどフィクションです

2010年04月05日(月)

びしゃご 80話  室戸荘

  

   そして・・  その夜・・

   びしゃごと夫は寝てました・・

びしゃご 「スヤスヤ・・・zzz・・・」


夫 「ぐが~! zzzz・・・・ん?・・しょんべんしたいの~」


   眠っていた夫は 急に もようして 目覚めました


   すると・・


   裏庭の方から・・


 『バリバリガリッガリッ バリバリガツガツ ギュー♪』


   と妙な音が 夫の耳に聞こえました


   そして 妙な音は  急に聞こえなくなり


夫 「なんの音やったんや~??」


   気になった 夫は 裏庭へ向かいました・・・


  ・・・裏庭の畑・・・


  そして・・ 夫は  裏庭へ・・


  夫は何かを見て!  驚きました!


夫 「おまん!! 何しゆう!?(驚き!)」

  夫の見た者は・・

  フロシキを顔に巻いた誰かでした!

フロシキを顔に巻いた誰か 「!!!」

  夫は  「フロシキを顔に巻いた誰か」に歩み寄りました!


  よく見ると 「フロシキを顔に巻いた誰か」の足元には


  たくさんの野菜の 残骸が・・


夫 「あんた?野菜泥棒かい?(汗)」


フロシキを顔に巻いた誰か 「・・・・。」


夫 「姿をあらわすぜよ!」


  夫は 「フロシキを顔に巻いた誰か」の フロシキを 取りました!


  その・・ 正体は・・

  高僧・・


高僧 「・・・。」

夫 「うっ(汗)・・・おまん・・遂に・・野菜泥棒にまで堕ちたのか?(汗)」


高僧 「むっ・・ワシは・・・は・ん・にん・・では・・無い・・証拠が・・・なか・・ろう・・・・」

夫 「クチを開けろぜよ!」


高僧 「・・こと・・わる・・・・」


夫 「それならこうぜよ!」


   夫は 高僧の体を クチュクチュ! くすばしました!

   すると・・・


高僧 「うう・・・うう・・・や・・・め・・・ろ・・・くる・・・しい・・・・・プハ!!」


   
  高僧の口から!

  なんと!  大根一本が! 

  飛び出てきました!

夫 「証拠が出たぜよ! おまんが野菜泥棒ぜよ!(怒) 今から、おまんを役人のトコロに連れて行くぜよ!」

高僧 「びしゃごの亭主よ・・・こんな些細な事で役人などと言うでない・・」


夫 「些細な事やと~?」


高僧 「そうじゃ・・・」


夫 「???」


高僧 「この畑の野菜は・・元はワシがびしゃごに与えた、種から出来た野菜じゃ・・・ワシが一口くらい喰うてもかまわんだろう・・・のう?そうは思わんか?」


   夫は 高僧の足元に落ちてる  たくさんの野菜の残骸を見て・・


夫 「一口やと~?(怒)」

高僧 「そうじゃ。ワシは今、来て・・大根一つしか食べておらん。しかも、おぬしのせいで吐き出してしもうたがのう・・」

夫 「ウソも大概にするぜよ! もう許してやるから・・ミクロ洞(高僧の住居)へ帰れぜよ!」


高僧 「びしゃごの亭主よ・・ワシは神仏に仕える身じゃ・・ウソだけは言わぬぞ・・」

注:幾度もウソをついてます。(夫とびしゃごからキノコを騙し取った時・ムラムラダケでびしゃごを狙った時 等など)

夫 「じゃ~いったいダレが・・畑の野菜を食べたんじゃ~?」

  高僧は 己の口から出て 落ちた大根を拾い・・

高僧 「コレ(大根)は貰って行く・・」

夫 「ああ・・持っていきや。」


高僧 「びしゃごの亭主よ・・・この野菜の残骸に・・近くで感じる強い恨みの念の邪気・・・不吉な予感がする・・・気をつけるのことじゃ・・・南無阿弥陀仏・・」

夫 「不吉やと?(また変な事を言い出したぜよ・・)」


   高僧は何処(ミクロ洞)へ・・   また次回。

この物語はほとんどフィクションです

2010年03月29日(月)

びしゃご 79話  室戸荘

 ・・・びしゃごの家・・・

びしゃごの家


  家の裏庭では・・ せっせと びしゃごが畑仕事をしてました・・


びしゃご 「う~んしょっと! よし! ふう~・・頑張ったかいがあったわ♪」

びしゃごの畑
↑びしゃごの畑


  裏庭の畑には う~んとたくさんの 野菜が明日にも収穫できそうな状態に!


びしゃご 「3月前に、お坊さん(高僧)さんから頂いた野菜の種が・・明日にも収穫できそうだわ♪(喜び)」

  びしゃごは・・

  特にお気に入りの 茄子を見つめ・・


茄子
↑びしゃごの茄子


びしゃご 「おいしそう・・(ヨダレ)」


  びしゃごは 我を忘れ・・

  茄子のヘタを ちぎりそうになりましたが・・


びしゃご 「はっ! 危ない危ない!(汗) まだまだ、この茄子は小さいわ・・もっと大きくしてから食べないと・・・」


  その時!!

   『びしゃご!帰ったぞ!』

  ・・と、夫の声が 表から!

びしゃご 「あら? 主人が帰ってきたみたいね。」


  びしゃごは 夫の元へ・・


びしゃご 「あなた、今日は釣れましたか?」

夫 「まったくぜよ!」

びしゃご 「・・・。 (やっぱり・・)」


夫 「へへ・・魚は釣れんかったけど・・びしゃごのために♪浜でアザミを拾うてきたぜよ♪」


  夫は手の中のアザミをびしゃごに見せました


びしゃご 「まあ~おいしそう♪」

夫 「やろ?」

びしゃご 「今夜は、コレを、塩茹でして二人で食べましょう♪」

夫 「そうやな♪・・・・ところで・・びしゃご・・裏の畑の野菜はいつになったら喰えそうぜよ?」

びしゃご 「ウフフ・・ついて来てくださいな♪」


  びしゃごは夫を裏庭の畑へ・・ 

びしゃごの畑

  裏庭の畑を見た 夫は・・


夫 「凄いぜよ!たまげたぜよ! びしゃご・・・よく・・ココまで見事に野菜を育てたな~(感服)」


びしゃご 「あなた・・本当に苦労しましたよ・・(涙) この3ヶ月・・家事と内職の合間に一所懸命育てた野菜たちです・・まるで・・我が子のように・・・(涙)」


夫 「そうぜよ! この野菜たちが・・びしゃごの子供たちなら・・・ワシの子供ぜよ!・・・どれどれ♪」


  夫は びしゃごの特にお気に入りの 茄子をちぎろうとした・・

茄子


  その時!

  びしゃごは!

  夫の 手をパンと叩きました!


びしゃご 「おやめなさい!(激怒)」

夫 「え?なんでぜよ?(汗)」

びしゃご 「まだ!その子(茄子)は食べるには早いです!」

夫 「そうか?分かったぜよ・・ガマンするぜよ・・・でも、びしゃご・・よく頑張ったな♪」

びしゃご 「いえいえ♪さあ~家の中に入りましょう♪」


  びしゃごと夫は・・

  家の中へ・・


  しかし・・

  その・・ びしゃごの畑を・・

  木陰から隠れながら見つめる・・

  人影が・・


??? 「うむ・・・あんな種から・・野菜を見事に育てるとは・・さすがはびしゃごじゃ~・・・・今夜が楽しみじゃ~・・」   また次回。


果たして! 畑を狙う「???」の正体は!?


この物語はほとんどフィクションです


2010年03月22日(月)

びしゃご 78話  室戸荘

  「びしゃごー家庭菜園編ー」開始!


  ある日の 昼頃・・

 
  仕事(漁)を終えた

  夫と六助は 家への帰り道・・


帰り道
↑帰り道(室戸岬)


夫 「今日も全然、釣れんかったの~♪」

六助 「そうやの~♪」


  その時! 夫は!

  近くの岩の上で、一匹のタヌキが昼寝してるのに気付きました!!

 

  夫は 小声で六助に・・

夫 「六助・・・アレを見るぜよ・・・・」


  夫は 岩の上で 幸せそうに昼寝してるタヌキを指差しました・・


六助 「寝てるタヌキやが?・・・それがどうした?」


夫 「おまんは・・三日前に・・アジをぎょうさん釣ったから・・ヨメに怒られんやろうが・・ワシはココ最近・・まったくのボウズ(釣果ゼロ)ぜよ・・・」


六助 「もちろん知っとるが・・それがどうしたぜよ?」


夫 「まだ、分からんのか? ようするにぜよ・・・今日も魚を一匹も持って帰らんと・・・びしゃごに怒られるんぜよ・・・(ヒヤ汗)」


六助 「そりゃまあ~仕方無いぜよ。」


夫 「フフフ・・じゃから・・あのトロそうな眠ってるタヌキを家に持って帰れば・・今夜はタヌキ鍋じゃ♪びしゃごも怒らん♪」

六助 「その通りじゃ! (うっかり!)」


   そして・・


   近くの大きい石を拾った夫は そろり~っ 抜き足し忍び足で・・

   タヌキに  近づきました・・

夫 「・・・。 (起きるなぜよ・・)」


タヌキ 「zzzz」


   そして・・

   タヌキの目の前にまで来た 夫は・・

   大きな石を 振り上げました!

夫 「・・・。 (くたばれぜよ!)」


タヌキ 「zzz・・・・ほえ? ぎゅーー!!! 」

   夫は石を 振り落とした瞬間!


   死の危険を感じ目覚めたタヌキは間一髪! 避けました!!

   そして! タヌキは 全力疾走で 何処へ!

タヌキ 「ぎゅー!! (怯え)」


   タヌキに逃げられた 夫は 悔しそうに・・

夫 「くそ~! しまった! これで・・家に帰ったら・・びしゃごに、また怒られるぜよ・・(渋々)」


   六助は夫に肩をポンと叩き・・


六助 「まあ~仕方がないやろ。帰ろうぜよ。」


夫 「六助・・ワシはこの辺の浜のアザミ(植物(食料))を取ってから帰るき・・先、帰れ。」


六助 「そうか、がんばれよ。」


  六助は アザミを取って帰るという夫を置いて先に帰りました。


  そして 夫は  アザミを抜き始めました・・

  2時間後・・

夫 「あんましと取れんかったの~・・まあ・・・腹の足しにはなるぜよ♪」


  夫は手に掴んだアザミを持って家に帰りました

  しかし・・


   

  木陰から・・


  夫を 見つめる 影が・・


タヌキ軍団
↑タヌキ一家


父タヌキ 「ギュー! (アイツ(夫)か!お前を殺そうとしたヤツは!(怒)」

子タヌキ
↑子タヌキ(夫に殺られそうになったタヌキ)

子タヌキ(長男) 「ギュー・・ (そうだよ・・アイツ(夫)だよ・・ボクがアザミを食べて・・お腹一杯になって寝ている所を襲ってきたんだ・・きっとアイツは・・ボクを食べる気だったんだ・・・)」


妹タヌキ 「ギュー・・ (アイツ(夫)が・・おにいちゃんを?・・許せない・・(怒り))」


母タヌキ 「ギュー! (アナタ(父タヌキ)! あの人間の男(夫)の後をつけて!仕返ししましょう!)」


父タヌキ 「ギュー・・ (よし・・みんな・・気配を消して・・アイツ(夫)をつけて・・アイツ(夫)の家を調べるんだ・・(ニヤ)」

母・子・妹タヌキ 「ギュー! (了解!)」    また次回。

この物語はほとんどフィクションです

2010年02月15日(月)

びしゃご 77話  室戸相撲大会編終了  室戸荘

熊 「ガウ! (では・・ワタシが行司をします・・)」

夫 「頼む・・・」


   
  大将と夫の二人は土俵に入り

  腰を落しました


夫 「大将・・では、遠慮無しで行くぜよ!」

大将 「もちろんだ・・」

  そして!


熊(行司) 「ガウ・・ (はっけよい・・)」

夫 「ごく・・ (必ず勝つ・・)」

大将 「ごく・・ (びしゃごのためにも負けられん・・)」

  二人の手は土俵につき!

  相撲開始!

夫 「こうげきあるのみぜよ!」


  夫は激しい張り手を!大将の顔に幾度も!


大将 「うっ!やるな!」

  張り手を受け!大将も強烈な張り手を、夫に!

夫 「うわ! だけど・・まだまだ!!」


  張り手合戦から・・やがて組み合う四つ相撲へ!


夫 「組めば・・足が悪い大将よりワシが有利じゃ!」

大将 「うおおお!」


  なんと!ヒザを怪我してるはずの大将ですが!

  信じられない・・力が!


  体勢は一気に大将有利に!


夫 「どういう事や?なんでこれほどの力が?(汗)」


大将 「夫よ! 鯨漁師の力を見せてやる!」


夫 「ワシもや! 室戸岬の漁師の力を見せてやる!」


  二人の体勢は 互角に!


  しかし・・

  徐々に・・


  夫有利の体勢に!


夫 「うおー!」

大将 「なに? びしゃごの夫のどこに・・こんな力が?」

夫 「火事場のクソ力ぜよ!」


  その一瞬! 夫が大将を投げ飛ばしました!


熊 「ガウ! (勝負あり!勝者!旦那様!)」


夫 「勝った!大将に勝ったぜよ!」

大将 「くそ!負けた!」


   そして・・

   大将が持って来ていたお酒を・・

   夫と大将は飲み交わしてました・・


大将 「夫よ・・負けた・・完敗だ・・」


夫 「いえ・・多分、大将がヒザを怪我して無かったら・・大将が勝ってたと思います♪」


熊 「ガウ! (お二人さん♪もう一杯どうぞ♪」

夫・大将 「悪いな♪」

  熊は夫と大将に お酌しました。

  その時!

  
  草むらから! 熊が3匹!出現!

  熊は大人の熊1匹と子熊2匹・・

夫 「ひいい~!(怯え) 熊じゃ!? これ熊!なんとかしてくれ!」

熊 「ガウ・・ (あなた様・・あの熊は・・ワタシの亭主と・・子供達です・・)」

夫 「そうなのか?」


  熊は熊3匹の元へ・・


熊(嫁) 「ガウ? (どうしたの?なぜ、こんなところに?)」

熊(夫) 「ガウ・・ (どうしたも無いぜよ・・急に巣を出て行くなんて・・。 ワシにも・・この子達にも・・おまんが必要なんじゃ・・」

小熊 「ガウ~! (おかあちゃ~ん!(涙) お腹すいた~(涙))」

熊(嫁) 「・・・。」

熊(夫) 「ガウ! (ワシが悪かった・・おまえをもっと大事にする!この通りだ!)」


  熊(夫)は熊(嫁)に土下座を!


熊(嫁) 「ガウ・・ (じゃ~・・ワタシに毎日、接吻してくれる?愛してくれる?)」

熊(夫) 「ガウ! (もちろんぜよ!)」


熊(嫁) 「ガウン・・ (じゃ~ココで接吻して・・)」

熊(夫) 「ガウ? (ココでか? ・・でも、子供もあそこで人間(夫・大将)も見ているぜよ・・・(恥))

熊(嫁) 「ガオー! (なんですって! ワタシ!この山から出て行っちゃうわよ!(怒))」


   その一瞬! ためらわず熊(夫)は!

   接吻を!


   そして・・

   熊は・・

   びしゃごの夫に一礼して・・

   熊(夫)と子熊達と 幸せそうに何処へ・・

大将 「どうやら・・おぬしは振られたようだな・・」

夫 「熊よ!! ワシより熊の亭主を選んだのか!?」

大将 「一人で山越えは無理だろう?家に帰れ・・」

夫 「・・・。」


   そして・・


  ・・びしゃごの家・・

びしゃごの家


   そこでは・・

   一人でびしゃごが・・


びしゃご 「村中探しても夫は見つからなかった・・まったく!あの人(夫)はドコに行ったのかしら!(怒) まさか・・本当に・・相撲で恥をかいたくらいで・・村家出を・・!」


   びしゃごは 木の皮(食料)をかじりながら・


びしゃご 「まったく・・ワタシを置いて村家出をするなんて・・・。 ワタシがもっと・・夫の事を気遣っていれば・・・・」


   びしゃごの瞳から 涙が・・


   その時・・


   家の戸が・・  開きました


夫 「びしゃご!帰ったぞ!」


びしゃご 「あなた!どこに行ってたんですか!?」


夫 「村家出をしようとしたけど・・。やっぱりワシはこの村も漁師の仕事も・・そして、びしゃごが好きなんで戻って来たぜよ♪ ん?どうしたぜよ?泣いてるのか?」


   びしゃごは涙を拭いて・・


びしゃご 「いえ・・。 あなた・・おかえりなさい♪」

夫 「ただいまぜよ♪」


   

   その頃・・鯨漁の漁場では・・


大将 「みんな!仕事ははかどっているか?」

紀州漁師 「へい!」

漁師A 「大将!もう明日にでも・・鯨漁は出来そうです! ん? どうしたんですか?顔が嬉しそうですね?なにか良いことでも♪」


  大将は鯨舟を見ながら・・


大将 「いや・・ワシにはコレ(鯨漁)しか無いと思ってな・・」


漁師A 「そうですね。」


   大将は海を見ながら・・


大将 「・・・。 (時化(しけ)が晴れそうだ・・明日からは大漁になるだろう・・室戸の食料難もきっとおさまる。 夫よ・・しっかりとびしゃごを支えてやれ・・約束だ・・。」


  


    -相撲大会編終了ー


★次回から「びしゃご家庭菜園編開始!

害敵「たぬき」や「からす」の被害を受ける!びしゃごの畑!

生活のかかっている「びしゃご」と「夫」は!

無事に害敵から! 大根・芋・胡瓜を守ることが・・

できるのか!?

2010年02月10日(水)

びしゃご  76話  室戸荘

 

    そして・・ ついに・・ 決勝戦・・


    結びの一番は「おいもvs五助」

高僧 「結びの一番です!両者!土俵へ!」


   高僧の呼び出しで「おいも」と「五助」は土俵へ!


村人全員 「五助ー!五助ー!五助ー!」


五助 「おいもちゃん!悪いけど、負けんで!」

おいも 「こっちこそ! 負けないわよ!」

   ・・特別席・・


家老 「ついに・・決勝戦だな・・「智のおいも」に「運の五助」か・・」

24番札所住職 「家老様?腰はもうよろしいのですか?」

家老 「もちろんじゃ。」


   そして試合開始!


高僧(行司) 「時間です!はっけよい! (これで帰れるわい・・)」

五助 「ごく・・ (絶対に勝つ・・)」

おいも 「ごく・・ (この男には・・作戦其の三ね・・)」


   両者は地面に手をつきました!


   その直後!

   なんと!

   おいもの着物から!胸がポロリ!


おいも 「あら?やだ? (大将以外に胸を見せたくないけど・・色仕掛け作戦よ! これで五助は興奮してロクに相撲は取れないはず・・)」


観客 「おおう!胸じゃ~!(興奮)」

老人 「久しぶりの見たわい・・なんまいだ~なんまいだ~♪」

   老人は拝み始めました・・


  それを見た!五助は!

  なんと!

  おいもの胸を隠すように背を向け!

五助 「みんな見るな!おいもちゃん!早く胸を隠すぜよ!」

おいも 「え? (対戦相手のワタシに背を向けるなんて・・この男・・何を考えてるの?)」

五助 「隠したかい?」


   おいもは後ろから五助を突き飛ばすことも出来ましたが・・

   着物を元に・・

おいも 「五助・・なに考えているのよ? 胸なんか見られても減るもんじゃない・・それにアンタ優勝したかったんでしょ?ワタシに背を向けるなんて・・負けを認めてるようなものよ・・」


五助 「おまんの・・胸を見たら・・ワシ・・もう戦えんなった・・」


おいも 「・・。」

五助 「ワシは・・おなご相手には・・張り手も出来んし、投げることも出来ん・・」

おいも 「・・。」

五助 「優勝はしたいけど・・ワシの負けでいいぜよ・・」

   五助は・・

   自ら歩き・・

   土俵を出ようとしましたが・・


おいも 「待って・・五助・・」

   五助はおいもの方を振り向きました

五助 「なんじゃ?おいも?」

おいも 「ワタシの負けよ・・」

   なんと・・


   おいもは自分の左手を地につけました・・


高僧(行司) 「勝負あり! 勝者!五助! 」

観客 「五助!五助!五助!」

五助の両親 「やったー!五助ー!」

  ・・・特別席・・・


24番札所住職 「なんと!おいもが自ら負けた!あれほど勝ちに執着していた女が・・」

家老 「・・・。」

24番札所住職 「まさか・・優勝者が・・五助とは・・誰も予想していなかった結果ですな・・」

家老 「フフ・・住職よ・・相撲で言われる心技体で・・一番大事な事は心じゃ・・それを考えれば・・意外でもなかろう・・」

   そして!五助の優勝で!会場は大盛り上がり!

   その頃・・

  

   ・・室戸の山中・・

東の森


   そこには

   「夫」と「大将」と熊が・・

熊 「ガウ! (簡単だけど・・土俵が出来たわ・・)」


夫 「熊・・すまないな・・」

大将 「では・・始めるか・・」   


また次回。

この物語はほとんどフィクションです


   次回!室戸相撲大会編終了!

2010年02月03日(水)

びしゃご 75話  室戸荘

    その直後! 家老の腰に衝撃が!


家老 「あう! (ぎっくり腰が!?)」


   家老はぎっくり腰で立つことが出来ず座ったまま・・

   それを見た五助は・・


五助 「どうしたんですか?家老様? 家老様が立たないと相撲にならんです。」


家老 「・・・。」


高僧(行司) 「家老殿?真剣にやってくだされ・・」


   すると・・


家老 「高僧殿に五助よ・・・どうやら・・腰を落とした時に・・腰をいためたようだ・・」

五助・高僧 「それで?」


家老 「ようするにじゃ・・立つことが出来ないのだ・・どうする?」


   高僧は座ったままの家老を見ながら・・

高僧 「それは弱りましたな・・もう、試合は始まってしまいました・・・」


家老 「取り直しはできんのか? おそらく・・少し揉めば良くなると思うが・・」


高僧 「無理です・・一度、両者の手が地面についた以上・・決着をつけないと・・」


家老 「さようか・・・ワシも武士じゃ・・最後は潔く・・」


五助 「家老様・・・お覚悟を・・失礼いたします・・」

  五助は・・座ったままの家老の両肩を掴みました・・

家老 「五助よ・・ワシの負けじゃ・・とどめをさせい・・良い試合であった・・」


五助 「はい。では・・」

   五助が押すと家老はコロリっと転びました・・

高僧(行司) 「勝負あり! 勝者五助! (これまでで一番・・酷い試合じゃったの~・・)」


五助 「おかあ!おとう!勝ったぞ!」

五助の両親 「ふう~・・まあ・・家老様がぎっくり腰になってくれて良かった・・」


   しかし!室戸の村人は!

村人全員 「こら!五助!おまえのせいで!一文もらえなくなったじゃねえか! 空気を読まんかい!(怒)」


   五助に罵声を!


   その時!五助が!


五助 「皆の衆!静かにしろい!」

村人全員 「なんやと!(怒)」


五助 「ワシが優勝したら!米も小判もおまんらに分けちゃう!」

村人全員 「!!!」


五助 「ワシが欲しいモノは・・米も小判も欲しいが・・ココまできたら・・優勝や!みんなワシを応援してくれ!」


   すると!


村人全員 「五助!五助!五助!(連呼)」


   なんと!五助は一躍!村のヒーローに!

   それを見ていた決勝進出者の「おいも」は・・


おいも 「ふ~ん♪ 五助って、けっこう男らしくて・・ヤルじゃない♪」

   その頃・・

   敗れた家老は控え室に・・

家臣A 「家老様!お腰・・大丈夫ですか!?」

   家老は腰を揉まれながら・・

家老 「はっはっは!(笑) 勿論じゃ!」


家臣B 「まさか・・ぎっくり腰になるとは・・残念です・・」


家老 「まあ・・ワシが勝ってたら、室戸の村人にとってはつまらんかっただろう? まあ・・悔しさはあるが、良しとするか。」

家臣AB 「はあ~?」

家老 「これで・・決勝に残った二人は・・「おいも」と「五助」の若い二人か? 決勝が楽しみじゃ・・」


 また次回。

この物語はほとんどフィクションです

2010年01月25日(月)

びしゃご 74話  室戸荘


 
  決勝進出者・・  一人目は「おいも」に決定!


  そして・・  二人目の決勝進出者を決める

  次の取り組みは

  
  「土佐藩家老(名家後藤家)」VS「五助(室戸岬の漁師)」


   家老の控え室では・・

   回し姿の「家老」と 「家臣A」「家臣B」の姿が・・

家老 「久しぶりの回しじゃ・・腕がなるの~」


家臣AB 「家老様・・後武運を・・」


家老 「フッフッフ・・ワシも若い頃はバカ(悪さ)ばっかりやって来たが・・久しぶりに昔の様に大暴れできそうじゃ・・」


家臣AB 「は!家老様の勇ましきお姿を期待しております!」

   土俵上では・・


   すでに五助が待機・・

五助 「・・・。 (やっぱり・・おかあの言う通り・・家老様には勝っちゃいけない・・)」

高僧 「・・・。 (この男(五助)の名前は・・なんじゃったかの~?)」


   その時!

   家老が登場!

家老 「おい、お前タチ(家臣AB)・・」

  家老は家臣にサインを・・


家臣AB 「は! 室戸の民よ! この試合! 家老様が勝てば! みな一人一人に一文(現在で20円程度)の祝儀を与える! みなのもの!家老様を応援するのじゃ!」

室戸の民全員 「お金をくれるのか? それなら・・ 家老様ー!! 家老様ー!!」


  会場全体が家老様の応援に・・!


  そして、家老は土俵上に・・


家老 「これ五助!遠慮はいらぬ! 死ぬ気でかかってくるがよい!(笑)」


五助 「へい・・・。」

高僧(行司) 「・・・。 (たったの一文か? 土佐藩家老もせこいの~・・)」

  そして・・試合開始!


高僧 「時間です。はっけよい・・」

  家老と五助は腰を落しました

自信満々の家老 「はっはっはー!(笑)」

憂鬱な五助 「・・・。 (まあ・・ワザと負けるのは難しいから・・力を抜いて相撲しよう・・)」


  そして!

  二人は手をつきました!   また次回。

この物語はフィクションです

2010年01月18日(月)

びしゃご  73話  室戸荘


高僧(行司) 「では・・はっけよい・・ (酒が飲みたいの~・・)」


  二人は腰を落しました

村人A 「よし!おいも!突き飛ばしてやるわい!」

おいも 「・・・。 (この男には作戦「其の二」ね・・)」


  二人は手をつき!試合開始!


村人A 「うりゃー!」


  村人Aは!おいもへ突進!


  その時!


おいも 「田吾作(村人A)! 足元に小判が落ちてるよ!!」


  その言葉を聞き!


村人A 「どこじゃ?どこじゃ?小判はどこじゃ?」


   村人Aは足元を必死に探り始めました!


おいも 「すきあり!」

 
  おいもは村人Aを突きました!


村人A 「うわ~!」

   村人Aは土俵外へはじき出され・・


   そうになりましたが!

  
   崖っぷちで足を残しました!

悔しがるおいも 「くっ・・ツメが甘かったか・・」


村人A 「やるな~おいも? あやうく騙されるところだったぜ・・」


高僧(行司) 「・・・。 (さっさと終らんかの~・・眠くなってきたわい・・)」

  村人Aは・・

  ゆっくりと・・

  おいもに近づきました・・

村人A 「おいもよ・・堪忍しろい・・おめえはもう終わりだ・・念仏でも唱えるがよい・・」

おいも 「くっ・・・(最終手段をやるしか無いわね・・)」


  その一瞬! おいものヒザが!村人Aの股間を襲いました!


  当然・・村人Aは悶絶・・

村人A 「あうううううう・・・・・・・・・・・・・・・バタ。」


  村人Aは・・力尽き・・倒れました・・


おいも 「・・・。 (急所攻撃・・・問題は行司が今の反則に気付いたか・・どうかだわ・・)」

高僧(行司) 「・・・。 (急所攻撃で反則か? 「おいも」が故意じゃ無いと言い切れば「取り直し」か? それはシンドイの~・・)」


 
   そして・・

高僧 「勝者!おいも!文句無し!」

おいも 「やった♪」    また次回。


この物語はほとんどフィクションです

2010年01月13日(水)

びしゃご  72話  室戸荘

 

   そして! 準決勝の第一試合!

   おいも vs 村人A 


  
高僧(行司) 「次の試合! おいも!そして、田吾作(村人A)! (そろそろ・・行司も疲れてきたの~・・)」

   そして、おいもと村人Aは土俵上へ!


村人A 「へへ♪相手は女や♪楽勝や♪」


おいも 「はあ~(タメ息) もう大将もいないし・・

     相撲大会も飽きてきたわね・・

     この男にあっさり負けちゃおうかな~・・


     相撲大会の優勝賞品は米一俵か? ん?」


     その一瞬! おいもの頭の中に ピカっと、ロウソクが灯されました


    ・・黄昏の室戸岬の浜・・


   そこには 大将とおいもの姿が・・

大将 「どうしたんです?おいもさん?ワシをこんな所に呼び出して・・」


おいも 「大将様に・・お渡ししたいモノがありまして・・」


大将 「渡したいモノ?」

おいも 「これですわ・・」


大将 「これは!米一俵!? こんな大事なモノ・・いただくわけには・・」

おいも 「いえ・・もらってください・・」

大将 「おいもさん・・」

おいも 「大将・・」


  二人は見つめあいました・・

  しばらくして・・


恥ずかしがる大将 「あっ!いけない・・つい・・おいもさんを・・見とれてしまった・・」

恥ずかしがるおいも 「あっ!こちらこそ・・つい・・お恥ずかしい・・」


照れる大将 「分かりました・・このお米は頂きます・・じつは・・子分に食わすモノが無くて・・困っていたのです・・」


おいも 「そう・・それは・・良かった・・」

大将 「おいもさん・・ありがとう・・」


おいも 「もう一つ・・大将に・・差し上げたいモノ・・。いえ、預けたいモノがあるんです・・」


大将 「???」


おいも 「ワタクシです・・。 もう・・身も心も・・あなたに・・委ねまする・・」

大将 「おいもさん・・いいんですか? ワシなんかで・・」


おいも 「大将様・・呼び捨てで・・おいもと呼んでください・・」

大将 「おいも・・愛してる・・」


おいも 「ワタクシも・・」

大将  「おいも・・」

  大将は!おいもの体に抱きつきました!


おいも 「大将様! ・・こんなところで・・恥ずかしい・・」

大将 「ワシは・・おいもが好きだ・・この気持ちを抑えられない・・」


おいも 「ああ・・なんて力強い・・。 大将・・大将・・大将・・」

大将 「おいも・・おいも・・おいも・・おいも・・・


   その時!!

高僧(行司) 「おいも! こら早く!塩をまかんか!(怒)」

我に帰ったおいも 「え? ああ・・はい。」


  おいもは塩をまきました。

ニヤニヤするおいも 「フフ・・フフ・・フフ・・・(なるほどね・・米で大将を釣る・・名案だわ・・)」


おいもを見る高僧 「なにを笑っておるんじゃ? 気持ち悪いおなごじゃの~・・」


  また次回。

この物語はほとんどフィクションです

2009年12月28日(月)

びしゃご  71話

  ・・室戸相撲大会場(24番札所)・・


家老 「なに!? びしゃごが辞退!?どうしてじゃ!?」


24番札所住職 「それが・・不正により失格になったことで・・人生に失望した夫が・・村家出をしそうで・・、心配なので・・すぐに夫の元へ行きたい・・・と。」


家老 「さようか・・夫婦とは・・そういうものじゃ・・。」

24番札所住職 「はあ? 世俗を捨てている私には分かりませんが・・」

家老 「では・・びしゃごの代役は・・・・(ニヤ)」


24番札所住職 「だれを?」

家老 「ワシじゃ! 土佐藩家老・・後藤家の力を見せてやろう・・」


  家老の緊急出場が決定!

24番札所住職 「え? しかし・・それでは・・家老様の対戦相手が・・怖気づいて・・勝負になりません。」


家老 「ははは(笑) 相撲の土俵の上は神聖な場所じゃ。 相撲の時は武士も下民も関係ないわ(笑)」

24番札所 「そうですか・・ (嫌な予感が・・)」

家老 「・・という事はワシの対戦相手は・・五助か? 軽く投げ飛ばしてやろう♪」

  家老!緊急出場の報を聞いた!

   五助は・・


五助 「本当か!?」

24番札所住職 「そうじゃ、では。」

  住職は何処へ・・


五助 「ワシは・・あの大将を破って・・しかも・・土佐藩の家老様まで・・倒せば・・ワシは室戸の伝説になる・・」

   五助の心にさらなる野心が!

   しかし・・  五助とともにいた両親が・・


五助の父 「五助・・わざと負けるんじゃ・・」

五助の母 「そうよ・・何かあって・・家老様に怪我でもさせたら・・」


五助 「おとう、おかあ・・ワシは人気者になりたいんじゃ・・真剣で戦う・・」


五助の父 「だめじゃ・・・」

五助の母 「人気者なんて、ならなくていい。五助はワタシの子・・ワタシらは、優勝する五助より・・孫が見たい・・」


五助 「おかあ・・」   また次回。


この物語はほとんどフィクションです

2009年12月21日(月)

びしゃご 70話  室戸荘

 
  行司(高僧)にイカサマ誤審を強い・・


  不正を試みたという事で・・

  失格になった夫は・・

  室戸相撲大会を永久追放になりました・・

  
  夫は一人淋しく帰路へ・・

石ころを蹴る夫 「ちぇ、なんでワシがこんな恥をかかんといかんのじゃ・・」


   その時・・  草むらから がさがさと音が・・

夫 「ん? だれじゃ?」


   草むらから・・

くまこ


   熊が出てきました。


夫 「熊?どうしたんじゃ?こんな所で?」


熊 「ガウ! (あなた・・ワタシも影から相撲大会を見てました・・あなたが失格になるなんて・・(涙))」


夫 「その通りや・・おまんは良く分かっちゅうぜよ♪」


熊 「ガウ! (ワタシと・・一緒に・・この村を出ませんか?)」

夫 「え・・?」


熊 「ガウ! (ワタシ・・あなたと添い遂げたいと思い・・旦那も子供も捨ててきました・・)」

夫 「熊・・」


熊 「ガウ! (行きましょう・・何処か・・遠くの山へ・・)」


夫 「ああ・・こんな辱めを受けた以上・・もう、ワシはこの村におれん・・。分かったぜよ・・行くか・・」


熊 「ガウ! (ワタシの背中に乗ってください・・)」


夫 「ああ・・熊よ・・これからもよろしくな・・」


  夫は熊の背中の乗り・・

  何処へ・・


   その頃・・

   相撲大会場では・・


家老 「室戸の民よ!良く聞けい! 今から準決勝を始めるが・・六助のヨメが辞退してしもうて・・「おいも」の対戦相手がおらん・・誰か我こそは・・という者はおらんか!?」


   すると・・


室戸の民 「優勝したら・・米一俵に小判一枚・・」

室戸の民 「しかも・・今、残ってるのは「おいも」「五助」「びしゃご」・・弱いもんばっかりや・・」

  
  そして! 村人全員が参加の意思を!

室戸の民全員 「家老様!ワシが出ます!」

おなす 「ワタシが出る! あんな負け(だまし討ち)じゃ納得いかない! おいもともう一回! 相撲させてください!」

   家老は・・


家老 「では・・ジャンケンで決めるがよい・・ (大将と六助のヨメが出てる時は出る気がなかったのに・・都合の良い村人達だな・・)」


   室戸の村人全員はジャンケンを始めました・・

   そして・・

   ジャンケンを勝ち残ったのは「村人A」


村人A 「よし!ワシが・・相撲大会を制するぜよ!」

家老 「うむ・・では準決勝は

    村人A vs おいも

    五助  vs びしゃご  じゃな・・」  


  ・・室戸の山中・・

東の森

  夫と熊が旅たってすぐ・・

  夫と熊の前に・・

  なんと!

  大将が現れました!


大将 「びしゃごの夫よ・・どこへ行く・・?」


  夫は熊に乗りながら・・

夫 「大将!なんでこんなところに?」

熊 「ガウ? (あらま、いい男(大将)♪)」


大将 「夫よ・・熊の背に乗り・・この村から出て行く気か?」


夫 「そうです・・ワシは失格になり・・みんなから恥をかきました・・もう村を出ます・・」

大将 「おぬしがこの村から出て行けば・・びしゃごが淋しがるぞ? びしゃごにとって・・おぬしは・・かけがえの無い夫だろう? 恥をかいたくらいで村を出て行くな。 」

夫 「でも・・出て行くと決めました・・」

大将 「では・・今ここで・・お前とワシで・・一発勝負の相撲をしよう。 おぬしが勝てば・・どこにでも行くがよい。 ワシが勝てば・・おまえはおとなしく家に帰るんじゃ・・。 ワシとお前の真剣勝負だ・・」

夫 「え?でも、大将は・・五助ごときに負けるほど膝を怪我してるんでしょう?」


大将 「夫よ・・おまえだけに言う・・ワシはびしゃごを好いておる・・」

夫 「へ? 大将!びしゃごはワシの妻ですよ!(怒)」

大将 「だから・・びしゃごを悲しませたくない・・たとえ、膝が壊れようとも・・おまえには負けない・・」

  夫は・・ 大将を見つめながら・・

夫 「分かりました・・受けましょう・・。これ、熊、下ろせ。」

熊 「ガウ! (今からココで・・・真の相撲大会の決勝が始まるのね・・)」


   また次回。

この物語はほとんフィクションです

2009年12月14日(月)

びしゃご 69話  室戸荘

 
  
   次は一回戦最後の取り組み!「びしゃごvs夫」


家老 「ほう・・次は、江戸にて日の本一の美女に選ばれた「びしゃご」と・・・ぐ~たら亭主か・・」

24番札所住職 「さすがに・・あのぐ~たら亭主と言えども・・女子のびしゃごには勝てるでしょう・・」


高僧(行司) 「次の対戦は!びしゃごと夫じゃ!」

  二人は土俵へ!

  歓声の100パーセントは「びしゃご」を応援!

観客全て 「びしゃごー!びしゃごー!」

観客全て 「ワシ、あの男(夫)キライや!夫!負けろー!」

びしゃご 「あなた!日ごろのウップンを晴らします!」

夫 「へへへ♪軽くヒネッてやるぜよ♪ それにしても観客の声がやかましいぜよ!(怒)」

  その時・・

  高僧と夫はアイコンタクトを始めました・・


高僧 「・・・。  (夫よ・・ヤルのか?(イカサマ誤審)」

夫 「フッ・・ (モチロンぜよ・・(ニヤ))」

高僧 「・・・。 (妻のびしゃごが相手でもか?)」

夫 「・・・。 (そうぜよ、最近のびしゃごは反抗的じゃ・・ワシは仕事(漁)が忙しいのに・・びしゃごめ・・「水汲み(桶を持って片道2キロ)」も「マキ割り」も「屋根の修理」も「野良仕事(畑仕事)」も「芝刈り」も拒みだしたぜよ・・もちろん今のところは全部、びしゃごにやらしておるが・・。それやから・・びしゃごでも容赦無しや・・)」


高僧 「・・・。 (さようか・・約束の・・米の三分の一・・忘れるなよ・・)」

夫 「・・・。 (約束?そんな約束したか?)」

高僧 「・・・。 (確かに約束した・・おぬしが忘れているだけじゃ・・(真っ赤なウソ)」

夫 「・・・。 (したかの~? したとしても・・三分の一~? 今はもう大将も六助のヨメもいないぜよ・・。 ワシがココで「びしゃご」を倒せば・・あとはもう弱い・・「五助」「おいも」だけじゃ・・。三分の一では割りが合わん・・)」


高僧 「・・・。 (なんじゃと?おぬし・・もしや約束を破る気か・・?)」


夫 「・・・。 (米・・30分の1じゃ・・これ以上は渡せん・・)」

  
   二人のアイコンタクトの空気が・・序々に険悪に・・


高僧 「・・・。 (30分の1じゃと? それだけでは数日で喰ってしまう! うぬぬ・・! 約束を破るとは! おぬしは地獄に落ちるぞ!)」


夫 「・・・。 (地獄が怖くて・・漁師は出来んわい! それにおまん!ワシとびしゃごの猪鍋を一人で全部、喰ったやろうが!)」


高僧 「・・・。 (まったく・・あくどい男じゃ・・10分の1でどうじゃ?」


夫 「・・・。 (あくどい坊さんぜよ!30分の1ぜよ! イヤなら・・一粒も分けんぜよ!」


   その時!!

   なんと!


   土俵の上には家老の姿が・・


家老 「おぬし達(夫・高僧)・・何を企んでおった? えらく長い間・・見つめおうておったが・・?」

夫 「家老様!? いえ・・別に・・」

高僧 「・・。」

家老 「びしゃごの夫よ・・本当か?」

夫 「はい!」


  その時・・

  高僧が・・


高僧 「家老殿・・この者(夫)は・・ワシにイカサマを持ちかけて来たのじゃ・・」

夫 「おい!?」


家老 「高僧殿!それはまことか!?」

高僧 「もちろんじゃ・・相撲の土俵の上は神聖な場・・ワシは必死に拒み・・この男(夫)に仏の道を説いておったのです・・」


夫 「家老様!この坊主の言ってること全てデタラメです! 2日前に、この坊主からイカサマを持ちかけてきたんです!」


家老 「びしゃごの夫よ・・言い訳を言うな。ワシは・・土佐藩山内家を幾度も救った高僧殿を信じる・・」

夫 「そんな~(涙)」

家老 「よって・・・びしゃごの夫!失格!」


  夫は失格になりました

夫 「そんなアホな! 坊主!よくも嘘八丁を!(怒)」


高僧 「あたりまえのことをしただけじゃ・・」  また次回。


この物語はほとんどフィクションです

2009年12月07日(月)

びしゃご 68話  室戸荘


   
   開始直後!

   二人はお互いの回しを掴み!

   四つ相撲に!


大将 「うっ・・  (力が入らない!) 」

五助 「え? (あれ?大将って・・意外と強くない・・これなら勝てるわい!)」


   五助は!

   豪快に大将を投げ飛ばしました!


大将 「うわ!」

ガッツポーズする五助 「やった!勝った!おとう!おかあ!勝ったぞー!」


五助の父母 「五助!ようやった!(笑)」


  五助は・・ 感動の涙を流しました!

  

五助 「ワシは・・勝った・・(涙) ワシは大将に勝ったんや・・(涙)」

高僧(行司) 「勝負あり!勝者・・・・・・だれじゃったかの~?」

   大将の敗北に・・

   観客は・・

家老 「・・・ (やはり大将の膝は相当、悪かったのか・・残念だな・・)」

びしゃご 「あれれ?あなた・・大将が簡単に負けちゃいましたね?」

夫 「バカな・・ワシに99連勝した大将が、五助なんかに簡単に投げ飛ばされたぜよ・・」


   村中の女達も・・


村の子供達(男女) 「大将って弱~い! 弱い大人って大きら~い!」


村娘 「な~んだ・・大将ってツマラナイ男だったのね・・五助なんかに負けるなんて格好悪いよ!あんた!(怒)」


おなす 「なんだ?大将の筋肉隆々の体は見せかけかよ・・単なる「ウドの大木」だったのかい・・がっかり興ざめじゃ!(怒)」


おいも 「なんだこりゃ?・・今まで騙されてたよ!コラ!大将! さっさとイカダで紀州に帰んな!(怒)」


老婆 「あぶないあぶない。 危うく・・体を委ねるところだったよ・・」


    観客中から落胆の声が・・

    敗れた大将の元へ「漁師A」と「紀州からの漁師達3名」が・・

漁師A 「大将!大丈夫ですかい?」

大将 「お前達・・すまない・・負けてしまって・・」


漁師A 「いえ・・。 アイツラ(室戸中の女)・・好き勝手言いやがって!アッシが・・大将の膝が怪我していて相撲を取れる状態じゃ無かったと言います!(大声)」


大将 「言わなくていい・・」

漁師A 「大将・・なぜですかい・・?」

大将 「言い訳するくらいなら、この負けて悔しい思いを糧にするんだ・・。負ける事はツライ事だとな・・。」


漁師A 「ううっ・・大将・・(涙)」

  大将の元へ・・

  びしゃごと夫が・・


  夫は土俵上で、喜びを噛み締めている五助を指差しながら・・


夫 「大将!なんで、あんな五助ごときに負けたんですか?」

大将 「びしゃごの夫よ・・すまないな・・負けてしまって・・おぬしと次で戦いたかったが・・残念じゃ・・」

夫 「大将・・」


  その時!大将の膝の怪我に びしゃごが気付きました

びしゃご 「大将!その足で!相撲を取っていたんですか!?(大声)」


大将 「びしゃごさん・・怪我は関係無い・・お前達(紀州漁師)・・行くぞ・・」


紀州漁師達 「へい!カシラ! 足が大変でしょう?肩をお貸しします!(大声)」


大将 「いや、いい・・」


  大将は膝が悪い素振りを見せること無く歩き・・

  大将と紀州からの漁師達は何処へ・・


  大将と漁師Aと夫とびしゃごの・・

  会話を一部始終、盗み聞きしていた

  室戸中の女は・・


室戸中の女 「ざわざわ・・」


  そして・・


村の子供達 「ふ~ん♪やっぱりね♪」


村娘 「大将様・・あなた様は・・お体もお顔も素晴らしいけど・・あなた様のお心は・・それ以上であります・・ワタクシたちはどこまでもお供致します・・(涙)」


おなす 「正直・・あなた様(大将)と五助じゃ・・月とスッポン・・器が違います・・。 ワタシは最初から怪我でもしてるんじゃないかと思っておりました・・(涙)」


おいも 「なんと男らしいお方・・。 ますます惚れもうしました・・。 大将・・あなた様にならば・・ワタクシの身も心も委ねまする・・(涙)」


老婆 「大将が負けたんじゃ・・つまらない・・アタシャもう帰るよ・・・」


   大半の女は帰路へ・・


五助 「そんな馬鹿な!」 


 また次回。

この物語はほとんどフィクションです

2009年11月30日(月)

びしゃご 67話  室戸荘

24番札所住職 「なんと!六助のヨメは棄権したのか?」

24番札所の小坊主 「はい。」

24番札所住職 「理由は分からんが・・それは困った・・家老様・・次の二回戦「おいも」の対戦相手がいなくなりました・・どうしましょう?」

家老 「・・・。 (六助のヨメか・・。 六助の首を折る・・あの凄まじい張り手・・土佐藩の武将として・・欲しい・・)」

24番札所 「家老様?」

家老 「あ? ああ・・全ての一回戦が終ったら・・ここに見物に来ておる、室戸の村人から集えばよい・・六助のヨメが辞退した今・・だれか参加希望者も出るだろう・・」

   そして・・

   次の対戦は「大将」vs「五助」


   大将の登場に!

   室戸中の女が黄色い声援を!

村の子供達(男女) 「おにいちゃん!がんばってー!」

村娘達 「大将ー!」

おなす 「きゃー!抱いてー!抱きしめてー!」

おいも 「勝ってー!婚儀してー!」

老婆 「アタシがもう少し若けりゃね~♪」

  まさに大声援!

漁師A 「さすがは大将・・すごい人気ですな~♪」

大将 「ああ・・ありがたいことだ・・。ううっ!」

  大将の膝に激痛が・・!

漁師A 「大将・・足・・本当に大丈夫なんですか・・?」

大将 「ああ・・応援してくれるみんなのためにも・・お前達、仲間(紀州からの漁師達)のためにも・・弱音は言ってられない・・」

漁師A 「大将・・・」

  一方・・

  大将の対戦相手「五助」が登場!

  五助の応援は・・


五助の父 「五助!がんばれよ!」

五助の母 「怪我しないようにね!」

   両親の二人だけ・・


五助 「別にいいぜよ・・。 今は「おとう」と「おかあ」の二人だけで・・。大将に勝てば・・村中の女子がワシのコトに惚れ・・そして、村の男達もワシのコトを尊敬するじゃろう・・。」


  その時!

びしゃご 「五助さん!がんばってください!」

  びしゃごの声が・・


  五助に力を・・

五助 「びしゃご!? びしゃごに応援されて・・負けてたまるもんか!」


   そして!

   試合開始!


高僧(行司) 「時間です!」


   大将と五助は塩をまき、

   腰を落しました


大将 「・・・。 (くっ・・膝が・・)」

五助 「・・・。 (ワシは・・・この試合で大将に勝ち・・。村人中から一目おかれる存在になり・・そして・・びしゃごに求婚を申し入れる! 前から思っておったが・・あの男(夫)では・・びしゃごは勿体無い!」


高僧(行司) 「はっけよい!」

  そして、両者の手はつきました!


  また次回。

この物語はほとんどフィクションです

2009年11月23日(月)

びしゃご 66話  室戸荘


    六助のヨメと六助は・・腰を落とし・・見合いました!


威嚇する六助のヨメ 「グルルゥゥゥ・・!」

六助 「ごく・・」

  そして!両者の手は地面につきました!


高僧 「のこった!」

  その直後! 六助のヨメの張り手が!!

六助のヨメ 「ふん!!!」


  六助の顔を襲いました!


  すると! 


  六助の首は180度回転!

室戸の村人達 「!!!」

家老・住職 「!!!」


夫 「六助!」

びしゃご 「六助さん!」


 そして!六助のヨメは六助の回しを取り!


六助のヨメ 「どっせい!!」

  六助を観客席に投げ飛ばしました!

高僧 「勝負あり! 早く!六助の手当てをせい! 手遅れになるぞ!」


  投げ飛ばされた・・六助の元へ!

  びしゃごと夫が!


びしゃご 「六助さん!」

夫 「六助!大丈夫か!?」


   傷だらけの倒れた六助は・・


六助 「あううう・・・今回の相撲大会の・・ヨメの暴走と悪行は・・ワシのせいや・・ワシの力で・・アイツを・・なんとか止めたかったが・・ワシは・・亭主として・・失格やった・・がは!」


びしゃご 「六助さん・・(涙)」

夫 「六助・・(涙)」

   その時・・

   六助のヨメが・・六助の元へ現れ・・

   六助の首を、くるっと元に戻し・・


   六助をお姫様だっこしました・・

六助のヨメ 「あんた・・すまない・・やり過ぎた・・」

六助 「いや、いい・・こうなることも覚悟していた・・」


  六助のヨメは・・  大粒の涙を流しながら・・


六助のヨメ 「ワタシ・・あんたを傷つけて・・分かったよ!(泣)」


六助 「・・・」


六助のヨメ 「米一俵なんかより・・ワタシにとって・・あんたが・・一番の宝物だって・・ことが・・(涙)」


六助 「ヨメよ・・分かってくれたか・・(涙)」

六助のヨメ 「暴力は・・悲しみしか生まない・・ワタシは・・相撲大会を・・降りるよ・・米は惜しいけど・・」


六助 「ワシの様なダメな男でも・・最期くらいは・・夫らしい事ができたの・・」

  六助のヨメは・・六助をお姫様だっこして何処へ・・


  
  びしゃごと夫は・・去り行く・・

  六助のヨメの背中を見つめながら・・


びしゃご 「あなた・・あれが本当の夫婦愛ですね・・(涙)」


夫 「ああ・・  (なんか良く分からんが・・あの化けもん(六助のヨメ)が辞退してくれて良かったぜよ♪」


  また次回。

この物語はほとんどフィクションです

2009年11月09日(月)

びしゃご 65話  室戸荘

   行司(高僧)に呼ばれた六助のヨメと六助は・・


六助のヨメ 「あんた!試合だよ!さっさとしな!(怒)」

六助 「・・・。」


六助のヨメ 「どうしたんだい?元気が無いね?」

六助 「ヨメよ・・ワシ・・本気でお前と相撲していいか?」


六助のヨメ 「なに・・?」


  六助のヨメの顔が・・

  鬼の形相に・・


六助のヨメ 「ああん? ワタシと本気で勝負?あんた・・死にたいのかい?」


六助 「ワシは・・子供の頃は・・びしゃごの夫や・・五助たちを従えていた・・ガキ大将やった・・しかし・・今じゃ・・お前にビビッてばかりや・・」


六助のヨメ 「・・・。」


六助 「ワシは亭主関白でいたんや・・ワシが・・お前を仕切る!」


六助のヨメ 「分かったよ・・本気で勝負・・やってやるよ!(怒)」

六助 「オレが家の大黒柱という事を・・分からしちゃる・・」


  二人のやりとり(揉め事)を・・遠くで見ていた びしゃごと夫は・・

夫 「なんや?あの夫婦なんか揉めとるようじゃの~?」

びしゃご 「あなた・・見てください!六助さんの顔が・・今までの弱気な顔から・・勇ましい男の顔に!」

夫 「本当や・・こりゃ・・もしかしたらもしかするかもの~♪ ココで・・あの化けもん(六助のヨメ)が負けてくれれば♪」

   そして・・

   六助のヨメと六助は土俵の上に!


   特別席では・・


家老 「住職、この取り組みの見所は? あの熊の様な男は何者じゃ?」

24番札所住職 「あの者は六助のヨメです。 4年前・・現役の闘犬横綱が六助のヨメを一目見て・・尻尾を巻いて逃げ出したそうです・・」

家老 「闘犬横綱が!?」

   試合開始!


高僧(行司) 「塩をまけい!」


六助のヨメ 「グルルル・・・」

六助 「絶対・・負けん!」

   
  六助のヨメと六助は塩をまきました。


高僧 「時間です! 両者見合って・・はっけよい! 」

  また次回。

この物語はほとんどフィクションです

2009年10月26日(月)

びしゃご 64話  室戸荘


  ・・・相撲大会出場者控え室・・・

夫 「びしゃご!おまんも出るのか!?」

びしゃご 「はい♪急に出たくなりました♪」


注:小判一枚に目がくらみ


夫 「ワシの一回戦の相手がびしゃごか? 楽勝やの~♪」

びしゃご 「日ごろの、あなたへのウップンを晴らします・・」


  近くでは、びしゃごと夫の話しを盗み聞きする五助の姿が・・


五助 「びしゃごも出るなら・・ワシも負けれられん! 一回戦の相手・・大将を投げ飛ばして・・村一番の人気者になっちゃる・・」


  その頃・・大将の控え室では・・


漁師A 「大将・・・足の調子が?(汗)」

大将 「ああ・・びしゃごの夫との・・相撲の稽古中に・・ヒザの靭帯を断裂したようだ・・」

漁師A 「棄権しましょう?かなり悪そうです・・」

大将 「大丈夫じゃ・・心配するな。」


   そして・・相撲大会は始まりました!

  最初の取り組みは「おなすvsおいも」です。

 土俵の回りには室戸中の村人達(室戸の全村人100名前後)が集まってました!


室戸の村人達 「おいもー!おなすー!がんばれー!」

家老 「うむ・・ところで住職・・この取り組みの見所は?」

24番札所の住職 「そうですな~・・おなすの家は元(室戸の地名)の農家でナスは耕しています。おいもの家は吉良川(室戸の地名)の農家でイモを掘っています。」

家老 「・・・」

おいも 「おなす!負けないわよ!」

おなす 「おいも!負けないわよ!」


高僧(行司) 「時間です!両者見合って・・・はっけよい・・」

おいも 「ごく・・」

おなす 「ごく・・」


   そして、両者の手が土俵につきました!


高僧 「のこった!!」

   おなすの激しい張り手がおいもの顔を襲いました!

張り手をする、おなす 「おりゃ!おりゃ!」

張り手を喰らう、おいも 「痛い!痛い!」


   張り手を喰らい・・おいもは泣き出しました・・


おいも 「痛いよ~~(涙)」

おなす 「あっ?・・ごめん・・おいも・・すこし・・強く叩きすぎたかも・・」


高僧 「・・・・。 (フ・・あまいの~・・)」

おいも 「スキあり!」


おなす 「へ?」


  その一瞬!おいもは!おなすを投げ飛ばしました!

高僧 「勝負あり!勝者! 吉良川村のおいも!」

室戸の村人達 「わー!わー!」

負けた、おなす 「おいも!ずるーい!(怒)」

勝った、おいも 「おなす・・勝負の世界にずるいも汚いもないのよ・・騙される方が悪いのよ・・」

高僧 「・・・。 (そのとおりじゃ・・)」

   おなすとおいもの取り組みを見ていた六助のヨメと六助は・・

六助のヨメ 「なるほど・・ワタシの次の相手は・・おいもかい?(ニヤ)」

六助 「「おいも」はなかなか・・頭が切れるおなごのようだぞ・・油断できんぞ・・」


  六助のヨメは 焼きたて熱々の「焼き芋」を一気にかじりつき!


六助のヨメ 「アンタは・・心配しないでいいよ!おいもを喰ってやるよ・・」

   土俵の上では・・

   高僧が・・


高僧 「次の取り組み! 室戸岬の六助と、そのヨメ!出番じゃ!」 


また次回。

この物語はほとんどフィクションです
  

2009年10月19日(月)

びしゃご 63話   室戸荘


   大将が土佐藩家老に相撲大会出場の意思を示したことで・・

   相撲大会出場者達は・・・反応!


  ・・・相撲大会出場者達の控え室・・・

六助 「おい!やっぱり大将は相撲大会に出るらしいぜよ!」

六助のヨメ 「フフ・・あの行司(高僧)を買収しておいて良かったよ・・想定の範囲内だよ・・」

六助 「・・・。」


おいも 「おなす!大将がやっぱり出るんだって!」

おなす 「やったー!うふふ・・あの分厚い・・大将様の胸板に触れられるなんて・・・最高♪」

おいも 「ああ・・愛しの大将様・・。 ワタシ・・・どさくさにまぎれて・・・触っちゃおうかな♪」

おなす 「ちょっと!おいも!どこを触るのよ!?」


五助 「おい!大将が出場するみたいぜよ!」

夫 「ホンマか!?」

五助 「弱ったの~・・・。ワシは六助のヨメにも勝てる気がせんのに・・、ましてや大将になんて・・・無理や・・」

夫 「五助・・勝負はやってみんと分からんぜよ♪」

五助 「よし!そうやな!がんばるぜよ!」


  夫は・・近くで座っている、

  行司を務める高僧の方を見てアイコンタクトを・・

夫 「・・・。 (坊主♪しっかり頼むぜよ♪)」

高僧 「・・・。 (うむ、南無阿弥陀仏・・)」

   その頃・・相撲大会の見物席には家臣Aの姿が・・

   家老は見物客に大声で・・


家臣A 「室戸の民よ!現在・・相撲大会の出場者は7名じゃ!・・勝ちあがり戦をするには・・もう一人!必要じゃ!誰か我こそは相撲自慢という者はおらんのか!?」


 家臣Aの言葉をニヤニヤしながら、びしゃごと漁師Aが聞いていました


漁師A 「ははは(笑) 我らが大将が出るんだぞ♪だれも怖がって出場せんわい♪」

びしゃご 「そうですよね♪ワタシも夫の応援で出場どころじゃありません♪」

  その直後!

家臣A 「そうか・・お前達・・米一俵では不服なのか!・・いいだろう・・コレを見ろ!」


  家臣Aは小判を一枚フトコロから取り出し!高々と上げました!

びしゃご 「!!!」

漁師A 「!!!」

室戸の村人達 「!!!」

家臣A 「この小判は家老様からの、優勝した者への祝儀じゃ!米一俵と小判一枚!おぬしらは・・・欲しくないか・・・?(ニヤ)」

   室戸の村人達は・・ざわつきだしました・・

室戸の村人達 「ざわざわ・・」

漁師A 「くう~~~ 金で釣る気か~~~・・・さすがは土佐藩の武士・・。びしゃご・・金に釣られたらダメだぞ・・。怪我するかもしれんからな・・」

びしゃご 「・・・。」


家臣A 「では・・出場したい者がいれば・・奥の本堂にくるがよい・・」

   ・・奥の本堂・・

家老 「ちょんと言ったか?」

家臣A 「はい。小判で、村人はだいぶ反応してました・・」

家老 「そうか・・だれか来れば良いが・・」


  その時・・  その場に・・


??? 「ワタシ・・・出場しようと思います・・」

家老 「ほう・・・おぬしが出るか?これは・・おもしろくなりそうじゃ・・」

??? 「夫だけでは不安ですので・・」

家老 「これでキマリじゃな・・組み合わせをこうじゃ・・」

  
  ★室戸相撲大会組み合わせ表★

  『一回戦』

おなすvsおいも

六助vs六助のヨメ

びしゃごvs夫

大将vs五助

  『準決勝』

おなす・おいもの勝者 vs 六助・六助のヨメの勝者

びしゃご・夫の勝者 vs 大将・五助の勝者   また次回。


この物語はほとんどフィクションです

2009年10月05日(月)

びしゃご 62  室戸荘

 
  そして・・相撲大会当日に・・

  
  ・・24番札所最御崎寺(大会場)・・


  本堂の中には・・家老と家臣ABが・・

家老 「まだか?」

家臣A 「はい・・まだ・・。」

家臣B 「おそいですな~」

  その時!

住職 「お待たせしました・・これが組み合わせ表です・・。」

  住職は相撲大会の組み合わせ表を家老に渡しました・・

家老 「なんだ・・全部で6名だと?こんなに少ないのか?」

住職 「はい・・米一俵という優勝賞品は破格とは思いますが・・何故か・・少ないんです・・」


  注:六助のヨメが村人達を脅したため。


家老 「勝ちあがり戦(トーナメント戦)だろう?・・最低、あと二人は欲しいな・・。」

住職 「おっしゃる通りです・・。」

家臣A 「相撲大会の参加者は・・ 「びしゃごの夫」に「六助のヨメ」「五助」「六助」「おいも」に「おなす」か・・。」

家臣B 「ははは(笑) あのぐ~たらの「びしゃごの夫」が出るのか!?笑える!(笑)」


家老 「よし!おぬし達二人(家臣AB)が出ろ!これで8人じゃ!」」

家臣AB 「ええ!?」

家老 「いや・・だめだな~・・。侍が出ると・・村人が遠慮して真剣勝負では無くなるか・・」

家臣AB 「ほ・・。(安堵)」

 
   その時!


大将 「家老様・・ワシを出させてください・・。」


  大将が現れました!

家老 「なぜココに?」

大将 「相撲大会で優勝し、米一俵を手に入れるために・・。」


家老 「二日前に忠告したはずだが・・。おぬしら鯨漁の者達は相撲大会に出るなと・・。米は十分、土佐藩から贈呈したはずじゃ・・。」

大将 「あの米は・・まだ手をつけていません・・。お返しいたします・・。」

家臣AB 「なに!我ら土佐藩の好意を・・受取れないと申すか!(怒)」

家老 「おぬしら(家臣AB)は黙っておれ・・。」

家臣AB 「・・・。」

家老 「なぜ受け取らぬ・・。ほかの鯨漁の者達は納得しておるのか?」

大将 「はい。下の者も承知してくれました・・。 支援は必要最低限な道具だけで十分です。 我々はココで鯨漁をずっと続けていこうと決めておるが故に過剰な特別扱いはいりませね・・。我々も室戸の村人と同じ扱いで結構。 我々の食料は・・我々が鯨漁で稼ぎ手に入れます・・。」

家老 「あい分かった・・。 これから・・我が土佐藩はおぬしらには必要最低限の支援しかせぬ・・。 おぬしの取り組みを楽しみにしておるぞ・・。」

大将 「は! 土佐藩、そして家老様のご好意は心からありがたく思っております・・。 では・・失礼いたします・・。相撲大会に出る用意しなければならないので・・。」


  大将は何処へ・・

家臣B 「まったく!脱藩漁師のクセに格好つけおって!(怒)」

家臣A 「我々の支援は一切いらないだと・・。そのうち家老様に泣きついて来るだろう・・」

家老 「・・・。」  また次回。


この物語はほとんどフィクションです

2009年09月28日(月)

びしゃご 61  室戸荘

 高僧は凄い勢いで猪鍋を食べていました・・。

肉をガツガツ食べる高僧 「うまいうまい!パクパク!」

  びしゃごと夫はそれをじ~と見つめていました。


夫 「くっ!坊主のクセに!あんなに肉を・・(ヨダレ)」

びしゃご 「あなた・・このままでは汁の一滴も残りそうも無いです・・(涙)」


  そして・・

ツマヨウジを刺す高僧 「ごちそうさん・・あんまり旨いものだから全部食べてしもうた・・し~し~(ヨウジの音)」

夫 「くっ、ワシとびしゃごの分も喰うなんて!おまんには仏心は無いのか!?(怒)」

高僧 「まあ~まあ~そう言うな・・約束は守る・・。では失礼する・・。」


  高僧は何処へ・・


びしゃご 「あなた・・なぜ・・お坊さんに大事な食料を・・?」

夫 「明後日の相撲大会に勝つためぜよ・・。アイツは相撲大会の行司ぜよ・・。」

びしゃご 「まさか・・あなた!?」

夫 「し!声がでかい・・。そうじゃ・・八百長じゃ・・(ニヤ)」

びしゃご 「・・・。」

夫 「どうした?うかない顔して?」

びしゃご 「ズルして勝つなんて・・男らしく無いです!(怒)」

夫 「びしゃご・・ワシがどうやって「大将」に勝てるんじゃ・・。今日の昼のワシと大将の相撲練習を見たやろ?99戦99敗ぜよ・・。八百長は仕方無いんじゃ・・。」

びしゃご 「・・・。」


  その頃・・

  六助の家の入り口では・・

六助 「アンタか・・ヨメが待ってるよ・・。」

高僧 「フフ・・さようか・・。」

  六助は高僧を家の中に入れ・・六助のヨメの前に案内しました・・

六助のヨメ 「待っていたよ・・遅かったじゃないか?」

高僧 「ワシも忙しくてな・・。で?条件は?」

六助のヨメ 「一試合で十分だ・・。」

高僧 「なるほど・・大将との試合だけでいいんじゃな?」

六助のヨメ 「ああ・・他の男共はワタシの相手にならないからね・・(ニヤ) あんまり八百長しすぎるとバレかねないしね・・。」

高僧 「分かった・・では、もう失礼するぞ・・。誰かに見られたら大変だからな・・。六助のヨメよ・・約束は守るのじゃぞ・・。」

六助のヨメ 「米の5分の1かい? ガメツイ坊主だ・・。そっちこそしっかりやるんだよ・・バレないようにね・・(ニヤ)」

高僧 「あたりまえの事をするだけじゃ・・」 


  そして・・相撲大会当日に・・   また次回。

この物語はほとんどフィクションです

2009年09月22日(火)

びしゃご 60   室戸荘

 そして。日が暮れ・・夜に・・。(室戸相撲大会は明後日の昼)

  
   ・・・びしゃごの家・・・

夫 「びしゃご♪帰ったぞ♪」

  夫が帰ると・・そこにはお腹が空いてフラフラのびしゃごの姿が・・

びしゃご 「あ・・な・・た・・お・・か・・え・・り・・な・・さ・・い・・」

夫 「びしゃご!大丈夫か!?」

  びしゃごは夫の持っているフロシキに気付きました。

びしゃご 「あなた!そのフロシキは!? もしかして!」

夫 「そうじゃ・・食料じゃ・・。ワシが命賭けで凶暴な熊の巣から・・・・」


  びしゃごは夫を無視して、フロシキを物色。


びしゃご 「すごい!キノコに!お芋に!木の実に!・・肉まで!(興奮)」

夫 「びしゃご!人の話を聞かんかい!(怒)」

びしゃご 「はいはい♪後で聞きますよ♪この肉はイノシシですね♪猪鍋にしましょう♪」

夫 「おお♪猪鍋か?うまそうやの~♪大根もあるぞ♪」

  
  そして、びしゃごは大根トントン、お肉をチョンチョン、お味噌グツグツ、で

  「猪鍋」を作りました。


びしゃご 「おいしそう~(ヨダレ)」

夫 「ほんまにうまそうやの~!ヨダレが飛び出そうぜよ!」


  その時!


高僧 「失礼する・・。」

びしゃご 「お坊さん!」

夫 「なんじゃ!お前は!」


高僧 「いや・・偶然・・びしゃごの家の前を通りがかったら・・うまそうな「匂い」と「音」がしてな・・。」

夫 「何が言いたいぜよ!?早う!家(洞窟)に帰れ!これはワシとびしゃごの食い物じゃ!」


高僧 「肉か~~~?久しぶりじゃ~~~」

びしゃご 「え?でも・・お坊さんって肉を食べたらいけないんじゃ?」

高僧 「それは・・未熟な僧の話じゃ・・。ワシのような・・高僧になれば、話は別じゃ・・。」

びしゃご 「はあ~?」

高僧 「うまそうな・・鍋じゃの~・・・」


夫 「なんぼ、粘っても・・分けんぜよ・・・。」

高僧 「びしゃごの亭主よ・・。どうだ・・取引しないか?」

夫 「キノコとか?お断りぜよ。」


  高僧は人差し指を・・


高僧 「コレでどうじゃ?」

夫 「コレってなんぜよ??」

高僧 「ごっほん・・。ワシは二日後の相撲大会の行司(審判)を任されておる・・。確か優勝賞品は・・米一俵じゃったな?」

夫 「おっ、おまん・・ひょっとして!?」

高僧 「し! 声が大きい・・。」


  高僧と夫は小声で話し始めました・・


夫 「相撲で八百長(誤審)を・・。」

高僧 「そういうことが起こるかもかもしれんの~・・。」

夫 「おまんも悪よの~♪」

高僧 「あたりまえのことをするだけじゃ・・」


  高僧は箸を取り・・鍋を突っつき始めました・・。


高僧 「では・・当然ワシから・・頂くぞ・・」

  高僧は猪鍋を食べ始めました・・


びしゃご 「あなた・・ワタシ達の・・猪鍋が・・(涙)」

夫 「びしゃご・・我慢じゃ。まさか全部は食べれんやろ。米のためじゃ・・」

 また次回。


この物語はほとんどフィクションです

2009年08月31日(月)

びしゃご 59話    室戸荘

  そして・・夫と熊は仲良しになりました。

熊 「ガウ! (あなた!これも差し上げます♪)」

夫 「これは!?」

  熊は自分の巣から食料を持って来ました。

夫 「たくさんの栗にキノコに木の実に・・なんか分からん肉もあるぞ♪・・いいのか?」

熊 「ガウ! (いいの・・その肉はイノシシよ♪ウフ♪亭主に怒られるかもしれないけど・・あなた(夫)のためだもの・・。)」

夫 「すまんな♪」

  夫はあらかじめ用意してたフロシキに熊からもらった食料を包みました。

夫 「じゃ♪元気でな♪」

熊 「ガウ! (あなたもお元気で・・)」

  熊に見送られながら・・夫は家に帰りました・・。その途中、六助がキノコを探してました。

夫 「おい♪六助!おまんキノコを探しゆうが~か?」

六助 「おおう!お前も来とったか!・・全然キノコがないぜよ・・。ん?おまえ・・フロシキの中に何を入れてるんや?」

夫 「ふふふ・・食料ぜよ!」

六助 「なに!・・すまんワシにそのフロシキの中に食料を少し分けてくれんか?」

夫 「はあ~?冗談じゃないぜよ!この食料はワシが命懸けで手に入れた食料ぜよ!(怒)」

六助 「お前のためじゃ・・早く少しだけでいいから分けるんじゃ・・。」

夫 「死んでもイヤぜよ!(怒)」

  その時!草陰から・・誰かが!

??? 「ふふふ・・荷物をよこしな!ココで本当に死ぬかもしれないよ!(笑)」

夫 「おまんは!?」

  ???の正体は「六助のヨメ」でした!

六助のヨメ 「あんた!(六助) そのフロシキを取りな・・。」

六助 「へい!」

夫 「くそ~・・。」

  夫は食料を六助に渡しました・・。

フロシキをあさる六助のヨメ 「ふ~ん・・栗にキノコに木の実に・・なんだい!肉もあるじゃないかい!(喜び)」

夫 「・・頼む!半分・・いや3分の1でいいから・・ワシら夫婦の分も残してくれ・・。」

六助 「分けてやれ・・。」

キノコをかじる六助のヨメ 「あ~ん・・イヤだね!さっさと家に帰りな!」

夫 「そっ、そんな・・。」

  その時!そこに熊が現れました!そして六助のヨメに対して吠えました!

熊 「ガウ! (食料をその人に返しなさい!(怒))」

夫 「熊!」

六助のヨメ 「おもしろい・・。」

  そして!六助のヨメと熊はお互い威嚇を始めました!


熊に威嚇する六助のヨメ 「ぐるるる・・!!」

六助のヨメを威嚇する熊 「ガオー!!」


熊を応援する夫 「熊がんばれー!」

ヨメを応援する六助 「がんばれー!」


  しばらくして・・熊は巣へ・・。六助のヨメは家に帰りました。

(注)野生の世界では・・お互いの力が均等とみたら・・戦いはせず・・お互いにその場をさるそうです。(自然界で深手を負うことは死を意味するため)

六助 「ありゃりゃ・・アイツ(ヨメ)・・食料も持って行かずに帰りおった・・。」

夫 「六助!食料は返してもらうぞ!(怒)」

六助 「モチロンじゃ・・。すまん・・今回の食料の件は許してくれ!」

  六助は食料の入ったフロシキを夫に渡しました。

夫 「・・・六助!食料を半分持って行け。」

六助 「へ?」

夫 「ワシとお前は子供の頃からの友達やろう♪困った時はお互い様ぜよ♪」

六助 「・・・。」

  六助は黙ってフロシキの中の食料を半分もらいました。

食料を持った六助 「・・ホンマにいいのか?」

夫 「ワシの気が変わる前に早く家に帰るぜよ♪」

六助 「・・・ありがとう。」   また次回。

この物語はほとんどフィクションです

2009年08月29日(土)

びしゃご 58話

 夫の少し離れたところで六助のヨメらしい後ろ姿が見えました。

夫 「なんじゃ?六助のヨメもキノコを探しに山に来ておったか・・。そうじゃ♪六助のヨメにキノコを分けてもらおうかの~♪」

  夫は六助のヨメと思われる後ろ姿の人影に近づき・・話かけました。

夫 「すまんがおまん(六助のヨメ)のキノコをワシに分けてくれんかの~♪困った時はお互い様やろ♪」

後ろ姿の??? 「・・・。」

夫 「無視するんじゃないぜよ!(怒)」

  夫が大声をたてると・・六助のヨメと思われる人影が振り向きました。

  なんと!ソレは・・六助のヨメではなく、凶暴そうな大きな熊でした!

熊

夫 「ひいい~!熊じゃー!」

夫に襲い掛かる熊 「ガオーー!!」

避ける夫 「うわー!」

  熊は夫に攻撃しましたが!・・夫は何とか避けました!

熊 「ガオー!」

夫 「このままじゃ!熊に喰われるぜよ!そうじゃ!木に登ればきっと助かる!」

  夫は一番近くの木に登りました!そして・・

木の上から吠える夫 「このバカ熊!ここまでおいで♪手のなるほうへ♪」

熊 「ガルル・・。(ニヤ)」

  なんと熊は木を登り始めました。

(注:熊は木登りが得意です。)

木登り

夫 「そんなバカな!」

熊 「ガオー!」
  
  熊は夫のすぐ下まで来ました・・。その時、夫はフトコロに入れてたムラムラダケを落としてしまいました。

夫 「しまった!ワシの今夜の楽しみが!」

  夫の落としたムラムラダケを熊が上手く手に取りました。

夫 「熊さん!ワシの今夜の楽しみを返してくれ!」

ムラムラダケを見る熊 「ガウ?・・・パク。」

  ムラムラダケは熊に食べられてしまいました・・。

夫 「そんな・・・。」

熊 「うふ~ん♪うふ~ん♪」

  熊は急に夫に求愛の泣き声とポーズをしだしました。

夫 「おまえ・・メスやったのか?」

熊 「ガウ!(はい!あなた♪)」  また次回。

この物語はほとんどフィクションです

2009年08月28日(金)

びしゃご 57話  室戸荘

 ・・・室戸岬の山中・・・

 びしゃごと夫は山で食料になるキノコを探しに来ました。

びしゃご 「どこかに美味しそうなキノコはないかしら?」

夫 「シイタケでもないかの~・・ん?美味しそうなキノコを見つけたぜよ!」

  夫はタマゴタケを見つけました!

タマゴダケ(食用)
(↑タマゴダケです。フランス料理にも使われる「皇帝キノコ」非常に美味である。)

タマゴダケを見つめる夫 「うまそうなキノコやの~(ヨダレ)」 

びしゃご 「家で焼いて食べましょう♪」

   その時!何処からか高僧が現れました!

高僧 「びしゃごの亭主よ!それは猛毒のキノコじゃ・・。」

夫 「なに!このキノコは猛毒なんか~・・。」

びしゃご 「そんな・・。」

高僧 「ソレ(タマゴダケ)はワシが預かって処分しよう・・。誰かが食べてしまっては大変じゃ・・・。」

夫 「坊さん助かったぜよ!礼を言うわ♪」

高僧 「あたりまえのことをしただけじゃ・・。」

  その時!びしゃごが何かを見つけました!

びしゃご 「ココに違うキノコが二つもありました♪」

クリタケ(食用)
(↑クリタケです。非常に美味)

キヌガサタケ(食用)
(↑キヌガサタケ。食べれます。)

  びしゃごはクリタケとキヌガサタケを手に取りました。

キノコを見つめるびしゃご 「おいしそう~(ヨダレ)」

高僧 「びしゃご!早まるな・・!それも猛毒のキノコじゃ・・。」

びしゃご 「そっ、そんな・・。」

  高僧はびしゃごからクリタケとキヌガサタケを奪い取りました。

高僧 「コレも危険なキノコじゃ・・ワシが預かろう・・。」

びしゃご 「はい・・(涙)」

夫 「室戸の山にこんなにたくさん毒キノコがあったなんて!・・ん?」

  夫は新たなキノコを見つけて高僧に見せました。

夫 「コレは喰えるのか?」

高僧 「むうう・・!」

ドクツルタケ(猛毒)
(↑ドクツルタケ。猛毒。)

高僧 「コレは本物の毒キノコじゃ!その辺にでも捨てておけ!」

夫 「そうか残念ぜよ・・。(ポイ)」

びしゃご 「海も山も食べれるものがない・・。(涙)」

高僧 「そろそろ日が暮れる・・。ワシは帰るがおぬしらも日が暮れる前に帰ったほうが良いぞ・・。なんでも最近は熊が出るらしいからの~・・。」

びしゃご 「はい・・。」

  高僧は帰りました。そして・・。

びしゃご 「あなた・・やっぱりここの辺には毒キノコしかないみたいです・・。」

夫 「・・びしゃごは先に家に帰っておれ。」

びしゃご 「あなたは?」

夫 「家に帰っても食う物は全くないやろ・・。ワシはびしゃごに食わすキノコを探してから帰るぜよ♪」

びしゃご 「あなた・・。」

夫 「びしゃご・・。」

  二人は見つめ合いました・・。

びしゃご 「では、美味しいキノコを家で待ってます♪」

夫 「まかさんかい♪」

  びしゃごは家に帰りました。そして・・山中には夫一人に・・

夫 「しょうがないんで・・コレ(高知で料理屋の主人に貰ったムラムラダケ)をびしゃごに食わそうかの~♪(ニヤ)」

  夫はフトコロから「ムラムラダケ」を出してニヤニヤしていました・・

  その時!  また次回。

この物語はほとんどフィクションです

2009年07月24日(金)

びしゃご 56   室戸荘

  ・・・鯨漁の漁場・・・

鯨漁の漁場には家老と家臣たち(家臣ABと他の家臣達)が大将を待ってました。

家臣A 「まったく・・家老様を待たせるとは・・。」

紀州からの漁師達 「すいません・・。」

家臣B 「まことじゃ!あの男(大将)・・何様じゃ!」

家老 「おぬしら少し静かにせんか・・。」

家臣AB 「・・・。」

  その時、大将が現れました。

大将 「申し訳ありません・・。」

家老 「よい、気にするな。」

家臣AB 「・・・。」

家老 「では・・おぬしらが鯨漁をするのに必要な物を申すがよい。」

大将 「まずは幾つかの「舟」。それから・・「人員」と「モリ」「網」「縄」。」

家老 「あい分かった!それらのモノはわが藩が用意いたそう。」

大将 「ありがとうございます。」

家老 「・・他に必要な物があるだろう?」

大将 「・・・いえ。」

家老 「ははは(笑)強がりを言うでない・・。おぬしらに今一番必要な物を持って来てやったぞ・・アレを持って来い!」

  家老の号令で家臣達が米俵を八俵持ってきました!

漁師A 「米じゃ!(興奮)」

紀州からの漁師達 「こんなにたくさん!(喜)」

大将 「・・・。」


家老 「室戸が食糧難と聞いておった。これでしばらくの間は喰うには困らんだろう。」

漁師A 「ワシは土佐藩に忠誠を尽くしまする!」

家老 「ははは(笑) 期待しておるぞ。」

紀州からの漁師達 「ワシらも土佐藩のために鯨漁を精一杯やらせてもらいます♪」

家老 「うむ・・焼尽(しょうじん)せい!(笑)」


大将 「・・・。」

家老 「おぬし(大将)どうした?・・米が要らぬのか?」

漁師A 「大将!どうしたんですかい?・・大将はワシら下のモンにメシを食わせて大将はココ数日ほとんど何も食べて無かったじゃないですかい!コレでワシらも大将も助かりますわい!」

紀州からの漁師達 「大将!」

大将 「・・・。」

  大将は家老に頭を深く下げました。

家老 「・・・。」

大将 「ワシらは明日食うモノにも困っておりました・・。何から何まで感謝いたします・・。」

家老 「なによりじゃ。」

家臣A 「家老様・・そろそろ泊まりの24番札所へ参りましょう・・。」

家老 「うむ。おぬしら(大将たち)・・ワシたちは明後日の相撲大会を見て高知へ帰るが、おぬしたちは相撲大会に出るつもりか?」

大将 「米を目当てで出るつもりでしたが・・」

家老 「忠告じゃ・・辞めておけ。おぬしらにはもう十分の米がある。」

大将 「分かりました・・。」

家臣A 「家老様・・24番札所の住職様が首を長くしてお待ちでしょう。そろそろ・・。」

家老 「では、参るか。」

  家老と家臣たちは24番札所へ・・。

漁師A 「大将!良かったですな~♪」

大将 「コレでしばらくは喰うには困らんな・・。」

漁師A 「おめえら(紀州からの漁師達)早速メシの仕度するぞ!」

紀州からの漁師達 「あいよ!」

 
  その頃・・びしゃごと夫は室戸岬の海岸で食べれる貝を探してました。

びしゃご 「全然、何処にも食べれる貝が無い・・。あるのは食べれない貝ばかり・・。」

夫 「おそらく村のみんなが食える貝を全部獲ってしもうたのかもしれんぜよ・・。」

びしゃご 「そんな・・。」

夫 「びしゃご・・日が暮れる前に山でキノコでも探すか・・?」

びしゃご 「はい・・。」 

びしゃごと夫は山へキノコ探しへ・・。 また次回。

この物語はほとんどフィクションです

2009年07月23日(木)

びしゃご 55  室戸荘

  ・・室戸岬の海岸・・

  相撲の特訓をするため・・大将は夫を連れ海岸へ・・。それにびしゃごも着いてきました。

大将 「じゃあ、始めるか・・。」

  大将は着物を脱ぎ始めました。

夫 「大将!何を始めるんですか?」

大将 「何って?本番稽古しかないだろう?」

おどろく夫 「たっ、大将と相撲ですかい!?」

  そして・・大将はフンドシ一枚姿に・・

  その体は・・体中キズだらけ・・そして、体中に力強さがみなぎってました。

びしゃご 「す、すごい・・体中キズだらけ・・。」

夫 「すっ、すごいカラダぜよ!さすがは元「紀州一の羽刺(モリ打ち)」ぜよ・・」

大将 「じゃあ、始めよう。」

夫 「はい!」

びしゃご 「あなた!がんばってください!」

  そして・・夫も着物を脱ぎ・・大将と本番稽古が始めました!

  そして・・一刻(二時間後)・・

夫を投げる大将 「どうした!?もう終わりか!?(汗)」

投げられた夫 「まだまだぜよ・・(汗)」

びしゃご 「あなた・・。」

  そして・・100回目の本番稽古を始めようとしましたが・・

起き上がれない夫 「アレ?足が立たん・・。」

大将 「どうやら体力の限界のようだな。」

夫 「くそ~・・。一回は大将に勝ちたかったぜよ!」

  夫は悔しがりました・・

大将 「ははは(笑) しかし最初に比べたら・・強くなったな。」

夫 「大将!まだまだ・・やれるぜよ!」

  夫はなんとか起き上がりました。

大将 「よし!次が最後にするか!」

フラフラの夫 「絶対に・・最後は勝つぜよ!」

夫を応援するびしゃご 「あなた♪がんばって♪」

  そして、100回目の本番稽古を始めようとした・・その時!漁師Aが海岸に!

漁師A 「大将ー!何処で油を売ってるんですかい!?土佐藩の家老様が漁場にお越しくださってますぜ!」

大将 「ああ・・すぐ行く。悪いが大事な用があるんで稽古はココまでだ・・。すまん。」

夫 「残念だな~・・(ガク)」

  大将は着物を着て、鯨漁の漁場へ・・。

  そして海岸では夫が疲れ果ててました・・

びしゃご 「あなた♪おつかれさまです♪どうぞお水を♪」

  びしゃごは夫に水を渡しました。

夫 「すまんな~・・ゴクゴク」

びしゃご 「正直・・見直しました♪あなたにあんなに熱いトコロがあるなんて♪」

夫 「でも・・大将に一回も勝てんかった・・。」

びしゃご 「・・あなた、今からこの辺の食べれる貝を一緒に探しましょう♪美味しいナガレがあるかもしれません♪」

(注:ナガレとは室戸岬を代表する貝である!姿は鮑にそっくりですが、サイズは鮑より小さい(貝殻に幾つかの穴があるのが特徴)非常に美味である。9~3月は禁漁期間のために食べれません。)

夫 「そうやな・・相撲大会に備えて食い物を探して精をつけんとな♪」

びしゃご 「はい♪」  また次回。

この物語はほとんどフィクションです

2009年06月07日(日)

びしゃご 54  室戸荘

 そして、翌日の昼頃・・。

目覚める夫 「ふあ~(アクビ) 今日もよく寝たぜよ♪あれ?びしゃごは何処じゃ?」

  夫が目覚めた時には家の中にびしゃごの姿はありませんでした。

夫 「びしゃごは何処に行ったんじゃ?」

  夫は外に出ました・・。

木にテッポウ(ツッパリの練習)を打つびしゃご 「どすこ~い!どすこ~い!」

  なんと!びしゃごは木にテッポウ(ツッパリの練習)を・・!

夫 「びしゃご!?おまん何しゆう!?」

びしゃご 「あなた、見て分かりません?相撲の練習をしてるんです・・。(汗)」

夫 「おいおい!なんぼ練習したって・・びしゃごの細い体じゃ相撲にならんぜよ!(笑)」

びしゃご 「そ、そんな・・。でも、お米が欲しい・・。」

夫 「分かった!ワシが相撲大会に出て優勝してびしゃごに白い米を食わせてやるぜよ♪」

びしゃご 「あなた!本当ですか♪」

夫 「モチロンじゃ♪」

   その時!

??? 「フフ・・あんた達(びしゃご・夫)の痩せ細った体で本気で室戸相撲大会で優勝できると思っているのかい?(微笑)」

夫 「ダレぜよ!?」

六助のヨメ 「ワタシだよ!(笑)米はワタシがもらうよ・・(ニヤ)」

びしゃご 「六助さんの奥さん!」

夫 「・・・。(こんな熊のような化け物(六助のヨメ)と相撲したら確実に大怪我するぜよ・・)」

六助のヨメ 「今回、ワタシの出場を知った村人達は、次々と相撲大会を辞退をしてるらしいよ♪びしゃごちゃん達も怪我したくなかったら・・米は諦めな。」

夫の方を見るびしゃご 「あなた・・。」

夫 「びしゃご・・残念やが諦めよう・・。あの女には勝てん・・。」

びしゃご 「はい・・。(涙)」

六助のヨメ 「よ~し!あんた達はなかなか頭がイイね~♪」

  その時!なんと大将が!

大将 「やけに相撲大会の辞退者が多いと思ったら・・アンタ(六助のヨメ)が一枚噛んでたワケか・・。」

六助のヨメ 「大将!? フフ・・人聞きが悪いコト言うね~(笑)ワタシはただ皆に忠告して回ってるだけだよ。ワタシだって人に怪我させたくないからね。」

大将 「オレにも忠告したらどうだ?」

六助のヨメ 「・・・アンタも出るのかい?」

  大将と六助のヨメは睨み合いに・・!

大将 「鯨漁の仲間の食料が不足してるからな・・アンタ(六助のヨメ)には負けない。」

六助のヨメ 「フフ・・面白くなりそうだね・・行くよ!あんた(六助)!」

六助 「へい!」

  六助夫婦は何処へ・・

夫 「アイツ(六助)おったんか・・。」

大将 「ところで・・びしゃごさんのためにアンタ(夫)は相撲に出ないのか・・?相撲は何が起こるか分からんぞ。」

びしゃご 「あなた・・。」

夫 「紀州の海で命を助けて頂いた大将のお言葉・・分かりました!大将・・決勝で待ってます!」

びしゃご 「あなた!がんばって!(笑)」

大将 「よし!じゃあ今から浜でオレと相撲の練習するか?」

夫 「え?いいんですか?お願いします!」  また次回。

この物語はほとんどフィクションです

2009年05月31日(日)

びしゃご 53 「室戸相撲大会編」開始!  室戸荘

  
   ・・・室戸岬の海上・・・

  夫は六助と一緒に室戸岬の海上で仕事(魚釣り)をしてました。

夫 「最近・・全然やの~・・。」

六助 「ああ、ホンマや・・このひと月、全然釣れん・・。」

夫 「帰るか・・?」

六助 「うん・・。」

  夫と六助は家に帰りました・・。


  ・・・びしゃごの家・・・

夫 「びしゃご♪帰ったぞ♪」

びしゃご 「あなた・・おかえりなさい・・。」

夫 「・・びしゃご痩せたの~。」

びしゃご 「あなたも・・。」

夫 「ここ数日はワシ・・イモのツルか木の皮くらいしか食べてないからの~・・。」

びしゃご 「どうでした?もしかして今日も?」

夫 「モチロン!坊主(釣果ゼロ)ぜよ!」

  その時!びしゃごが貧血で倒れました!

夫 「びしゃご!大丈夫か!?」

痩せ衰えたびしゃご 「はっ、はい・・なにせこの何日・・何も食べて無かったもので・・。」

夫 「ちょっと、待っとけ!近所のモンに食い物を分けてもろうて来るぜよ!」


  夫は隣りの六助の家の前へ・・。夫が家の戸を開けようとすると中から声が聞こえました!

六助のヨメ 「この能無し!役立たずが!!(激怒)」

六助 「そっ、そんな事言われても・・相手は自然じゃ!・・な?仕方無いやろ~?」

六助のヨメ 「ああん!(怒)ワタシに口ごたえする気かい・・?いい度胸してるね~。ボキボキ(手を鳴らす音)」

六助 「ひいいーー!!(怯え)」

   そして・・家の中はシ~ン静まりかえりました・・・・


夫 「いかん・・とても食い物をもらえる空気じゃないぜよ・・。」

  その時、近所の五助が夫の元へ・・。

五助 「どうしたぜよ?」

夫 「おおう♪五助♪おまん家に食い物があったら分けてくれ♪」

五助 「アホー!バカ言うな!こんな不漁やにおまんに食い物を分けれるか!(怒)」

夫 「びしゃごが・・飢えて死にそうなんじゃ・・(涙)」

五助 「びしゃごが!?分かったすぐに持って行く!」

  五助は家から食料を持って、びしゃごの家へ・・。

五助 「こんなモン(蒸かし芋)しかないけど・・びしゃご!食べてくれ!」

びしゃご 「五助さん・・ありがとうございます・・助かります・・。おいしい♪」

夫 「すまんな~五助~・・。」

五助 「気にするな・・ほんまにおまん(夫)もびしゃごも痩せたの~・・」

夫・びしゃご 「はい・・(涙)」

五助 「24番札所でする「相撲大会」にダメもとで出たらどうや?」

注:24番札所とは・・!お四国88ヶ所霊場の1つで・・室戸岬の先端に位置するお寺である・・。

夫 「はあ~相撲大会~?なんか面倒くさそうぜよ・・。」

五助 「なんでも・・優勝したら「米一俵」をもらえるそうやで。」

夫 「 !!! 」

びしゃご 「 !!!」  また次回。

この物語はほとんどフィクションです

四国24番札所

24番札所です。

2009年05月24日(日)

びしゃご 52  室戸荘


将軍 「びしゃごよ!では、今からワシと布団の中で契りを交わそうぞ!(笑)」

びしゃご 「将軍様!お言葉ですが・・。」

将軍 「なんじゃ?」

びしゃご 「ワタシには亭主がいます・・。将軍様の嫁はワタシには無理です!」

将軍 「なに~!(怒)おぬし・・亭主がおるのか!?」

びしゃご 「はい。」

将軍 「うぬぬ!(怒)その亭主は何処におる!?」

侍 「殿!先ほどまで城にいたそうですが・・命の危険を感じ逃げたようです・・。」

将軍 「なんだと?鋭いヤツじゃ!江戸の町中・・いや、日本中に亭主の顔を貼るのじゃ!亭主を見つけた者には金100両の褒美を取らす!」

びしゃご 「そんな・・。」

侍 「は!」

   夫は賞金首になりました・・。

びしゃごの手を掴む将軍 「では・・びしゃごよ・・ついて参れ!」

手を引っ張られるびしゃご 「どうか勘弁してください!」

  その時!

二人の手を離させる徳川家の爺 「殿・・まだ、終ってない事がありましょう・・。」

将軍 「・・・。」

  将軍と爺は・・他に話が聞こえない場所へ・・。


徳川家の爺 「讃岐藩主の切腹を・・殿は見届けなければなりますまい。」

将軍 「爺・・あれはな~・・」

徳川家の爺 「ワタシが居なかったとはいえ・・。殿は冗談のおつもりで申した・・っと言うのですか?」

将軍 「うっ、爺よ・・あれは三藩主に本気を出させるために言ったのじゃ・・。もし、本当に讃岐藩主を殺してしまえば・・必ずワシへの求心力は無くなるぞ。」

徳川家の爺 「殿・・藩主切腹の話は江戸・四国どころか日本中に知られております。今、ココでアレは冗談だったでは済まされませんぞ・・。今後は必ず言動にお気をつけを・・。では、始めましょう・・。」

将軍 「爺・・するしか無いのか?」

徳川家の爺 「落し前がつきませぬ・・。」

  二人は戻りました。

徳川家の爺 「では・・約束通り。讃岐藩主よ・・覚悟を決められよ・・。」

讃岐藩主 「・・・。」

将軍 「・・・。」

びしゃご 「そんな・・。」

  讃岐藩主は桜の木の下(切腹場)へ連れて行かれました。

徳川家の爺 「讃岐藩主よ・・殿に最期に何か言いたい事があれば言うが良い。」

将軍 「・・・。」

刀を持つ讃岐藩主 「何もありませぬ・・。では・・」

  その時!!

さんご 「ちょっと待った!!」

将軍 「なっ、何事じゃ!?」

さんご 「藩主様は何も悪う無い!・・負けたワタシが悪いんだよ!」

びしゃご 「さんごさん・・。」

タチバナ姫 「・・・。」

  なんと!さんごは着物を脱ぎ捨て・・サラシ一枚に・・!

将軍 「なっ、なんという格好しておる・・。」

さんご 「ワタシは・・はなから負けた時は死ぬつもり・・。さあ!刀をよこしな!藩主様の替わりにワタシが死んであげるよ!」

讃岐藩主 「さんご・・。」

将軍 「・・・。」

将軍に耳打ちする徳川家の爺 「殿・・・好都合にございます・・。」

将軍 「コレが好都合なのか・・?」

   徳川爺は・・さんごに刀を渡しました・・。

徳川家爺 「さんごよ・・二言は無いな?」

さんご 「ワタシは漁師だ!いつでも死を覚悟してるよ!」

さんごの父 「さんご・・。」

さんご 「父上・・コレでいいでしょう・・。」

  さんごは刀を振り上げました・・その時!

将軍 「止めい!」

  なんと!将軍がさんごの刀を取り上げました!

さんご 「何故・・お止めを・・?」

将軍 「さんごよ・・すまない・・」

徳川家の爺 「殿・・これ以上言ってはなりませぬ・・止めてもなりませぬ・・。」

将軍 「爺よ・・ワシは将軍である前に一人の男だ・・。ワシにはこの女(さんご)が必要なのじゃ・・。これから妻になる女を誰が目の前で死なせる事が出来るか!(怒)こんな行事(美人コンテス)は即刻中止!!!分かったな!?(怒)」

徳川家の爺 「・・・は!」

将軍 「さんごよ・・お前の切腹は・・ワシとの婚儀で許してくれないか?この通りだ・・」

   将軍は・・さんごに求婚の申し出を。


さんご 「・・・。」

将軍 「こんな情けない将軍では不服か・・?しかし、これからのワシにはおぬしのような女が必要なのじゃ・・。」

さんご 「これからは海ではなく・・あなた様に身も心も預けましょう・・。ワタシはアナタの舟になりまする・・」

  そして・・

   ・・江戸の町・・

お触書を見る江戸っ子A 「なんだって!?コイツ(夫)を捕まえたら・・金100両!とんでもねえぜ!(喜)」

お触書を見る江戸っ子B 「金100両って事はコイツ(夫)はとんでもねえ悪いヤツなんだろうな!許さねえぜ!(怒)」


    ・・伊予藩屋敷・・

宇和島家臣 「では、姫様・・帰りましょう・・。」

タチバナ姫 「ワタシがビリだったらどうなっていたでしょう・・?」

宇和島家臣 「姫様・・。おそらく将軍様はあえて「さんご」様をビリにしたような気が・・。」

タチバナ姫 「ワタシもそう思います・・。本当にワタシは情けない・・。」

宇和島家臣 「・・では、ご用意を。」

  そして・・びしゃご一同は船に乗り帰路につこうとしてました。

びしゃご 「・・・。」

家臣A 「びしゃご気持ちは分かるが・・もう夫は助かっておるまい・・。」

家臣B 「町中の江戸っ子が夫を探しているからな・・アイツ(夫)はアホでどうしようの無かったが・・死んでしまうと淋しいの~(笑)」

念仏を唱える高僧 「南無阿弥陀仏!!」

びしゃご 「やめてください!(怒)」

ビックリする家臣AB・高僧 「・・・。」

びしゃご 「あなた達は!将軍様と「さんご」様を見てたでしょう!?夫婦というモノがどういう事かお分かりですか!?(怒)」

家臣AB・高僧 「すいません・・。」

  その時!船の調理場から酔っぱらった夫が・・。

酔っぱらった夫 「うい~・・あれれ?もうみんな帰っておったか!?坊主(高僧)どうや?一杯♪」

びしゃご 「あなた!」

家臣B 「そなた!生きておったか・・。」

酔っぱらった夫 「坊主が顔に死相があるから身を隠せってしつこいから・・ココに戻ってお酒を拝借してたぜよ!」

びしゃご 「良かった!お坊さん・・ありがとうございます!」

高僧 「あたりまえのことをしただけじゃ・・。」

酔っぱらった夫 「ところで?美女決定はどうなったぜよ?さんごか?・・もう一人はダレだったかの~・・」

家臣A 「タチバナ姫じゃ! ははは(笑)行事は中止じゃ!」

酔っぱらった夫 「は~?中止~?無茶苦茶ぜよ!」

家臣B 「まあ・・びしゃごはさんご様に試合に勝って勝負で負けた・・というトコロだな。」

びしゃご 「はい♪」

  そして・・船は土佐へ・・


江戸の町を見るびしゃご 「・・・。(さんご様・・お幸せに・・。)」

(次回シリーズ予告!)不漁で飢えに苦しむびしゃごと夫が!優勝賞品「米一俵」の相撲大会に二人三脚で挑む!(予定)

2009年05月18日(月)

びしゃご 51   室戸荘

 ・・・江戸城一の門広場・・・


徳川家の爺 「殿。ココに座られよ。そなたら(土佐・伊予・讃岐藩主)はココ(地べた)じゃ。」

将軍 「うむ!」

白装束を着た土佐・伊予・讃岐藩主 「はい・・。」

  将軍は用意されてた椅子に座りました。

徳川家の爺 「殿。これから布をかぶり顔を隠した、三人の女が出て来ます。殿の「顔を見せよ」の一声で・・三人の女は顔を見せます。慎重にお選びくだされ。殿から見て、まず・・右の女が土佐のびしゃご・・ド田舎の室戸岬の女です。」

将軍 「ははは!(笑)土佐藩主の申しておった日の本一の女か!(笑)」

徳川家の爺 「は、そして・・殿から見て真ん中の女が伊予藩が宇和島藩から連れて来た「タチバナ姫」でございます。」

将軍 「別に伊予藩でも宇和島藩でも別によいよい!(笑)」

徳川家の爺 「そして・・左の女が讃岐藩「瀬戸の花」と呼ばれる「さんご」です。なんでも前評判では一番間違いなしと言われおります。」

将軍 「ははは!(笑)楽しみじゃのー!(笑)」

徳川家の爺 「なお・・アチラの桜の木の下に切腹場と、この道50年の介錯の名人を用意しております。」

介錯の名人(老人) 「殿~!拙者にお任せあれ~!」

白装束を着た土佐藩・伊予・讃岐藩主 「・・・。」

将軍 「あい分かった!では、女を連れて来い!」

徳川家の爺 「は!では・・三人方を呼んで来い!」

侍 「は!」

  侍は「びしゃご」と「さんご」と「タチバナ姫」を呼びに行きました。

侍 「では・・ワタシについて参られよ。」

布で顔を隠すびしゃご 「はい。緊張するわ・・。」

布で顔を隠すさんご 「フフ♪楽しみだわ♪」

布で顔を隠すタチバナ姫 「神様仏様・・(ブツブツ)」

  そして・・三人は侍に連れられ・・将軍の元に向かいました。

  そして・・その途中でそれぞれを応援する人達が・・。


高僧・家臣AB 「びしゃご!がんばれ!」

びしゃご 「ありがとうございます!あれ?夫がいないわ?どこに行ったのかしら?」


さんごの父 「さんご・・任せたぞ・・。」

さんご 「父上・・お任せを・・。」


宇和島家臣 「姫様・・後武運を・・。」

タチバナ姫 「神様仏様・・(ブツブツ)」


  そして・・三人の美女は将軍様の前に立ちました。

侍 「殿・・連れて参りました。」

将軍 「苦しゅうない!者共(三人の美女)聞けい!我こそが徳川○代将軍である!!」

びしゃご 「・・・。(この人が将軍様・・。)」

さんご 「・・・。(ウワサ通り・・気が強そうね・・)」

タチバナ姫 「・・・。(神様仏様・・)」


徳川家の爺 「では、殿・・どうぞお始めを・・。」

将軍 「では!おぬしら布をおろし・・ワシに顔を見せるのじゃ・・(ニヤ)」

びしゃご・さんご・タチバナ姫 「はい・・。」

  そして、三人の美女を布を外し・・顔を将軍に見せました!

将軍 「あい分かった!日の本一の美女が決まったぞ!!」

徳川家の爺 「早いですな・・。」

白装束を着た土佐・伊予・讃岐藩主 「だれでありますか・・!?」

びしゃご・さんご・タチバナ姫 「・・・。」

将軍 「日の本一の女は・・「びしゃご」じゃ!!」

びしゃご 「ワタシが!!」

さんご 「なっ・・!!」


白装束を脱ぐ土佐藩主 「切腹を免れた~・・。(安堵)」

高僧・家臣AB 「良かったー!(笑)」


白装束を着た伊予・讃岐藩主 「将軍様!!ビリはだれなのですか!?」


将軍 「ビリは「さんご」じゃ!!」

さんご 「うっ、うそ・・ワタシが・・」  また次回。


  次回!『日の本一美女決定編』最終話!乞うご期待♪

2009年05月10日(日)

びしゃご 50   室戸荘

  そして、いよいよ「日の本一美女決定」が始まろうとしてました。江戸城の天守閣では・・将軍と白装束を身にまとった三藩主(土佐・伊予・讃岐)が・・。

徳川家の爺 「では、殿・・そろそろ。」

将軍 「あい分かった!では、おぬしら(三藩主)もついてまいれ!」

白装束を着た土佐・伊予・讃岐藩主 「はい・・・。」

将軍 「元気がないな~。心配いたすな♪この道50年の介錯の名人を用意しておる♪」

白装束を着た土佐・伊予・讃岐藩主 「・・・。」


    ・・・讃岐藩の待合室・・・

さんごを見る女中 「美しい・・。(ウットリ)江戸の町であなた程の女性を見たことはありません。」

さんご 「やっぱりそうですか♪・・・父上、ワタシは必ず勝ちます。」

さんごの父 「相変わらず負けず嫌いやな。さんごよ・・お前の一番良いトコロは姿カタチでは無い・・。」

さんご 「それは?」

さんごの父 「今は言うまい・・お前が一番になれば言おう。さんごよ・・一番大事な事はビリにならないコトだ・・。藩主様の命はお前に懸かってる事を忘れるな・・。」

さんご 「はい・・。」

   ・・伊予藩の待合室・・

タチバナ姫を見る女中 「我々が出来る事は全ていたしました・・御武運を。」

宇和島家臣 「姫様・・美しいございます・・。」

タチバナ姫 「今回は・・ワタシが屋敷を出てアナタにも迷惑をかけましたね・・。」

宇和島家臣 「いえ・・。」

タチバナ姫 「女中のみなさん・・このモノ(家臣)とだけで話たい事が・・。」

女中 「はい、しかしお時間がせまっております。手短に・・。」

  女中達は部屋を出ました。そして部屋には姫と宇和島家臣だけに。

宇和島家臣 「「さんご」のコトでしょう・・。大丈夫です。」

タチバナ姫 「ワタシは以前・・小豆島に行った時に「瀬戸の花」と言われる女に興味を持ち・・「さんご」を見に行った事があります・・。」

宇和島家臣 「姫様・・勝負は分かりません・・。もうお止めくだされ・・。」

タチバナ姫 「今回、江戸に到着し・・讃岐藩は「さんご」を呼んだと聞いて、ワタシは・・負けて伊予藩主を切腹させてしまうと責任を感じ屋敷から逃げました・・。」

宇和島家臣 「・・・。」

タチバナ姫 「そして、町で土佐藩の関係者(夫)と出会い、「土佐藩屋敷に来ないか?」と誘われました・・。ワタシは土佐代表の美女が見てみたいと思い土佐藩屋敷へ・・。」

宇和島家臣 「それは知りませんでした。」

タチバナ姫 「そこで土佐代表の「びしゃご」さんに出会いました・・。その時、ワタシは「さんご」には負けるが「びしゃご」さんになら勝てると思い・・安心して伊予藩屋敷に戻りました。」

宇和島家臣 「それは・・なによりですな・・。」

タチバナ姫 「しかしです・・。先ほど風呂場で「びしゃご」さんに会い・・(涙)」

宇和島家臣 「姫様・・伊予藩主の切腹、そして伊予と宇和島の関係が悪化する事の責任を感じておるのでしょうが・・。それは間違いです。」

タチバナ姫 「間違い・・?」

宇和島家臣 「姫様はなにも悪くありませね・・では、そろそろお時間・・行きましょう!」

タチバナ姫 「はい・・。」

部屋に入って来た女中 「そろそろ・・お時間です。」

  タチバナ姫は女中に連れられ会場へ・・。

タチバナ姫を見送る宇和島家臣 「姫様・・。」

  ・・・土佐藩待合室・・・

女中 「すみませんが・・お時間なので、みなさま(夫と家臣ABと高僧)は会場へ。」

夫 「ええ~・・。キレイになったかもしれん、びしゃごにココで会わせてくれんのか~」

女中 「はい。」

高僧 「しかたあるまい・・ん!?おぬし(夫)!!」

  高僧は夫の顔を見てビックリしました。

夫 「なんや!おまん(高僧)!ワシの顔になんかついてるんかい!?」

高僧 「いや・・おぬし(夫)の顔に死相が出ておる・・。南無阿弥陀仏!!」

  高僧は念仏を唱え始めました。

夫 「死相~・・縁起が悪いコトを言うなぜよ!(怒)」

  そして・・遂に・・「日の本一美女決定」が行われるのでした。  また次回。

この物語はほとんどフィクションです

2009年04月27日(月)

びしゃご 49   室戸荘

  ・・・江戸城・・・

夫 「でっかいの~・・高知城も立派やったがそれ以上ぜよ!」

家臣A 「あたりまえじゃ。ん?」

  江戸城に到着したびしゃご一同の前に江戸城の女中達が・・。

女中達 「これはこれは土佐藩の方々ですね。三藩別々のお部屋を用意しております。どうぞこちらへ。」

びしゃご 「はい・・。」

  
  ・・・土佐藩の待合所・・・

女中達 「では、びしゃご様以外の方はココでお待ち下さい。私共これから、びしゃご様の身洗いと着付けと化粧をしますゆえ。」

夫 「びしゃご・・まあ頑張りや。」

家臣AB 「女中殿!あなた様だけが頼りです!お願いいたします!どうかどうか化粧で誤魔化してくだされ!」

高僧 「びしゃご・・ワシはお前が一番の女だと思っておる・・大丈夫じゃ。」

びしゃご 「みなさん!ありがとうございます!・・では。」

  びしゃごは女中達と一緒にお風呂場へ・・・。

 
   ・・・お風呂場の脱衣場・・・

女中達 「では、びしゃご様、ココで入浴をお済ませを。」

びしゃご 「はい・・。」

  びしゃごは着物(ボロ)を脱ぎ風呂へ・・。

びしゃご 「すごい・・さすがは江戸城のお風呂場ね♪すごく広いわ♪」

   その時・・誰かがすでに入浴してました・・。

??? 「びしゃごさんですね・・。」

びしゃご 「だれですか?」

タチバナ姫 「始めましてワタシはタチバナです・・。」

びしゃご 「あなたが・・タチバナ姫ですか?どこかで見たような??」

タチバナ姫 「・・いえ。どうぞ良かったらココにお入りませんか?」

びしゃご 「はい・・でも・・姫様の後で・・。」

タチバナ姫 「ワタシが姫という事で・・遠慮でも?気を使わなくてよいですよ・・。」

びしゃご 「・・・はい、では。」

   びしゃごは・・タチバナ姫の言う通りに湯船につかりました・・その時!

びっくりするタチバナ姫 「なっ、なんと!広い湯船の湯がアカだらけに・・!!」

びしゃご 「すっ、すいません!・・何年も水浴びして無かったもので・・(涙)」

おどろくタチバナ姫 「何年も!? ・・びしゃごさん気になされずに・・。」

びしゃご 「すいません・・。」

タチバナ姫 「・・びしゃごさん聞きたい事があるのですが聞いてよいですか?」

顔を湯で洗うびしゃご 「はい。なんでしょう?」

タチバナ姫 「あなたは・・あの夫のドコが良いのですか???」

びしゃご 「え?何故・・ワタシの夫をご存知で・・?」

タチバナ姫 「話せば長くなります、私どもはのぼせ上ってしまうほどです(笑)」

びしゃご 「は~?のぼせ上るほど~?フフ(笑)・・分かりました。ある程度は答えましょう♪」

タチバナ姫 「のぼせ上がってしまわぬていどにお願いします♪」

びしゃご 「あの人(夫)はぐ~たらでどうしようもないと皆が言います。」

微笑むタチバナ姫 「・・・でも優しいのですか?」

びしゃご 「いえ・・家事(掃除・洗濯・水汲み・食事・マキ割り等)は全てワタシがやらされます・・仕事(内職)もワタシは貧しいのでやらざるありません。」

おどろくタチバナ姫 「なっ、なんと巻き割りまでするんですか!?なら・・なぜですか?」

びしゃご 「それはもし、アナタ様が一番になったら答えましょう・・。」

びしゃごの顔を見るタチバナ姫 「・・・。」

びしゃご 「どうしました?」

タチバナ姫 「なんでもありません・・。では約束ですよ・・。のぼせてしまいそうです、お先に失礼します・・。」

  タチバナ姫は風呂をあがりました。そして、びしゃごも体中を洗い・・風呂を出ました。

  そして、女中達はびしゃごの顔に化粧を始めようとしましたが・・。

女中A 「・・・。びしゃご様・・正直、驚きました。風呂に入る前と後では・・。」

女中B 「・・・。大奥でも見たことがありません。もはやコレは・・化粧をする必要がありません・・。化粧することはむしろ愚かでしょう・・。」

びしゃご 「へ?どういう事ですか!?」  また次回。

この物語はほとんどフィクションです

2009年04月19日(日)

びしゃご 48  室戸荘


夫 「変な名前やの~・・」

タチバナ太郎 「そうですか・・?」

夫 「おまん仕事は何しゆう?」

タチバナ太郎 「なにもしてません・・。」

夫 「なんや・・乞食かい?・・どうぜよ?土佐藩の屋敷に手伝いに来んかい。」

タチバナ太郎 「え?・・いいんですか?」

夫 「ああ、命令ばかっりの嫌なヤツラ(高僧・家臣B)もおるけど・・ワシとしては飯炊きが増えれば助かるぜよ!来ればタダメシ(残り物)は喰えるぜよ♪」

タチバナ太郎 「・・・。では、お願いします。」


  ・・その頃、江戸城には土佐・伊予・讃岐藩主が将軍に呼ばれてました・・

将軍 「おう!またまたオヌシらを呼んだのは他では無い!なんでも・・三藩の美女が江戸に到着したそうだな!(笑)」

土佐藩主 「は!」

伊予藩主 「・・・は。」

讃岐藩主 「は!」

将軍 「聞くがよい!日の本一美女決定は明日!ココ(江戸城)の一の門じゃ!(笑)」

土佐・伊予・讃岐藩主 「は!」

将軍 「それまでおぬしらはココ(江戸城)から一歩も出てはならん!(怒)」

土佐・伊予・讃岐藩主 「なっ、なぜでしょう?」

将軍 「なんだ~?おぬしら・・そんなコトも分からんのか?はあ~(タメ息)」

土佐・伊予・讃岐藩主 「分かりません。」

将軍 「ワシの世継ぎを産む女を・・おぬしらが下心で手を出したりしたらかなわん!万が一でも家の大事(世継ぎ問題)になるかもしれんだろう!(怒)」

伊予・讃岐藩主 「・・・。(という事は、将軍様は今回の女から世継ぎを作るつもりか・・。そうなれば我が藩の権威は格段に・・)」

土佐藩主 「・・・。(そんな~(涙)」

  土佐・伊予・讃岐藩主は江戸城で軟禁される事に・・。


  ・・・土佐藩駐留所・・・

   びしゃごは・・夫の替わりに料理を用意してました・・。

料理してるびしゃご 「ええ~と・・大根切らないと・・ん?」

  調理場に夫とタチバナ太郎が・・。

夫 「びしゃごが用意してくれてるんか?すまんの~♪」

びしゃご 「あなた・・その方(タチバナ太郎)は?」

夫 「町で拾った乞食ぜよ!タダメシ喰えると言って連れて来たわい♪ワシの手伝いをさせちゃろうかと思っての~。」

びしゃご 「まあ・・。」

タチバナ太郎 「よろしくおねがいします・・。」

びしゃご 「コチラこそよろしくおねがいします♪あなた・・三人で料理しましょう♪早く終ります♪」

夫 「よし!ワシが見よっちゃうき!びしゃごはオカズや!おまん(タチバナ太郎)はメシと味噌汁を用意せえ!」

タチバナ太郎 「はい!」

  二人は料理を始めました。

命令する夫 「おまん!メシを洗い過ぎじゃ!(怒)おまん!もっと煮干のダシを出さんかい!(怒)ヤル気あるんかい!(怒)」

米を洗いながら味噌汁を作るタチバナ太郎 「すっ、すいません!」

びしゃご 「あなた(夫)も手伝いなさい!(怒)」

  その時!調理場に!讃岐藩のさんごが・・!

家臣A 「さんご殿!かってに上がらないくだされ!」

さんご 「うふふ・・お侍さん♪固い事を言うんじゃないの♪びしゃごさんに挨拶をしに来ただけよ♪」

大根を切るびしゃご 「あなたは!」

夫 「おまんは!」

味噌汁の味見するタチバナ太郎 「・・・。」

  さんごはびしゃごの前に立ちました。

さんご 「ふ~ん♪あなたがびしゃごさんね・・。」

びしゃご 「はい。」

さんご 「・・・。ワタシは日の本一の美女なんて興味ないわ・・だけど将軍様の嫁になれるとなれば別よ・・。ワタシはアナタなんかに負けないわ。」

びしゃご 「将軍様の嫁?なんの事ですか?」

さんご 「あら?知らないの?一番の女になったら、将軍様の嫁になれるのよ♪こんな好機は二度と無いわ。ワタシは・・父上のため、ワタシ自身のために将軍様の嫁になりお子を授かるわ・・。 ちなみにビリの女の国の藩主は切腹よ。」

びしゃご 「まあ!」

さんご 「なんでも・・ウワサじゃ、伊予藩代表の女は「藩主切腹の重圧」を感じ・・負けるのが怖くて逃げ出したそうよ。ほんとに情けない(笑)あなたも逃げないでね(笑)」

タチバナ太郎 「・・・。」

びしゃご 「逃げません・・。ワタシはアナタに勝ちます。しかし将軍様に嫁入りは困ります・・。」

さんご 「フフ・・心配無用よ。アナタの美貌じゃワタシに勝てないもん(笑)」

びしゃご 「ワタシは勝って・・将軍様に「藩主様の切腹」を止めてもらい「嫁入り」も断ります!」

夫 「びしゃご・・。」

タチバナ太郎 「・・・。」

さんご 「さすがは土佐の女ね・・。じゃあ明日、江戸城で待ってるわ。」

  さんごは何処へ・・。

家臣A 「将軍様に物申すだと、そんな事したら・・。ありえん・・。」

夫 「心配無用や♪びしゃごはビリじゃ♪(土佐藩主が切腹♪好都合や♪)」

びしゃご 「あの女(さんご)に勝ちます!・・あれ?あなたの連れて来た方(タチバナ太郎)は?」

夫 「ホンマや・・アイツはドコに行ったんやろう・・。」  

  そして翌日、「日の本一美女決定」のため江戸城にびしゃご一同は向かいました。  また次回。

この物語はほとんどフィクションです

2009年04月05日(日)

びしゃご 47  室戸荘

 びしゃご一同が土佐藩駐留所に向かっていた・・その頃。

  ・・伊予藩駐留所・・

伊予家臣 「藩主様!大変な事が!」

伊予藩主 「何事じゃ?」

伊予家臣 「そっ・・それが・・「タチバナ姫」が何処かへ・・消えました!」

伊予藩主 「 ! なんじゃと!?」

伊予家臣 「おそらくは・・将軍の側室になるのがイヤで・・。男用の着物を着て・・何処かへ消えたようです・・。」

伊予藩主 「消えたようです・・。ではない!(怒)探すのじゃ!ワシの命が懸かってるのじゃ!」

伊予家臣達 「は!!」


  そして、その頃。びしゃご一同は土佐藩駐留所へ到着しました。

びしゃご 「ココが土佐藩の駐留所なのですね♪」

高僧 「なかなか広いの・・。」

家臣B 「びしゃごの亭主よ!ハラが減ったわい!メシをすぐに仕度しろ!」

  しかし・・夫の姿は見当たりませんでした・・。

家臣B 「アイツ(夫)は何処に行ったのじゃ?」

家臣A 「おそらく・・飯炊きの仕事に嫌気がさし・・逃げたのだろう・・。」

家臣B 「なんと!(怒) うぬぬ・・!帰って来たら、切り捨ててくれるわ!(怒)」

びしゃご 「まあまあ、そんなに荒立てずに、ワタシがご飯の仕度をしますから♪」


  ・・江戸の町・・

夫 「まったく・・なんでワシがいつも!ダメ侍(家臣B)とエロ坊主(高僧)にコキを使われんとイカンのじゃ!・・・ん?」

  その時・・夫の目の前で、男と江戸っ子ABの間で・・イザコザがありました。

江戸っ子A 「てやんでー!(怒)オレの肩にぶつかって!あやまれ!」

江戸っ子B 「そうだ!あやまれ!」

??? 「すっ、すいません・・。」

江戸っ子A 「ちっ、前を気をつけて歩くんだぞ!おととい来やがれ!」

江戸っ子B 「そうだ!気をつけろよ!あばよ!」

  江戸っ子ABは何処へ・・。

??? 「・・・。江戸っ子って怖い人達なのね・・。気をつけないと・・。」

夫 「おまん!だらしないの~・・。男やったらケンカせんといかんぜよ!」

??? 「あなたは?」

夫 「ワシか?・・・ワシは土佐では名の知れちゅうモンや♪」

??? 「土佐?・・という事は土佐藩美女一行に縁がある方ですか?」

夫 「縁も何も・・土佐代表のびしゃごはワシの嫁やで♪」

??? 「びしゃご??・・ウフフ・・変な名前ですこと(笑)」

夫 「おまん名は?」

タチバナ太郎 「・・・。ワタシはタチバナ太郎と申します。」

夫 「タチバナ太郎!?」   また次回。

この物語はほとんどフィクションです

2009年03月29日(日)

びしゃご 46  室戸荘

 
     ・・・江戸の船着場・・・

  びしゃご一同は・・土佐から江戸に到着しました。

びしゃご 「やっと着きましたね!」

夫 「ホンマや・・長い航海やった・・。ん?となりにも船が着いたみたいぜよ!」

  土佐藩の船の横に違う船が着きました。

家臣B 「ん~?あの旗の家紋は・・讃岐藩だな・・。」

高僧 「ほう~ちょうど隣りに讃岐藩の船が・・お侍さん・・ワシに秘策がありまする・・。」

家臣B 「おお!さすがは高僧様!なんでございましょう・・?」

高僧 「うむ・・讃岐藩の船にはおそらく・・讃岐代表の美女が乗ってましょう・・。」

家臣B 「はい!」

高僧 「うむ・・ワシらは讃岐藩の連中より遅く降りて・・その美女がどれほどの女かを船の上から吟味しましょう。」

家臣B 「なるほど!見事な秘策ですな!さすがは高僧様!」

高僧 「当たり前のことをしただけじゃ・・。」

夫 「こいつらアホか・・。」

  そして、讃岐藩から「さんご」一同(さんご・さんごの父他)が降りて来ました。

  なんと!讃岐代表と土佐代表の美女を見ようと・・江戸っ子がたくさん船着場に来てました!

江戸っ子の前を通るさんご 「みなさん(江戸っ子達)!さんごで~す♪ワタシを応援してね♪」

江戸っ子達 「おおー!!!さんごちゃ~ん♪」

江戸っ子A 「いや~~讃岐のさんご!いい女だねー♪なんでもうどん屋の娘らしいぞ!べらんめえ!」

江戸っ子B 「やっぱり!うどん屋の娘だけあって!イイ腰してんだろ~な~♪しゃらくせー!」

   江戸っ子達は大盛り上がりになりました。それを見てた・・びしゃごたちは・・

びしゃご 「すっごい!キレイで可愛くてイイ女でしたね♪」

家臣A 「・・・。」

家臣B 「・・・。」

高僧 「・・・。」

びしゃご 「あれ?みなさん・・どうしたんですか?」

家臣A 「びしゃごよ・・どうしたもこうしたも無い・・。我ら土佐藩の負けは決まった・・。完全に・・。」

びしゃご 「はあ~?」

高僧 「お侍さん・・びしゃごよ・・。いくらワシの神通力でも無理じゃ・・。」

家臣A 「・・いえ、仕方ありません。」

びしゃご 「まあまあ、みなさん・・将軍様が決める事ですから・・それに負けても別にいいじゃないですか♪そんなに気落ちせずに・・。さあワタシたちも土佐藩駐留所へ行きましょう!」

  びしゃご一同は・・船を降り・・江戸っ子達の前を通りました。

びしゃご一同を見る江戸っ子達 「あれれ?・・土佐藩代表の美女はどこじゃ?」

江戸っ子A 「ひょっとして・・あの女(びしゃご)か・・・??」

江戸っ子B 「もしもそうだとしたら・・土佐藩主の切腹は決まりじゃの~哀れじゃ・・。」

  びしゃご一同は土佐藩駐留所へ向かいました。   また次回。

この物語はほとんどフィクションです
  

2009年03月22日(日)

びしゃご 45  室戸荘

  ・・・江戸に向かう土佐藩の船・・・

 びしゃご一同(びしゃご・夫・高僧・家臣AB他)は江戸に向かうために海を東へ・・そして・・数日後・・。


家臣B 「こらー!貴様~~何回言ったら分かるんだ!(怒)」

夫 「すっ、すいません・・。」

家臣B 「貴様の炊くメシは硬いんじゃ!(怒)それに魚は全然焼けておらん!(怒)貴様~・・(ニヤ)」

  家臣Bは刀のサヤを抜きました。

夫 「ひぃ~!」

高僧 「まあまあ・・お侍さん・・今回はワシの顔に免じて許してやってくれ・・。」

家臣B 「・・承知しました。」

高僧 「びしゃごの亭主よ・・。ワシは魚は食わんが・・芋粥が食べたい・・すぐに用意しろ・・。」

夫 「・・・。」

びしゃご 「あなた・・。」

  夫は渋々・・調理場へ・・。

家臣A 「ところで・・高僧様・・。」

高僧 「なんでしょう?」

家臣A 「「タチバナ姫」という宇和島の姫をご存知でしょうか?」

高僧 「モチロンじゃ・・。」

家臣A 「土佐の放った間者の情報によると・・讃岐藩は分かりませんが・・。伊予藩は宇和島藩の「タチバナ姫」を江戸に向かわせるのでは・・。と申しておったそうです・・。「タチバナ姫」はどんなオナゴなのでしょう?」

高僧 「あの「タチバナ姫」が・・!!これは・・大問題でありまする・・。」

家臣A 「大問題?」

高僧 「ハッキリ申しましょう・・。全てにおいて・・びしゃごより数枚上でしょう・・。」

家臣AB 「なんと!それほどの!」

びしゃご 「・・・。」

高僧 「・・。ご安心なされよ・・ワシの神通力できっとびしゃごを日の本一にさせてみせましょう・・。これ!粥はまだか!?」

家臣AB 「さすがは高僧様!心強い!」


 
  ・・その頃、江戸城では・・・

将軍 「そなたら・・三人(土佐・讃岐・伊予藩主)を呼んだのは他でもない・・。今度、ワシが決める「日の本一の美女」のコトだが・・。」

土佐・伊予・讃岐藩主 「なんでしょう?」

将軍 「うむ!せっかくの面白い行事だ・・日の本一の美女を連れて来た藩には褒美を取らそうと思っての~(笑)」

土佐藩主 「なんでしょう?(領地かの~♪)」

伊予藩主 「なんでしょう?(金かの~♪)」

讃岐藩主 「なんでしょう?(役職かの~♪)」

将軍 「うむ!喜べ!ワシが「日の本一の美女」に決めた女をワシの嫁(側室)にしてやるぞ!(笑)」

伊予・讃岐藩主 「・・・。(期待して損したわい・・(怒))」

土佐藩主 「・・・。(そっ、そんな!びしゃごはワシの嫁(側室)にしようと思ってるのに・・!)」

将軍 「それとじゃ・・美女を連れて来れなかった藩主は当然だが・・。もし、おぬしら三人が連れて来た女で・・ピリの女の藩主には・・(ニヤ)」

土佐・伊予・讃岐藩主 「・・なんでしょう?」

将軍 「切腹を命じる!」

土佐・伊予・讃岐藩主 「 !!! 」   また次回。

この物語はほとんどフィクションです

2009年03月17日(火)

びしゃご 44  室戸荘

家臣A 「びしゃごのおっしゃる通りじゃ・・。では、江戸に向かうために・・高知の港までついて来てもらおう。」

びしゃご 「あの・・お侍さん・・。」

家臣A 「なんじゃ?」

びしゃご 「ワタシの亭主も一緒に江戸までは・・ダメですか?」

家臣A 「この男(夫)をか?なぜじゃ?」

びしゃご 「この人(夫)はおそらく・・ワタシがしばらくの間でも居なくなったら、生活が出来ないと思って心配で・・。」

家臣A 「なんと!だらしのない男やの~・・。まあ、仕方無い、おぬし(夫)もついて来い。」

夫 「へ?ワシもですか?」

家臣A 「そうじゃ。おぬしが心配でびしゃごが色々と集中出来なかったら・・難だからな。おぬし鍋洗いくらい出来るだろう?」

夫 「はあ~?鍋洗い~?なんか面倒くさそうぜよ~・・。」

家臣A 「・・・。では、ついて参られよ・・。」

  その時!家の中に高僧が入って来ました。

高僧 「ワシも江戸にお供させていただこう・・。」

びしゃご 「お坊さん!」

夫 「おまん!まだ生きておったか!」

高僧 「・・・。」

家臣AB 「坊主に用はない。 ん?・・・ひょっとして?あなたは!?」

高僧 「フっ、思い出したか・・。」

家臣A 「これはこれは・・あなたが江戸について来てくれたら力強い!」

高僧 「お侍さん・・ワシの神通力でびしゃごを日の本一にさせてあげましょう・・。」

家臣A 「お願い致しまする!」

夫 「まあ~・・鍋洗いが増えて、ワシはラクになるからいいかもの~♪」

びしゃご 「では、高知へ向かいましょう!」

家臣AB 「うむ!」

  こうして・・びしゃご一同は高知に行き・・。

 数日後、船に乗り・・江戸に向かいました。  また次回。

この物語はほとんどフィクションです

2009年03月08日(日)

びしゃご 43  室戸荘

 ・・室戸岬のびしゃごの家の前・・

 土佐藩家老の命令を受け、家臣AとBはびしゃごの家の前まで来ました。

家臣B 「庄屋殿に聞いた通りだと・・ココがびしゃごの家という事だが・・汚い家じゃの~・・。」

家臣A 「まるで馬小屋じゃ・・。」

家臣B 「おぬしはびしゃごに会った事があるんだったな・・どんな女だったのじゃ?」

家臣A 「う~む・・良く分からん。着てるものはボロやったし、顔も何日も水浴び(風呂)してないようだったからの~・・。」

家臣B 「ウチ(土佐藩)の姫様以上とは・・とても思えんの~・・。では、入るか・・。」


  家臣AとBは戸を開け、家の中に。

家臣AB 「失礼するぞ!」

  そして、家の中には、ぐ~たらと寝転がってる夫がいました。

びっくりする夫 「おっ、お侍様!いったいどうかされました!?」

家臣A 「ん?おぬしは・・たしか、びしゃごの亭主であったな?」

夫 「はい。」

家臣A 「そなたには用は無い。びしゃごはいるか?」

夫 「はい。裏でマキ割りをしてます。おーい!びしゃご!お客さんだぞー!」

裏でマキ割りをしているびしゃご 「はい!あなた!」

  そして、家の中にびしゃごが来ました。

びしゃご 「あら?お侍さん。なにか御用ですか?」

家臣A 「・・・。(たしかに顔はキレイだとは思うが日の本一とはとても・・。)」

びしゃご 「 ? どうしたんですか・・ワタシの顔に何かついてます?」

家臣A 「いや、じつはな・・カクカクシカジカカクカクシカジカ。」

  家臣Aはコトの流れを話ました。

びしゃご 「ワタシが藩主様の目にとまり!江戸の将軍様の元へ行けと・・。」

家臣A 「その通りじゃ。」

びしゃご 「ワタシなど・・とても無理です・・。」

夫 「お侍様・・お言葉ですが。」

家臣A 「なんじゃ?」

夫 「コイツ(びしゃご)は・・着てる物は汚いし!(笑)毎夜、内職のし過ぎでいつも目にクマがあるし!(笑)サバ以外にはロクなものを食ってないからカラダはガリガリやし!(笑)水浴び(風呂)も忙しいみたいで何日もしてません!(笑)・・ハッキリ言って、日の本一の美女なんて笑いが止まらないぜよ(笑)」

家臣AB 「言われてみれば・・たしかに!(笑)」

びしゃご 「・・・。」

夫 「それなら・・あのカワイイお姫様の方がず~~~と日の本一の美女にふさわしいぜよ!」

家臣AB 「おお!おぬし(夫)もそう思うか!」

びしゃご 「・・・。」

家臣AB 「う~ん・・藩主様の命令でも・・いざ、びしゃごを江戸に連れて行って藩主様に恥をかかせるわけには・・・。」

夫 「お侍様・・おっしゃる通りです・・。」

  その時!

びしゃご 「あなた!ワタシ江戸に行きます!(怒)」

夫 「へ?」

家臣AB 「なんと!?」

びしゃご 「藩主様の命令は絶対でしょう!」

夫 「・・・。」

家臣AB 「・・・。」

 こうして・・びしゃごが江戸に向かう事が決定しました。  また次回。

この物語はほとんどフィクションです

2009年03月01日(日)

びしゃご  42  室戸荘

 ・・・讃岐藩の小豆島・・・

  讃岐藩家臣一同はさんごを江戸に向かわせるために小豆島の網元の家へ・・。

さんごの父 「ワシの娘を江戸に?」

讃岐藩家臣 「さようじゃ・・で?さんごは何処におるのじゃ?」

さんごの父 「はは(笑)ワシの娘をですか?・・とてもとても「日の本一の美女」までは・・。」

讃岐藩家臣 「どういうことじゃ?」

さんごの父 「まあいいでしょう。お侍さん・・さんごの元へ案内しましょう・・ついてまいられよ。」


  さんごの父は家臣一同を漁場の浜へ。

さんごの父 「おい!おめえら!しっかり仕事しろよ!」

漁師達 「へい!カシラ!」

さんごの父 「さんごはまだ帰ってないのか?」

漁師達 「へい!まだ!」

讃岐藩家臣 「網元殿・・さんごは何処に行ったのじゃ?」

さんごの父 「さんごはこの島で一番の腕を持つ漁師であります。」

讃岐藩家臣 「ははは(笑)網元殿、ウソを申すな。女が島一番の漁師だとふざけるのもたいがいにいたせ!」

さんごの父 「お侍さん・・海で命を賭けている我々漁師はウソは決して申しません。言葉に気をつけられよ・・。」

讃岐藩家臣 「なんだと!(怒)言葉に気をつけろとは・・何たる無礼!(怒)」

  その時!

漁師 「カシラ!さんごが帰って来たようです!」

さんごの父 「そうか。」

讃岐藩家臣 「・・・まあ良い。許してやろう・・。」


  そして船着場に・・さんごの小舟が止まりました。

さんご 「フフ・・父上。今日もたくさんのタイを獲ってきました♪」

さんごの父 「そうか、ウデを上げたな。」

立ち尽くす讃岐藩家臣一同 「・・・。」

さんご 「あれ?この方達(家臣)は?」

さんごの父 「コチラの方々はオヌシ(さんご)をうどん屋の娘として、江戸に連れて行きたいらしいぞ。」

さんご 「は~?江戸~?うどん屋~?意味分からん・・。」

讃岐藩家臣 「網元殿!」

さんごの父 「どうされました?」

  讃岐藩家臣はなんと!網元に土下座を!

讃岐藩家臣 「どうか!先ほどの無礼を・・お許しくだされ! 拙者・・さんご殿を見て・・さんご殿が日の本一の美女である事を確信致しました・・。我が藩のため・・我が藩主のために・・どうか、さんご殿をお貸しくださいませ・・」

さんごの父 「しかと承知いたしました・・。さんごよ江戸にゆくのじゃ・・。」

さんご 「江戸~?」

讃岐藩家臣一同 「さんご様!お願いします!」  また次回。

この物語はほとんどフィクションです

2009年02月22日(日)

びしゃご 41 室戸荘

 
   ・・・伊予(愛媛)の松山城・・・

伊予藩主の使い 「カクカクシカジカであります!」

伊予藩家老 「「日の本一にふさわしい美女を探せ!でなければ大変なことに・・!」だと?なんと・・困ったもんじゃ・・。」

伊予家臣 「さようですな・・。」

伊予藩家老 「たしかに愛媛はその名の通り・・神様が四国を作った時に「愛しき美女の国」という事で作られたと言われておるがの~・・。おぬし(伊予家臣)・・なにか心当りはないか?」

伊予家臣 「・・・じつは。」

伊予藩家老 「ほう~何か良い情報を知ってそうじゃの~・・。」

伊予家臣 「はい・・日の本一の美女を拙者は存じております・・。」

伊予藩家老 「なんと!でかしたぞ!」

伊予家臣 「ただ・・。」

伊予藩家老 「ただ?なんじゃ?」

伊予家臣 「家老様・・宇和島藩主の娘「タチバナ姫」をご存知でしょうか・・。」

伊予藩家臣 「モチロンじゃ。」

伊予家臣 「家老様・・宇和島藩主にお願いしてみては?」

伊予藩家老 「う~ん・・宇和島藩に頭を下げるのは気が進まんが・・。仕方無い・・。」

  ・・・讃岐(香川)の高松城・・・

讃岐藩主の使い 「カクカクシカジカであります!」

讃岐藩家老 「「美女をうどん屋の娘として連れてまいれ!でなければ大変なことに・・!」だと?なんと弱ったの~・・。おぬし(讃岐家臣)なにか心当りは?」

讃岐家臣 「ありまする!」

讃岐藩家老 「申せ。」

讃岐家臣 「我が藩の小豆島の網元の娘に・・「瀬戸の花」と言われる女が・・。」

讃岐藩家老 「知っておる。名は・・たしか「さんご」であったな。」

讃岐家臣 「ご存知でしたか。「さんご」を江戸に向かわせましょう。」

讃岐藩家老 「うむ・・首尾よくな。」

  ・・・土佐(高知)の高知城・・・

土佐藩主の使い 「カクカクシカジカであります!」

家老 「「室戸の「びしゃご」という女を江戸に連れてまいれ!」だと?・・以前にココ(高知城)で会った女か・・。」

お姫様 「家老様!父上(土佐藩主)、将軍様の言う「日の本一の美女」・・あの小汚い女(びしゃご)では役不足でありましょう・・。」

家老 「は~?何が言いたいのですか?」

お姫様 「わらわが♪あの女の替わりに江戸に上りましょう♪」

家老 「姫様・・おそらく伊予藩、讃岐藩は相当な女を江戸に向かわせると思われまする・・。」

お姫様 「そうであろう・・。だからこそ、わらわが行かねばならぬまい。」

家老 「・・・。姫様、藩主様は室戸の「びしゃご」を連れて参れっと申してますので・・どうか、ご勘弁を。」

お姫様 「さようか・・土佐藩の負けは決まったの~・・残念じゃ・・。」

家老 「・・では、おぬし(家臣A)室戸の「びしゃご」に使いを出せ。」

家臣A 「は!」   また次回。

この物語はほとんどフィクションです


「びしゃご」はmuroto☆soul☆のブログで55話(室戸相撲大会編)まで継続中!

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2009年02月11日(水)

びしゃご 40   室戸荘

      ・・・江戸城・・・

  土佐藩の大名は江戸に到着し・・将軍に挨拶するために江戸城に・・。


土佐(高知県)藩主 「おお・・伊予藩殿! そなたも参勤交代で来たのか?・・ごくろうであるぞ!」

伊予(愛媛県)藩主 「ごくろうだと?・・なにを言うか!土佐藩のような辺境の藩からわざわざ来たおぬしのほうが大変だったろう・・。」

土佐藩主 「なんと!(怒)」


  土佐藩主と伊予藩主は口論を始めました。その時。


讃岐(香川県)藩主 「相変わらずでございますな・・。そろそろ将軍様と面会の時間です。そろそろお止めなさいませ。」

阿波(徳島県)藩主  「左様にござる。」


土佐藩主 「おぬしら(讃岐藩主・阿波藩主)も来ておったのか!」

侍 「将軍様がお会いになるようです・・四人方、お入りくださいませ・・。」


  そして三人の藩主(土佐・伊予・讃岐・阿波)は将軍様との面会を始めました。

将軍 「おぬしら・・遠方よりわざわざご苦労であったな・・。」

土佐・伊予・讃岐・阿波藩主 「ははー!もったいないお言葉!」

将軍 「ところでおぬしら・・江戸に来るまで何かおもしろい土産話でも無いか?」

土佐藩主 「ありまする!」

将軍 「ほ~・・なんじゃ?」

土佐藩主 「ワタクシ・・土佐の室戸で日の本一!美しい女を見つけました♪」

将軍 「なんと!それはまことか!?」

伊予藩主 「将軍様・・お言葉ですが・・ド田舎の貧しい土佐藩に日の本一美しい女などおるワケがありませぬ・・。おそらく土佐藩殿はいささか目が悪いのでしょう(笑)」

土佐藩主 「伊予藩殿!なんとおっしゃるか!(怒)」

将軍 「土佐藩なら・・ありえるの~・・。」

伊予藩主 「将軍様・・我が藩の家来の娘に日の本一美しい女といっても過言ではない・・女がおりまする・・。ぜひ将軍様に見てもらいたかったでございます♪」

将軍 「うんうん♪見てみたいの~♪伊予には美しく教養のある女がたくさんいると聞く♪」

讃岐藩主 「お言葉ですが・・我が藩にもうどん屋の娘でございますが・・もの凄い美女がおりまする。」

将軍 「なんと!讃岐にも日の本一の美女がおるのか!!阿波藩よ・・おぬしの藩はどうじゃ?阿波美人は有名であるが♪」

阿波藩主 「残念ながら・・我が藩には・・。」

将軍 「さようか・・。 土佐・伊予・讃岐が言う日の本一の美女・・見てみたいの~。そうじゃ!そなたらの言う・・日の本一の美女をココ(江戸城)に連れこよう・・。どの女が日の本一の美女か・・ワシが決めてやろう!」

土佐藩主 「それは名案でございますな!(笑)」

伊予藩主 「・・・。(しまった、家来の娘に美女などおらんのに・・ウソつくんじゃなかった・・)」

讃岐藩主 「・・・。(うどん屋の娘は・・どうしよう・・。)」

将軍 「おぬしら(土佐・伊予・讃岐)良く聞けい!もし美女では無い者を連れて来た、その時は・・(ニヤ)」

土佐藩主 「は!なんなりと!」

伊予藩主 「・・・は!」

讃岐藩主 「・・・は!」  また次回。


この物語はほとんどフィクションです

びしゃごは「muroto☆soul☆のブログ」で現在53話「室戸相撲大会編」まで継続中!

2009年02月01日(日)

びしゃご -5分で分かるコレまでのあらすじー  室戸荘

当初は3話で終る予定だった「びしゃご」もみなさまのおかげで39話(夫の高知城下町編終了)まで続く事ができました♪

そこで!「びしゃご」のこれまでのあらすじを紹介したいと思います!


  「 遥か昔の室戸岬・・

  ソコには日の本一の美女がおったそうじゃ・・

  その女の名は「びしゃご」と言ってな・・その「びしゃご」には不釣合いの・・ぐ~たらでサバしか釣った事がない漁師の「夫」がおった・・。


  ある日の事・・参勤交代に向かう大名行列が室戸岬を通った・・そこで、土佐藩主がびしゃごに一目惚れをしての~。ほーほっほ(笑)

  「びしゃご」は藩主から求婚の申し入れを受けたのじゃ・・。


  三年後に・・藩主が土佐に戻ってくれば当然・・貧しい漁師の嫁の「びしゃご」は藩主に取られてしまう・・。


  そうじゃ!金持ちになり!堂々と藩主に「ワタクシの嫁なので・・どうか、ご勘弁を!」っと言う・・。「びしゃご」と「夫」がずっと一緒におれるにはそれしか無かった・・。


  求婚の申し入れを受けた翌日に・・室戸岬に土佐一の「高僧」が千日修行のために来たのじゃ・・。

  「高僧」と会った「びしゃご」は・・「高僧」から「紀州では鯨漁が盛んじゃ!亭主に学びに行かせるがよい・・」と言われる・・。


  そして・・「びしゃご」の熱意がぐ~たらの「夫」を動かし・・小舟で紀州まで向かわせた・・。


  しかし・・「夫」は海上で漂流してしまい・・食料も命綱の釣竿も失い・・しかもサメの大群に囲まれた「夫」は死を覚悟したそうじゃ・・。ほーほっほ(笑)

 
  その時!鯨漁をしている最中の「大将」たちに出会い夫は命を救われたのじゃ・・


  命掛けで紀州にたどりついた「夫」であったが・・一日で「びしゃご」に会いたくなりホームシックに・・。


  そして・・ダメもとで「大将」に「室戸岬に来て鯨漁をしてみんか?」と聞いたそうじゃ・・


  なんと!以外にも「大将」は承知してくれたのじゃ・・。


  そして・・見事に「夫」は紀州から「大将」と「漁師A」と「紀州からの漁師たち」を連れて室戸岬に帰って来ることに成功したのじゃ・・。

  しかし・・当時は脱藩者へは厳しいオトガメがある・・しかし!「大将たちの鯨漁の技術が土佐藩の新しい財源にきっとなる!」

  「びしゃご」は「庄屋」たちを連れ、土佐藩家老に「大将」たちに堂々と室戸岬で鯨漁が出来るように頼みに行ったそうじゃ・・。


  そして・・高知城下街へ・・。


  そこで、「夫」はキレイな「お姫様」に出会う・・。


  なんと!「お姫様」は「夫」に一目惚れをしたそうな・・。


  「夫」と「お姫様」はデートへ・・。高級料亭で美味しいご飯を食べた後・・闘犬を見に行ったそうじゃ・・。


  しかし・・二人は闘犬の入場料を持ってなかった・・。


  お姫様は「夫」を入場料の替わりに働かせる事を思いついた・・そして・・闘犬場の「受付」も承知・・。


  しかし・・「夫」はワケあって闘犬のエサにされかけての~。おーほっほ(笑)


  ソレを助けようとした「お姫様」もエサにされかけたそうじゃ・・


  しかし!危機一髪のところで「大将」が二人を助けたそうじゃ・・


  土佐藩家老は「お姫様」を助けられて恩を感じたかもしれんが・・「我が藩は新たな財源が欲しい室戸岬での鯨漁に藩からも応援したい」と・・ついに室戸岬で鯨漁が始まる事になったのじゃ!


  そして、「夫」を見限り・・「大将」に一目惚れした「お姫様」は城の出口で求愛をしたが・・アッサリとフラれたのじゃ・・。ホントに勿体無いの~・・。


  続きはまだワシにも分からん・・。ほーほっほ(笑) 」


(びしゃごは「muroto☆soul☆のブログ」で50話まで継続中です!)

2009年01月31日(土)

びしゃご 38  室戸荘

一方・・その頃・・闘犬会場の客席では・・

お姫様 「よし!ソコじゃ!噛みつけい!(興奮)」

家臣A 「姫様!! やはりココでしたか・・。」

お姫様 「なんじゃ?・・どうしたのじゃ?」

家臣A 「どうしたではございません・・姫さまが居なくなったと城中が大騒ぎでございます・・。ワタシと一緒に早くお帰りください。」

お姫様 「なんと・・みんなに心配をかけてしまっていたのか・・。霧丹歩vs土佐鰹が見たら帰ります・・。」

家臣B 「では、拙者は城に姫様は無事と報告してまいります。」

家臣A 「すまぬな。」

  家臣Bはお姫様の無事を報告しに城に行きました。

お姫様 「ところでそなた・・。」

家臣A 「なんでございましょう?」

お姫様 「お金を持っておるか?」

家臣A 「お金でございますか?・・多少は持ってますが・・いくらほど必要なのでしょうか?」

お姫様 「二文じゃ。」

家臣A 「二文ですか?・・はいどうぞ。」

お姫様 「すまぬな♪ココでしばし待っておれ♪」

  お姫様は・・受付に夫を返してもらうためにお金を払いに行きました。

  
  ・・霧丹歩のオリの前・・

  受付たちは夫を霧丹歩のエサにするために・・オリに入れましたが・・霧丹歩は食べようとしませんでした。

若い衆A 「どうした霧丹歩!おなかが空いてるんだろう!はやくお食べ♪」

夫 「ひい~!」

霧丹歩 「ぐるる・・。(こんなまずそうなもの食えるか。)」

夫 「ダレか助けてー!」

  その時!

お姫様 「そなたたち!なにをしておる!」

受付 「ん?あんたはたしか?コイツ(夫)を一文で売った女だな・・なんか用かい?」

お姫様 「なんか用?ではありませぬ!ほれ、二文持ってまいりました・・。その者(夫)の縄を解き早く折りから出しなさい!(怒)」

受付 「ああん?お嬢さん・・この男(夫)はワシが買ったんだ。返す必要は無いはずだ・・(ニヤ)」

お姫様 「なんと!わらわの言うコトが聞けぬと言うのですか!無礼者!」

受付 「うるせえお嬢さんだ!者共出て来い!(怒)」

  そして、数人の若い衆が現れました。

  ・・そして。

縛られたお姫様 「わらわにこんなコトをしたらどうなるか・・知っておるだろうな?」

受付 「あ~ん?どうなるんだい?(笑)」

縛られたお姫様 「わらわは土佐藩主山内家の姫なのじゃ。」

受付 「 !! なんと!」

縛られたお姫様 「今すぐ・・コレ(縄)を解くのじゃ・・。」

受付 「・・・。(ちっ、こうなってしまったらどっちみちワシは重罪じゃ・・。仕方無い・・。)」

  受付はお姫様を引きずり・・霧丹歩のオリに入れようとしました。

お姫様 「そなた!何をする!(怒)」

受付 「これで・・証拠は残らん・・。」

お姫様 「ダレか助けて~!」

  その時!

びしゃご 「大将!ココです!」

  びしゃごが城から大将を連れて来ました。

大将 「コイツラが・・。」

受付 「なんだ!テメエ(大将)は!」

大将 「どうやら力づくでしか無理のようだな・・。」

受付 「者共!コイツ(大将)をやっちまえ!」

  若い衆数名が大将にかかって行きました・・が!

大将 「海の男をなめてかかってくるんじゃねえぞ・・。」

倒された若い衆全員 「すいません!全てあの男(受付)が悪いんです!」

びしゃご 「あれ?あの男(受付)がいません・・?」

大将 「どっかに逃げたんだろう・・。」

  大将はお姫様に近づきました・・。

大将 「お嬢さん・・お怪我はないかい?」

恋に落ちたお姫様 「ポっ・・いえ、あなた様のおかげで・・。(恥)」

  そして・・。夫をオリの中から救出しました。

びしゃご 「あなた・・体は大丈夫?」

夫 「ああ・・ワシがにらんだらアイツ(霧丹歩)がビビッての~(笑)」

びしゃご 「そうなんですか!?」

霧丹歩 「ぐるる・・。(・・・。)」


  そして・・。びしゃご達は高知城の呼ばれました。

  ・・・高知城内・・・

家老 「おぬし達・・特にそなた(大将)には・・なんとお礼を言ったらよいか・・。」

大将 「勿体無いお言葉・・。」

家老 「うむ・・。室戸の庄屋殿から聞いたが・・室戸での鯨漁・・我ら(土佐藩)も協力したい。」

びしゃごたち 「本当ですか!」

家老 「我藩も新たな財源は欲しい・・。そなたら紀州での鯨漁のノウハウを土佐藩で存分に発揮してくれ!」

びしゃごたち 「ははー!」

家老 「鯨漁の頭領には・・そなた(大将)を命ずる!」

大将 「ははー!」

  そして・・高知城外へ・・。

夫 「大将!良かったですね!」

大将 「ああ。・・・ん?」

  外ではお姫様が待っていました。

お姫様 「あなたさま・・。(恥)」

夫 「お姫様・・ワシを見送りに来たんですか?・・お姫様、やっぱりワシには嫁がおるんでお姫様とは・・・でも、どうしてもって言うんやったら♪」

お姫様 「邪魔じゃ!どけい!(怒)」

夫 「へ?」

  お姫さまは大将のもとへ・・。

お姫様 「わらわは本当の恋に落ちもうした・・。どうかわらわとお付き合いを♪」

大将 「お姫様・・ワシらのこれからの仕事は命がけです。他の男をあたってくだされ・・。」

お姫さま 「そっ、そんな!」

大将 「お姫様とは住む世界が違うんでな・・息災で。みんないくぞ!」

紀州からの漁師達 「へい!」

お姫様 「無礼な・・。」

家臣A 「・・・。」

びしゃご 「では、お姫さま息災で・・。」

  びしゃごたちは・・室戸岬へ帰路につきました。

たたずむお姫様 「・・・。」

家臣A 「姫様・・そろそろ中へ。」

お姫様 「はっ、はい・・。」

家臣A 「どうされました?」

お姫様 「そなたに聞きたい事がある。」

家臣A 「なんでございましょう。」

お姫様 「鯨漁というモノはそんなに危険なモノなのか?」

家臣A 「詳しくは分かりませぬが・・死ぬ者もおると聞きます。」

お姫様 「なんと・・。」

家臣A 「・・・お姫様、お言葉ですが・・金輪際、あの様な者共(びしゃごたち)と関らないでくだされ。今回の闘犬もそうですが・・。家老様も言われておりました。」

お姫様 「なぜじゃ?」

家臣A 「我らとあの物共(びしゃごたち)では住む世界が違います。彼らは命をかけ・・畑を耕し、漁にでます。人のよってはしたく無い仕事もしてるでしょう。そして彼らからの税で我らは苦も無く給料を頂き、彼らより美味しいものを食べ、良い服をきれます・・それ故に我らも必死なのです。あの者共と深く関れば・・情も移りましょう。まして、お姫様は藩主の娘でございます。万が一でも何かあれば・・。」

お姫様 「・・・。」

家臣A 「あの者(大将)はそれを考えて、お姫様に冷たい言葉を言ったのでしょう・・。」

お姫様 「さようか・・。室戸の鯨漁が上手くいくと良いな・・。」


(それ以降・・室戸の鯨漁は紀州の鯨漁法を真似て発展し・・日本有数の鯨漁の漁場として江戸時代から現在まで受け継がれています・・。)

(宣伝)びしゃごは『muroto☆soul☆のブログ』で50話(日の本一美女決定戦!)まで継続中!

2009年01月12日(月)

びしゃご  38  室戸荘

 ・・・霧丹歩のオリの中・・・

霧丹歩 「ぐるる・・。(ニヤ♪エサだ♪・・でも不味そうだな~・・。)」

  霧丹歩は夫に近づきました。

夫 「ひい~!死にたくない!コイツ(イヌ)のエサになりたくない!誰か助けてくれー!」

  その時!

びしゃご 「あなた!」

  びしゃごが霧丹歩と夫の入ってるオリのトコロにやってきました。

夫 「びしゃご!助けてくれ!」

びしゃご 「あなた!すぐにココを開けます。」

  びしゃごはオリを開けて・・夫を助けました。

夫 「びしゃご・・すまん。助かった・・。」

びしゃご 「あなた、怪我はないですか?」

夫 「ああ、大丈夫や。」

  その時、受付(カシラ)と若い衆Aがびしゃごと夫の元へ・・。

若い衆A 「おいおい!一文(夫)!何、逃げてんだ!(怒)」

夫 「ふっ、ふざけるなぜよ!なんでオレがこんなバカ犬のエサにならんとイカンぜよ!(怒)」

びしゃご 「 ! あなたをエサに!?」

若い衆A 「お?ねえさん・・コイツ(夫)の嫁かい?」

びしゃご 「はい・・。」

若い衆A 「へえ~♪イイ女だね~(ニヤリ)」

  若い衆Aはびしゃごのアゴに手をやりました。

びしゃご 「さわらないでください・・。」

若い衆A 「ねえちゃんよ~。この男(夫)はワシらが一文で買ったんだ。この男は返して欲しかったら・・一文をよこしな・・。」

びしゃご 「そんな・・お金なんて持ってません・・」

若い衆A 「それなら・・この男をほっといて帰りな。だけど、どうしても返して欲しかったら・・ニヤ。」

  若い衆Aは不気味な笑みをうかべました・・。

びしゃご 「・・分かりました・・。夫のためです・・。」

夫 「びしゃご!!」

若い衆A 「おっと!アンタ(夫)は黙ってな!・・それなら話が早い・・着いて来い・・。(ニヤ)」

  受付と若い衆Aは・・びしゃごを連れて行こうとした・・その時!

夫 「待て!おまんら!びしゃごはワシの一番大事な宝もんじゃ・・。ワシが犬のエサになればええんやろ・・。」

びしゃご 「あなた・・!」

受付 「やっと、やる気になったか・・おい!コイツをオリに入れろ!・・手足も縛っとけ!」

若い衆A 「へい!」

  若い衆Aは夫の手足を縛りました。

夫 「びしゃご・・いろいろと今まで貧乏で迷惑をかけたのう・・今までのコトは謝るわ・・。」

びしゃご 「あなた!・・ワタシはどうなってもいいですから!(涙)」

縛られた夫 「ホントか!? ・・じゃあ♪♪」

夫をオリに蹴り入れる若い衆A 「どっこらしょ。」

  夫は手足を縛られ、霧丹歩のオリに入れられました。  また次回。

この物語はほとんどフィクションです

2008年10月13日(月)

びしゃご 37   室戸荘


    ・・闘犬場の受付・・

びしゃご 「二人(夫とお姫様)を見失ったわ・・。ひょっとしてこの中かも・・。」

受付 「へい!いらっしゃい!そこのベッピンさん!どうだい?お犬ちゃんの暴れるところ見たくないかい♪」

びしゃご 「あの~、すいません、少し前にココにお姫様のような女の人と、ぐ~たらそうな男の人は来なかったですか?」

受付 「 ! ・・知らないな~。ココには来てないね~。」

びしゃご 「そうですか・・ありがとうございます。その男の人はワタシの夫なんです・・。」

受付 「・・・。早く見つかるといいね。」

びしゃご 「はい・・。」

   びしゃごは何処へ・・。

受付 「おい!」

若い衆C 「へい!カシラ!」

受付 「・・早くアイツ(若い衆A)に行動を起こさせろ・・。」

若い衆C 「へい・・。」


   ・・・闘犬場の裏方・・・

若い衆A 「分かった・・お前はもう表に戻ってろ。」

若い衆C 「ああ・・、任せたぞ・・。」

   若い衆Cは表に行きました。

夫 「あにさん!(若い衆A)いったい何を話されてたんですかい?」

若い衆A 「フフ・・お前には関係ないよ・・。(ニヤ)」

夫 「はい!」

若い衆A 「ところで、一文(夫)よ・・ココから出たいかい?」

夫 「はい・・ワシにはヨメがいます・・すぐにでも、ヨメの元に帰りたいです・・。」

若い衆A 「そうか・・なら出してやろうか?」

夫 「え!いいんですか♪それではさっそく♪」

  その時、若い衆数人が夫を押さえつけました。

夫 「おまんら!何するんじゃい!?(怒)」

若い衆A 「条件付きだ!そこのオリの霧丹歩のエサにお前がなれば・・外に出してやる!」

夫 「はあ~?おまん正気かい?なんでワシが犬のエサにならんといかんぜよ!」

若い衆A 「おまえ知らんのか?闘犬は生きてるものしか食べないように調教されてるんだよ・・。」

夫 「ちょっ、ちょっと待たんかい!なにもワシを入れんでも、他の畜生を入れればいいやないかい!」

若い衆B 「ばかやろー!おめえより他の畜生のほうが尊いんだよ!(怒)」

若い衆A 「そういうことだ・・一文よ、諦めろ!」

夫 「そんな~(涙)」

   夫は霧丹歩のオリに連れて行かれました。

若い衆A 「みんな気をつけろよ・・。コイツを入れたらすぐに閉めるんだ。分かったな?」

若い衆たち 「へい!」

夫 「ひいい~~。」

若い衆たち 「いち、にの、さん!」

   夫は飢えた霧丹歩のオリに入れられました。

若い衆A 「これで「霧丹歩」の腹はふくれ・・「土佐鰹」が喰われることは無いやろう・・。おめえら行くぞ!」

若い衆たち 「へい!」

夫 「イタタ、ワシをこんなオリにぶちこみやがって・・覚えてろよ!」

  その時、犬影が・・。

やる気になった夫 「こりゃー!闘犬ゆうてもただの犬コロやろうが!ぎゃふんと言わせたる!(怒)」

霧丹歩 「ぐるる・・。」

  夫の前に10尺(3メートル)40貫(150キロ)の霧丹歩が現れました。

やる気が無くなった夫 「ヒイイ~~!でかい!これが犬なんかい?まるで虎ぜよ!(驚愕) だれか助けてくれ~~。」  

 また次回。

この物語はほとんどフィクションです

2008年10月07日(火)

びしゃご 36  室戸荘


  ・・・闘犬場の裏方・・・

若い衆A 「おい!一文(夫)!コッチ来い・・。」

夫 「一文って、ひょっとして・・ワシですかい?」

若い衆A 「あたりめえだ!「オレがおめえにココ(闘犬場)のしきたりを教えてやらあ。」

夫 「はい・・(涙)」

若い衆A  「まずは、上のモンの命令は絶対だ!分かったか!」

夫 「はい・・(涙)」

若い衆A  「もし歯向かったら、裸で闘犬の標的になってもらう・・。それと・・ココから逃げようとしても同じだ!そういや去年、おめえみたいなヤツがココを逃げようとして、体中を闘犬に噛まれて・・体中が歯形の跡になった馬鹿がいたな~(笑)」

夫 「そんな~・・。」

若い衆B 「おい!霧丹歩が来たぞ!」

若い衆A 「そうか!一文(夫)!おめえはココで待っていろ!」

夫 「はい・・。」

   若い衆たちは霧丹歩のところに行きました。

  ・・・闘犬場の裏口・・・

受付 「こっ、これが秋田犬大横綱ですか・・。すごいでかいですな・・。10尺(3メートル)はあるんでは・・?」

霧丹歩の飼い主  「まあ、・・コイツは最強ですわ!わが秋田藩の宝ですわ!10尺に体重は40貫(150キロ)・・今日の土佐鰹との戦いが楽しみですの~(笑) ちなみに5日間の間は水しか飲ましておりません。」

受付 「・・・では、結びの一番までわしらが預かりましょう・・。」

霧丹歩の飼い主  「うむ、たのんますわ!」

  霧丹歩の飼い主はオリに入れた霧丹歩を預けて何処かへ・・。

若い衆A  「カシラ・・コイツが霧丹歩?」

霧丹歩(犬) 「ぐるる・・。」

受付 「そうじゃ・・こんなヤツにワシの大事な土佐鰹を戦わしたら・・骨も残らんぞ・・。」

若い衆たち 「・・・。」

受付 「まさか・・こんな化物が相手だったとは・・(涙)」

若い衆A 「カシラ・・アッシにイイ考えがあります・・。」

受付 「なんじゃ・・?」

若い衆A 「ヒソヒソ・・。」

受付 「なんやとー!おまん!正気か!?」

若い衆A  「カシラ・・キレイごとはやめてくだせえ。ワシらの大事な土佐鰹と・・あの男・・どっちが大事ですかい?」

受付 「・・・証拠は残すなよ。」   また次回。

この物語はほとんどフィクションです

2008年09月30日(火)

びしゃご 35  室戸荘

  ・・・高知城下町の広場(闘犬会場)・・・

  土佐犬会場では優しそうな受付が客呼びをしてました。

受付 「へい!みなさん!どうですかい!土佐中から腕自慢のお犬ちゃんが集っているよ!しかも!今日は土佐犬大横綱の「土佐鰹(とさかつお)」も出るよ!!そこのお嬢さん!入場料は二人でたったの一文だよ!」

お姫様 「あなた様♪ココであります♪あなた様・・わらわはお金など持ってない・・あなた様、一文を貸してくださりませんか?」

(注:江戸時代では一文は1両の4千分の1です。)

夫 「・・・。」

お姫様 「あなた様?」

夫 「お姫さん!ワシは金なんて一文も持ってないぜよ・・。」

お姫様 「大人なのに「一文」も持ってないんですか!?」

夫 「はい・・大人なのに「一文」も持ってないぜよ・・。」

お姫様 「弱りました・・せっかく来たのに。それに今日は大一番の横綱対決!土佐犬大横綱「土佐鰹」と秋田犬大横綱「霧丹歩(きりたんぽ)」戦があるのです!!(興奮)」

夫 「はあ~。そうですか・・。」

お姫様 「 ! あなた様名案が・・あなた様はここで一文分働きなさい・・。これは命令です。」

夫 「え~、そんな~。」

お姫様 「一文分の労働ですからたいしたことないですよ♪」

   お姫様は受付に相談しに行きました。

受付 「お嬢さん・・この男を一文でココで働かせてくれだって?」

お姫様 「わらわからの頼みじゃ。わらわはどうしても「土佐鰹」VS「霧丹歩」が見たいのです・・。」

受付 「よし!気に入った!お嬢さんの闘犬への熱い想いは伝わったよ・・。ただし、この男(夫)がどうなっても構わんのだね?」

お姫様 「はい。」

夫 「そんな~・・。」

受付 「では、お嬢さんは入りな。」

お姫様 「では、あなた様、いって来ます。しっかり仕事をするのですよ♪」

夫 「はあ~・・。」

  お姫様は嬉しそうに闘犬会場に入って行きました。

夫 「ワシも見たかったのにな~・・。」

人柄が変わった受付 「おい!なにボサっとしてやがる!テメエ(夫)はコッチだ!(怒)」

夫 「はっ、はい!」

受付 「オレがテメエ(夫)のようなグズを一文で買ってやったんだ・・。恨むんならお前を売ったあのオンナを恨むんだな・・(ニヤり)」

  受付は夫を一文で買ったと勘違いしてました。

夫 「ヒイイ~~。」

受付 「オラ!お前たち!」

  受付に呼ばれて闘犬従事の恐そうな若い衆が数人来ました。

若い衆A 「へい!カシラ(受付)なに用ですかい!?」

受付 「コイツ(夫)をお前たちが、煮るなる喰うなり好きにしな!」

若い衆たち 「へい!」

   夫は闘犬会場の裏方に連れて行かれました。  また次回。

この物語はほとんどフィクションです

2008年09月23日(火)

びしゃご 34   室戸荘

  
   料理屋の主人が夫たちの部屋に樽ごとの酒を持ってきました

料理屋の主人 「おまたせさまです。殿方さま、お姫様。」

夫 「お♪悪いの~♪・・・こんなオチョコで飲むのは面倒じゃ・・。コレで飲むわい。」

  夫は空けた刺身の皿に酒を注ぎました。

料理屋の主人 「!! 殿方さま!その皿は「伊万里焼」の最高級品です!」

夫 「伊万里?なんじゃそりゃ?皿はなんでも使えれな~一緒じゃい!」

料理屋の主人 「・・・。(割ったら弁償していただこう)」

お姫様 「・・・さすがはあなた様。」

料理屋の主人 「ところで・・殿方さま。本店を以後・・ひいきしてくだれませぬか?」

夫 「そんなこと言われても・・無理じゃ。」

料理屋の主人 「ワタクシも上常識を知っております。これ・・パンパン(手を叩く音)」

  運び人が部屋にハコを持って入ってきました。そして夫の前に置きました。

夫 「なんじゃこりゃ?」

   料理屋の主人は夫に近づき・・耳元に口を・・。

料理屋の主人 「この中には・・キノコが入っております。名前は「ムラムラダケ」漢方薬でございます。効能はヒソヒソ・・。」

夫 「フフフ・・さようか・・。気に入った!喜んで頂こう!おぬしも悪よの~♪」

料理屋の主人 「いえいえ。」

お姫様 「あなた様。何を頂いたのでしょう?」

夫 「いや、あの、まんじゅうじゃ!」

お姫様 「まあ、あなた様・・まんじゅうくらいでそんなに喜ぶなんて・・可愛らしい♪あなた様、そろそろ出ません?」

夫 「そうじゃの~・・出ようかの~・・。」

お姫様 「では、主人、ココのお代は後ほど城に・・。」

料理屋の主人 「はい。」

   夫たちは店を出ました。

お姫様 「今日は闘犬の日なのです♪わらわは犬は見るのも食べるのも好き♪今から見に行くぞよ♪」

夫 「うい~、酔っ払ったぜよ・・。闘犬か~おもしろそうじゃの~お姫さん行きましょう!」

   二人は闘犬の会場へ・・。

跡をつけてたびしゃご 「あの人ったら・・あんな高そうなお店でご飯を食べるなんてうらやましい!(怒)・・それに、あんなに鼻の下を伸ばして!許さないわ!(怒)」

  びしゃごは二人の跡を追いました・・。   また次回。

この物語はほとんどフィクションです

2008年08月05日(火)

びしゃご (33)  室戸荘

   夫とお姫様が部屋に入ってしばらくして・・

運び人 「しつれいします。お料理をお持ちしました。まずは、お刺身をお持ちしました。」

お姫様 「・・お刺身ですか。カツオとシマアジとタイですね?」

運び人 「さすがは、お姫様!目が肥えておいでで♪最高の魚を用意しましたので、どうぞ♪」

夫 「こりゃ~、まっこと!うまそうぜよ♪ヨダレが飛び出そうぜよ♪運び人さん!こんなうまそうな喰いモン見たら・・ワシは酒が飲みたくなったぜよ!」

運び人 「酒ですか?」

夫 「そりゃ~、おまん!ウマイ喰いモンには酒がないとツマランやろ~が?」

運び人 「はあ~・・ではすぐにお持ちします。」

夫 「すぐやで!」

お姫様 「うふふ・・わらわも頂こうかの~♪」


   運び人は酒を持って来るために、部屋を出ました。

料理屋の主人 「どうだった?どんな身分のお方か分かったか?」

運び人 「いえ・・昼間から、酒を持って来い。と言われたので・・今から「土佐鶴」を持っていくところですが・・。」
(注:「土佐鶴」とは、高知県を代表するお酒です。「司牡丹」も美味しいです♪)

料理屋の主人 「昼間から酒~?よし!今度はワタシが運ぼう・・ちょっと探ってみるわ。」

   しばらくして、夫とお姫様のいる部屋に、料理屋の主人が酒を持って来ました。

料理屋の主人 「失礼いたします。殿方様!お姫様!お酒をお持ちしました。」

お姫様 「うむ、くるしゅうない。」

料理屋の主人 「あの~お言葉ですが?」

お姫様 「なんじゃ?」

料理屋の主人 「いえ、お姫様にでは無く・・殿方さまに・・。」

夫 「なんじゃ?ワシにかい?」

料理屋の主人 「はい。殿方様はどちらの藩からいらっしゃったのでしょうか?それと、最近の土佐藩の塩の価格の高騰はどのようにお考えでしょうか?差し支えなければお聞かせください?」

酒を飲んでる夫 「知らん。」

料理屋の主人 「はい?」

酒を飲んでる夫 「そんなことより!酒が足りんわい!こんな小さいトックリやなくて、樽で持ってこんかい!」

お姫様 「まあ、あなた様。イイ飲みっぷり♪主人・・早くお酒を持って来なさい。」

料理屋の主人 「はっ、はい!失礼いたしました!すぐに樽でお持ちします!」

   料理屋の主人は急いで部屋を出て樽酒を用意しに行きました・

運び人 「樽なんか持ってどうしたんですか?」

料理屋の主人 「酒が足りんそうで、樽ごと持って来いと言われたのじゃ!かなりご立腹じゃ。」

運び人 「そうですか・・。で?どういう身分の方で?」

料理屋の主人 「知らん。だが、なんといか・・すごい迫力のかたじゃ~。今までウチの客におらん感じの方や・・!」

運び人 「そうですか・・では、アレを用意しますか?」

料理屋の主人 「あの・・特別なお客様にだけ渡す「アノ特別なお土産」をか・・・そうだな。損はないかもしれん・・。」

  また次回。

この物語はほとんどフイクションです

 

2008年07月23日(水)

びしゃご (32)  室戸荘

お姫様 「どうじゃ?わらわの目に狂いは無いじゃろう?」

夫 「・・・。」

お姫様 「さて・・今からわらわと土佐の町に遊びにゆくぞ・・。」

びしゃご 「お言葉ですが・・。」

お姫様 「そちはまだおったのか!はよ去れい!・・・あなた様(夫)、わらわの言うことを聞かねばココで大声で叫びますよ。そうしたら、あなたたち二人がどうなるかお分かりでしょう・・。(ニヤリ)」

夫 「!」

びしゃご 「!」

お姫様 「ふふふ・・。」

夫 「くっ・・びしゃご・・仕方がないココはお姫様の言う通りにするしかないぜよ・・。」

びしゃご 「あなた・・!」

お姫様 「さあ!行きますよ!」

夫 「はい。」

びしゃご 「あなたー!」

     お姫様は夫を連れて、高知の城下町へ・・。

お姫様 「あなた様・・わらわは御腹が空いてきました・・ソコの料亭で中食をしましょう。」

夫 「はい。ですが、お姫様・・ワシはカネなんて持ってないぜよ・・。」

お姫様 「ふふふ・・。わらわが出してあげます♪」

   夫とお姫様は、高級料亭に入りました。

料理屋の主人 「いらっしゃいませ。これはこれは、お姫様。今日は下人とお忍びでウチに食事にいらっしゃったのですね?今日は飛びっきりの美味しい料理を用意させていただきます・・。」

お姫様 「この者は下人などではない。わらわの愛人じゃ・・ふふ。」

料理屋の主人 「 ! そうでしたか・・。ではいい部屋を用意してますどうぞ。」

お姫様 「くるしゅうない。」

  料理屋の主人はお姫様と夫を部屋に案内しました。

料理屋の主人 「では・・ごゆるりと・・。」

  料理屋の主人は部屋を出ました。その時、運び人が話しかけてきました。

運び人 「主人・・あの小汚い男をウチの店に入れたらウチの品格が疑われますが・・。」

料理屋の主人 「しっ・・あの小汚く、だらしなさそうなオトコはお姫様の愛人らしい・・。」

運び人 「 ! なんですと・・では、相当身分が高いお方・・!?」

料理屋の主人 「うむ・・間違いない・・失礼のないように最高の料理と最高のおもてなしをするのじゃ・・。」

運び人 「はい!・・・しかし人は見かけによらないものだな~・・。」

  高級料理屋はお姫様と夫にごちそうを作りだしました。  また次回。

この物語はほとんどフィクションです

2008年07月21日(月)

びしゃご (31)

   虚無僧の正体は、少し前にびしゃごたちの前を通ったお姫様でした。

びしゃご 「あの~・・お姫さまですよね?なんで、ココにそんな格好でおるんですか・・?」

お姫様 「ふん!そちのような・・小汚い者に用はない・・。」

ムッとしたびしゃご 「 ! 小汚い!?」

お姫様 「そちは、はよ去れい!目障りじゃ!わらわが・・この格好でココに来たのは・・このおかたに会うためなのじゃ・・ポ。」

びしゃご 「このおかた?」

   お姫様はジーっと夫のほうを、顔を赤くし、嬉しそうに見つめていました。

夫 「えっ・・あの~ワシに何かようですかい?」

お姫様 「わらわは・・そなた様を好いております・・わらわがこんな気持ちになるのは初めてじゃ・・t。」

急にまじめに応える夫 「いや、急にそんなコトを言われましても・・。お姫様とワシは身分が違いますし~それにワシ~となりのこの者がワシの嫁のびしゃごです・・。」

お姫様 「なんと!こんな女が!」

   お姫様はムッとした顔で、びしゃごをにらみました。

びしゃご 「そういうコトです・・(ニヤリ)ワタシとこのひとは夫婦なんです・・。」

お姫様 「むむむ・・。」

夫 「あの~お姫様・・なんでワシなんかを気に入ったんですかい?会ったばかりやし?」

お姫様 「・・いいでしょう。お答えしましょう。」

  お姫様は神妙な面持ちで答えました。

お姫様 「わらわは土佐藩主の娘です。わらわの周りには幼少の頃から、『家柄』が良く、『容姿』も良く、『頭』も良く、『才能』もあり、『性格』も良い人たちばかりに育てられ、接してきました・・。」

夫 「は~それはなんとなく分かりますが・・それでなんでワシのコトを・・?」

お姫様 「まだ、話に続きがありまする・・このままいけば、わらわはどこかの藩主の息子か家老の息子と婚儀をされるでしょう・・つまり一流の家柄の方と・・。」

夫 「は~それもなんとなく分かりますが・・。」

お姫様 「・・・まだ、分からないのですか・・?」

夫 「はい。」

お姫様 「やはり・・・今日、いや、この2、3日わらわは土佐の町を見て周りました。それでも、あなた様ほど、ぐ~たらそうで、だらしない格好で、何も考えてなさそうで、幸薄そうな人を見つけるコトが出来ませんでした・・おそらく日本中探したとしても・・。」

夫 「はあ~。」

お姫様 「ようするに・・わらわは、優れた男は嫌いなのじゃ・・あなた様のような、ぐ~たらでどうしようもなく、救いがたい男がわらわの好みなのじゃ・・なんというか・・守ってやりたいというか・・。」

びっくりした夫 「 !!! 」   また次回。

この物語はほとんどフィクションです


2008年07月07日(月)

びしゃご (30) 室戸荘

侍A  「おまえら!どけーい!姫様のお通りじゃ!」

びしゃご 「はい!すいません!」

びしゃごたちの方を見つめる姫 「・・。」

  侍数人と姫様がびしゃごたちの横を通り過ぎました。

漁師A 「ほう~、あれが土佐の姫様か・・まだ若いが、カワイらしかったの~ニヤリ(微笑)」

紀州からの漁師達(3名) 「はっはっは!おぬしなど相手にもされぬわ!(笑)」

漁師A 「うるさいわい!(怒)」

   しばらくして、庄屋が来ました。

庄屋 「おまたせさん!家老殿もクジラ漁のハナシに興味をしめしての~すぐにでも会ってくれるそうじゃ!」

びしゃご 「良かったですね♪大将さん♪」

大将 「ああ・・。」

庄屋 「では、城の中に参ろうか?びしゃごさんと旦那さんは、ココでしばし待たれよ。」

びしゃごと夫 「はい。」

    びしゃごと夫以外の人達は城門をくぐり中に入って行きました。

びしゃご 「・・・あなた、うまくいくと良いですね。」

夫 「ああ・・びしゃご、ココで立って待つのもアレやき・・あそこの木の下で待とう。」

  びしゃごと夫は松ノ木の日陰へ・・。

びしゃご 「こうして、あなたと二人っきりになるのは久しぶりですね・・。」

夫 「ああ・・びしゃご・・紀州におる時も、ずっとおまんに会いたかった・・。」

びしゃご 「あなた・・。」

   その時!一人の虚無僧がびしゃごたちの前に立ち笛を吹き出しました。

虚無僧 「ピー!ピー!ピー!」

夫 「なんじゃい!おまんは!人の邪魔をするなっちゃ!」

   虚無僧は夫の威勢に少しとまどいましたが、すぐにマスクをはずしました。(すいません。虚無僧のかぶってるモノの名前が分からずに、ココではマスクにさせていただきました・・。)

夫 「 !! 」

びしゃご 「あなたは!」  また次回。

この物語はほとんどフィクションです

びしゃご (30) 室戸荘

侍A  「おまえら!どけーい!姫様のお通りじゃ!」

びしゃご 「はい!すいません!」

びしゃごたちの方を見つめる姫 「・・。」

  侍数人と姫様がびしゃごたちの横を通り過ぎました。

漁師A 「ほう~、あれが土佐の姫様か・・まだ若いが、カワイらしかったの~ニヤリ(微笑)」

紀州からの漁師達(3名) 「はっはっは!おぬしなど相手にもされぬわ!(笑)」

漁師A 「うるさいわい!(怒)」

   しばらくして、庄屋が来ました。

庄屋 「おまたせさん!家老殿もクジラ漁のハナシに興味をしめしての~すぐにでも会ってくれるそうじゃ!」

びしゃご 「良かったですね♪大将さん♪」

大将 「ああ・・。」

庄屋 「では、城の中に参ろうか?びしゃごさんと旦那さんは、ココでしばし待たれよ。」

びしゃごと夫 「はい。」

    びしゃごと夫以外の人達は城門をくぐり中に入って行きました。

びしゃご 「・・・あなた、うまくいくと良いですね。」

夫 「ああ・・びしゃご、ココで立って待つのもアレやき・・あそこの木の下で待とう。」

  びしゃごと夫は松ノ木の日陰へ・・。

びしゃご 「こうして、あなたと二人っきりになるのは久しぶりですね・・。」

夫 「ああ・・びしゃご・・紀州におる時も、ずっとおまんに会いたかった・・。」

びしゃご 「あなた・・。」

   その時!一人の虚無僧がびしゃごたちの前に立ち笛を吹き出しました。

虚無僧 「ピー!ピー!ピー!」

夫 「なんじゃい!おまんは!人の邪魔をするなっちゃ!」

   虚無僧は夫の威勢に少しとまどいましたが、すぐにマスクをはずしました。(すいません。虚無僧のかぶってるモノの名前が分からずに、ココではマスクにさせていただきました・・。)

夫 「 !! 」

びしゃご 「あなたは!」  また次回。

この物語はほとんどフィクションです

2008年07月02日(水)

びしゃご (29) 室戸荘

   びしゃごたちは高知城に向かうため、吉良川の城下町を通りました。


庄屋 「貧しい室戸でもココは、にぎやかじゃな~。」

   びしゃごたちがよろず屋の前を通ったとき。

よろずや 「庄屋さん!お茶でもどうだい!」

庄屋 「そうじゃな・・みなさん、ちょっと一休みでも・・?」

夫 「庄屋さん・・ワシはカネ持ってないぜよ・・。」

びしゃご 「わたしも・・。」

大将 「ワシも。」

紀州からの漁師たち 「ワシらも!」

漁師A 「ワシもじゃ!」

庄屋 「うっ・・しかたない・・お茶を八つ頼む。」

びしゃごたち 「やったー!」

よろず屋 「まいどあり!」

   しばらくして・・お茶とまんじゅうが出てきました。

よろず屋 「はい!おまち!」

庄屋 「ありがとさん♪ほ~う、羽根町の「お倉まんじゅう」か、ワシはこれが大好物じゃ♪うん、うまい!」

  注:「お倉まんじゅう」は室戸市羽根町の名物です。非常においしいです♪

びしゃご 「はじめて食べましたが・・美味しいですね♪」

紀州からの漁師たち 「久しぶりに甘いものをたべたわい♪」

庄屋 「みなさん、そろそろ行きますよ。ではコレは勘定じゃ。ごちそうさん。」

よろず屋 「ありがとうございます♪」


  びしゃごたちは翌日に高知城に着きました。

夫 「始めて見るが・・でっかい城じゃの~。」

庄屋 「では・・ワシは家老さまに会える様に話てくるから、みなさんココでしばらく待たれよ。」

  庄屋は受付に行きました。しばらくして・・城下町の方から数人のお侍さんが来ました。

  また次回。

この物語はほとんどフィクションです


2008年06月16日(月)

びしゃご (28)  室戸荘

  
  びしゃごたちが「庄屋の家」についた時、家の中では、庄屋が独り言を・・。

庄屋 「はぁ~(タメ息)本当にこの村は貧しいの~・・まあ、土佐自体が貧しい土地やき仕方ないか・・はぁ~(タメ息)」

  その時、びしゃごたちが家の中に・・。

役人AB  「庄屋どの~失礼します。」

庄屋 「これは、お役人さん。どうかしました?」

役人A 「じつは・・。」

   役人は紀州からの漁師たちが室戸に来た理由を、庄屋に話しました。

びっくりした庄屋 「なーんと・・!・・それはまことか?お役人さん。」

役人B 「はい。びしゃごさんが、この者どもを、土佐でクジラ漁をさせるべき・・・と言うのでとりあえず庄屋殿のもとに・・。」

びしゃご 「どうか!おねがいします!」

庄屋 「・・・。」

夫 「ワシからもおねがいします。」

庄屋 「・・・アンタたちが、頭を下げることはないぜよ。この村・・いや、土佐にとってもウマイ話かもしれん・・。」

びしゃご 「良かった!」

庄屋 「たしかに国抜けは罪じゃが、この日本の各藩は、技術や知恵を持つ民をあちこちで引き抜いておる・・。ましてや、この貧しい土佐ではクジラ漁の知恵と技術はのどから手がでるほど、欲しいはずじゃ。」

びしゃご 「良かったですね!大将さん!」

大将 「ああ。」

庄屋 「すぐにでも、家老さまにお願いしに行こう。では、紀州からの漁師さん、ワタシに同行おねがいします。」(注:大名は参勤交代で不在のため)

大将 「はい。」

びしゃご 「あの~ワタシたちも一緒に行ってかまわんですか?」

庄屋 「別にいいぜよ。」

びしゃご 「では、おともします♪」

   びしゃごたちは土佐の高知城に向かいました。  また次回。

  この物語はほとんどフィクションです。

2008年06月03日(火)

びしゃご (27話)

  びしゃごたちは坂本につきました。

夫 「大将!ココが坂本ですよ。」

  その時、室戸の役人が来ました。

役人A 「おい!ソコの4人・・おまんら室戸じゃ見ん顔やが・・。」

役人B 「おまんら4人・・こっち来~い!」

   大将たち4人は役人に呼ばれました。

夫 「う、まずい・・大将は紀州に人やき・・バレたらやばいぜよ・・。」

漁師A 「た、大将・・どうしましょう・・?」

大将 「びしゃご殿、ワシはどうしたらいいと思う?」

びしゃご 「え?・・大将はこの室戸を・・土佐を日本一のクジラの町にするために紀州を捨て室戸にきたのですから・・堂々とするべきです!」

夫 「へ?びしゃご・・堂々ちゅうても・・国抜け重罪やぞ・・。」

びしゃご 「・・・ワタシがあのお二人(役人)を説得します。ついて来てください。」

  びしゃごたちは役人のもとに歩みました。

役人A 「お♪びしゃごちゃんもいたんか~♪」

役人B 「びしゃごさん!おはようございます!」

びしゃご 「あの~この人達は紀州から来た人たちです・・。」

役人AB 「 !! なんじゃとー!・・・びしゃごさん!よく知らせてくれた!大手柄じゃ。」

びしゃご 「あの~この人たちは・・」

   びしゃごは役人に大将たちが室戸に来たワケを話ました。

びしゃご 「これから室戸、土佐の礎(いしずえ)になる・・この人たちを影でコソコソ鯨漁をさせるのですか!!!」

役人AB 「う、・・ワシらに言われてもな~。・・よし!上の者に聞いてみよう・・。」

びしゃご 「ありがとうございます!大将さんなんとかなりそうですよ♪」

大将 「びしゃご殿・・すまんな・・。」

漁師A 「う~ん・・びしゃごさんは普段はやさしいが気の強いところもあるんじゃの~・・どうしてあんなオトコのヨメになったんやろう~?なぞじゃ・・。」

びしゃご 「ふふ、土佐ではオトコを「いごっそう」。オンナは「はちきん」って言うんですよ♪今度、説明しますね。」

役人 「では、ついてまいれ。」

  びしゃごたちは庄屋のもとにむかいました。  また次回。

  この物語はほとんどフィクションです

2008年05月22日(木)

びしゃご (26)  室戸荘

寺小屋の先生 「そちらの漁師さん・・最終解答(ファイナルアンサー)?」

漁師A 「・・最終解答(ファイナルアンサー)!」

うつむいた寺小屋の先生 「・・・・・・・。」

心配そうな漁師A 「・・先生!どうなんですか・・!?」

寺小屋の先生 「・・・・正解!!!」

漁師A  「やったー!会計係りはワシに決まりじゃ!(笑)」

   五助と六助は帰り出しました。

五助 「・・つまらん。」

六助 「時間の無駄やった・・早う帰ろ。」

  紀州からの漁師達もつぶやきました。

紀州からの漁師達 「あ~・・アイツが勝ってもおもろないな~(アクビ)」

漁師A 「おい!おまえら!・・・まあ良い・・大将!では金庫番はワシという事で♪」

大将 「いや、ちょっと待て・・びしゃご殿。ソロバンは零の答えになっておるが・・どうして答えなかったのじゃ?」

寺小屋の先生 「・・たしかに・・びしゃごはちゃんとソロバンをはじいて零になっていました。」

びしゃご 「・・・・。」

   その時、外で時間を潰していた夫が来ました。

夫 「びしゃご・・負けたのか?まあ仕方がない・・。」

びしゃご 「あなた・・すいません。」

大将 「・・・・まあ勝負だからな! オマエが金庫番で決まりじゃ。」

漁師A  「はい・・必ず一両の狂いもなく!おまかせを・・・(ニヤリ)」

夫 「では、大将たちの住む場所をこれから探すぜよ・・・坂本(村の集落の名)にでも行ってみるか!」

大将 「すまんな。」

夫 「いえいえ。困った時はお互い様やき。気にしないでください。ほれ、びしゃごも来い。」

びしゃご 「は、はい。」

    びしゃごたちは坂本へ行きました。  また次回。

この物語はほとんどフィクションです。

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2008年05月10日(土)

びしゃご<25>  室戸荘

寺小屋の先生 「では・・わたしの出す問いに答えてください。いいですな?」

びしゃごたち 「はい。」

寺小屋の先生 「五両たす三両は?」

漁師A 「八両じゃ!」 夫「・・・。」 びしゃご 「八両です。」


寺小屋先生 「お二人正解・・では・・十両たす十両は?」

漁師A  「二十両じゃ!」 夫「・・・。」 びしゃご「二十両です。」

寺小屋先生 「お二人正解・・では・・百二十四両たす五百八十九両は?」

漁師A 「・・・七百十三両。」 夫「・・・。」 びしゃご 「七百十三両です。」

寺小屋先生 「お二人正解・・では」

夫 「ちょっと待っつぜよ!ワシは今日は体調がすぐれんき、抜けさせてもらうぜよ・・。」

寺小屋先生 「はい、分かりました。では残ったお二人で続けましょう。」

   夫は席を立ちました

漁師A 「お?降参か?ははは(笑)」

夫 「・・・びしゃご、後は頼んだぞ。」

びしゃご 「・・・あなた。」

五助と六助と紀州からの漁師達 「びしゃご!頑張れ!」

びしゃご 「・・・。」

漁師A 「ク、うるさいやつらじゃ・・先生、始めてくれ!」

寺小屋先生 「では、次は難問ですよ・・39+39+39+39ー59-14-28-12-43=?」

漁師A 「むむむ・・・零じゃ・・。」

びしゃご 「・・・わかりません。」  また次回。

  この物語はほとんどフィクションです

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2008年04月28日(月)

びしゃご 『24』 室戸荘

 
夫  「大将・・気になる事って?」

大将  「あぁ・・じつは・・言いにくいんだが。」

夫  「・・なんですか?」

大将  「どこかワシらが住んでもよいトコはないかなと思ったんじゃ。」

夫  「そういう事ならワシに任せてください!明日の朝、寺小屋であのオトコを蹴散らした後で一緒に探しましょう!」

大将  「なにからなにまですまない・・。」

夫  「いえいえ!」

    そして宴は夜遅くまで続きました。そして翌朝・・。

  寺小屋に夫と漁師Aはソロバン対決に・・びしゃごと大将、五助と六助、紀州からの漁師3名がそれに付いて行きました。


寺小屋の先生 「え~・・それではそろそろ始めましょうか・・・。」

五助と六助 「がんばれよ~。」

夫 「おうよ!まかしちょき。今日はコイツの命日じゃ・・ニヤリ。」


紀州からの漁師3名 「がんばれよ~。」

漁師A 「フフフ・・こ~んなボンクラに負けるきがせんわい(笑)」

夫  「 ! このヤロウ~・・。」

   夫が漁師Aに言い返そうとした時。

びしゃご 「・・あの~わたしも参加させてもろうてもいいですか?」

大将  「別にかまわんが・・びしゃご殿はソロバンができるのか?」

びしゃご  「はい、むかしおじいちゃんに教えてもらってたんです。自信はないですけど・・久しぶりにソロバンをはじきたくなったもので・・。」

大将 「そうか、では、びしゃご殿も入るがよい。」

   びしゃごは座りソロバンをおきました。

五助と六助と紀州からの漁師3名  「びしゃごー!! 頑張れー!!」

びしゃご  「はい!頑張ります!」

大将  「では、そろそろ始めるか・・先生お願いします。」   また次回。

  この物語はほとんどフィクションです

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2008年04月14日(月)

びしゃご(23)  室戸荘

そして、その夜・・・

六助のヨメ 「びしゃごちゃん、マンボーの味噌だき作って持てきたで!」
びしゃご  「ありがとうございます!」

六助のヨメ 「ほ~~♪こりゃまた、たくさんのゴチソウやね!」
びしゃご  「はい!」
六助のヨメ 「サバの姿寿司、魚めし、猪鍋、カツオのタタキ、ナガレの塩焼き、それにワタシの持って来たマンボーの味噌だき・・・ごめんヨダレがでてきたわ♪」

農家の若い衆 「びしゃごさ~ん、酒を持ってきました~!」

六助のヨメ 「酒もキタみたいやね、そろそろ浜に運ぼうか?」
びしゃご  「はい!」

そして、浜にゴチソウと酒が運ばれ篝火も用意しました。そして、夫と大将と紀州からの漁師達と村中の人たちが歓迎会に来ました。

夫 「それじゃ~始めますか。大将!まずは挨拶をお願いします!」

大将 「あぁ、・・・みなさんこの度はこのような席を用意して頂いたことを感謝します。ワタシたちはこの室戸を日の本一のクジラの町になることを約束します!」

人々 「わー!パチパチ!」

夫 「それじゃぁ、大将!酒と室戸のゴチソウを召し上がってください!」

大将 「いただきます。・・・これはなんの肉じゃ?」
びしゃご 「それは、猪鍋です!」
大将 「うまい!びしゃごさんは料理が上手だな。」
びしゃご 「ありがとうございます!」

大将 「この貝はすごくうまいな~。」
びしゃご 「それは「ナガレコ」といいまして、この辺の海でとれるんです!美味しいでしょ!」
大将 「こんなうまい貝は食べたことがない・・・。」

大将 「この寿司も最高じゃ!この魚めしのサカナはなんじゃ?」
びしゃご 「それは非常に珍しいサカナで金目鯛です!」
大将 「この絶妙な醤油の量と塩加減に金目鯛の風味が・・なんとも言えん・・最高じゃ・・。」
びしゃご 「ありがとうございます!」

大将 「この・・・カツオを焼いたのはなんじゃ・・?・・こんな料理の仕方は知らん・・。」
びしゃご 「あ、・・それはワタシが考えた料理なんです・・。いつもはサバでやってるですが・・今日はカツオでしてみました。」
大将 「どれ・・ひとくち・・」
びしゃご 「あ、塩をかけて食べてください。」
大将 「パク、モグモグ・・・ ! ウマイ! サカナをこんなふうな料理しようと考えたとは・・びしゃごさん!これはひょっとしてスゴイひらめきかも知れんぞ・・・。」
びしゃご 「え~そんなことないです・・。」

大将 「最後にコレじゃな・・強烈な臭いがする・・。」

六助のヨメ 「それはワタシが作ったんだよ!大将!」

大将 「ウマイ!コレは酒がすすむな~・・コレはなんの肉ですか?」
六助のヨメ 「それはマンボーだよ!作り方を教えちゃろか?」
大将 「う・・・マンボー!マンボーなんて食えるのか・・。」
六助のヨメ 「あたりまえやん!ココじゃゴチソウやっちゃ!作り方はね~

① 「マンボーをぶった切り!内臓を取り出す!」

② 「内臓は肝と腸以外は畑の肥やしだよ!」

③ 「身と腸を切る!びしゃごちゃんは包丁使いゆうけど、わたしゃぁ素手で全部やりますわ!」

④ 「鍋に酒を煮きらせ!取っておいた肝をこの手ですり潰し!鍋にほりこむんだよ!」

⑤ 「そして!味噌をぶち込むのさ!そして!身と腸を鍋にいれ、火が通るまで全力でかき混ぜるんだよ!」

⑥ 「出来上がり!やっぱり・・おいしく作るには愛情ね・・・♪分かったかい?」

大将 「・・・分かりました。」

そして宴はすすみ・・・

夫 「大将!今夜は楽しいですな~♪」
大将 「あぁ、最高だ・・・だが一つ気になることが・・。」

夫 「・・・なんですか?」     また次回。

この物語はほとんどフィクションです

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2008年04月07日(月)

びしゃご【22】 室戸荘

夫  「びしゃご!この人が紀州では大変お世話になった大将や。」
びしゃご  「そうなんですか・・夫がご迷惑をおかけしました・・。」
大将  「・・い、いや、全然・・め、迷惑なんて・・そんな・・。」
夫  「この人と・・ココにおる他の人ら~が室戸で鯨漁を始めるんじゃ・・。」
びしゃご  「あなたは何をするんですか・・?」
夫  「ワシは勘定係じゃ!」
びしゃご  「あなたソロバンできました?」
夫  「じつは、ワシはの~ソロバンができるっちゃ。」
びしゃご  「知らんかったです・・。」
夫  「というわけで、大将、ワシが勘定係でかまんですよね?」
大将  「あ、あぁ・・別にいいと思うが。」

漁師A  「ちょっと待ったー!!」
夫  「なんじゃい・・?」
漁師A 「・・勘定係はワシがやろうと思っとったんや・・、だいいちコンナ田舎村の中途半端なしがない漁師のアンタがソロバンをホンマにできるんか?(微笑)」
夫  「なんやとー!そっちこそウドの大木やろ~が!」
漁師A 「フフフ・・アンタ知らんのやな~ワシは子供ん頃は「神童」って村中の人達にいわれていたくらい頭が良かったんじゃ・・。」
夫  「 ! な、なに!」
漁師A 「フフフ(微笑)」

びしゃご 「あした、寺小屋に行ってどっちがソロバン上手にはじけるか比べたらどうですか・・そうですよね大将さん?。」
大将  「あ、ああ・・・そうすれば良いと思う。」

翌日、寺小屋で夫と漁師Aとのあいだでのソロバン対決が決まりました。

夫  「勘定係はワシじゃ・・! 絶対負けんで!」
漁師A 「明日が楽しみやの~(微笑)」

びしゃご  「お二人さん!夫も帰ってきたし、みんなの歓迎もあるき、今日はゴチソウをつくりますよ。」
夫  「お~びしゃご、頼むわ!」
びしゃご  「せっかくやき、近所の人達も呼びましょう!」

びしゃごはみんなの歓迎祝いの料理を作り始めました。  また次回。

この物語はほとんどフィクションです

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2008年03月31日(月)

びしゃご 21 室戸荘

びしゃご  「あなた!お帰りなさい・・・。」
高僧  「むぅぅぅぅ・・。」

高僧はさっとムラムラダケをフトコロに隠しました。

びしゃご  「あなた、無事でなによりです!」
夫  「あぁ、ちゃんと紀州に行ってクジラの漁法を持って来たで・・。」
びしゃご  「えぇ~・・ほんの数日で~・・また冗談を~・・。」
夫  「フフフ・・本当やっちゃ。」
びしゃご  「はぁ~・・。」
高僧 「ワシはそろそろ失礼するぞ。」
びしゃご  「どうもありがとうございました。」
高僧  「うむ・・。」

高僧は家を出て、たくさんのムラムラダケを六助の家に投げ入れました。

夫  「坊さんなにしに来たんじゃ?」
びしゃご  「お坊さんがキノコを差し入れに来てくれたの。」
夫  「そうか・・それじゃ~みんなを呼ぶで~。」
びしゃご  「は?」

夫  「大将ー!みんなー!上がってください!」

夫は大将たちを呼びましたが、返事がありませんでした。

夫  「ありゃりゃ・・みんなドコに行ったが~やろ~・・?」
びしゃご  「まぁ、あなた冗談ばっかり(怒) わたしはあなたが無事に帰って来てくれたので十分です。稼ぎが良くなる方法はまた二人で考えましょう。」
夫  「ほんとに漁法を持って来たのに~・・。」
びしゃご  「・・・村のみんなからたくさん差し入れをもらったき、これでゴチソウをつくりますね♪」
夫  「そんな~・・。」

びしゃごがゴチソウをつくろうとした、その時、漁師Aと紀州からの漁師達がきました。

夫  「おまんら~ドコに行っちょったんじゃ!」
漁師A 「いや~ほんまにアンタのとなりの家の夫婦はお盛んやね~♪」
夫  「はぁ?ところで大将は?」
漁師達  「そろそろ来ますわ。」

びしゃご  「あなた、お客さんですか?」

その時、大将が来ました。

大将  「・・女の人があんなに凄まじいもんやったとは・・・。」

大将はびしゃごのカオを見ました。

大将  「!!!」      また次回。

この物語はほとんどフィクションです

(報告) 
室戸荘ホームページができましたが・・検索エンジンひっかかりません・・ですが、「muroto☆soul☆のブログ」は楽天ブログで開いてますので、ぜひぜひ見てください!


2008年03月24日(月)

びしゃご⑳   室戸荘

高僧がびしゃごに近づいた、その時。

びしゃご  「は!?・・お坊さんヨダレを垂らしてどうしたんですか。」
高僧  「・・・・びしゃごの後ろにある、アザミがあまりにウマそうだったもんでな。」

(注:あざみとは浜にはえていて、天婦羅にすると美味である。山あざみもあります、今の時期が旬である。)

びしゃご  「そうですか、はい、どうぞ!」
高僧  「うむ・・パクパク。」
びしゃご  「わたしこのキノコを食べたあとの記憶がないんです・・わたしなんか変なコトしてなかったですか・・?」
高僧  「いや、まったくしてないぞ・・おぬしキノコを食べたあと、少し眠っていただけじゃ。」
びしゃご  「そうだったんですか、よかった。」
高僧  「・・よし、ワシがムラムラダケを山から採ってきて、また料理してやろう!」
びしゃご  「えっ・・なんか悪いですよ。」
高僧  「・・・ひとの好意は受けるものじゃぞ!」
びしゃご  「すいません!」

高僧はびしゃごの家を出て急いでムラムラダケを山に採りに行きました。

高僧  「・・・キノコの食べた量が少なかったからじゃな・・もっとたくさん食べさせれば・・。」

途中・・六助の家から六助の悲鳴が聞こえました。

高僧  「・・・・。」

そして高僧は山から、たくさんのムラムラダケを採り、うれしそうにびしゃごの家に戻りました。

高僧  「これだけキノコがあれば安心じゃ・・・。」

途中・・六助の家からは悲鳴が聞こえなくなっていました。
そして、びしゃごの家に到着。

びしゃご  「まぁ、お坊さん・・そんなにたくさんキノコを・・ありがとうございます!」
高僧  「うむ・・さてキノコを料理するぞ・・。」

高僧はすぐにキノコを焼いてびしゃごに出しました。

びしゃご  「いただきます!」
高僧  「残さず食べるがよい・・。」
びしゃご  「はい。」

その時!

夫  「びしゃご!帰ったぞ!」     また次回。

この物語はほとんどフィクションです
(報告)
室戸荘ホームページが明日か明後日に立ち上げる予定です。
業者さんの作ったホームページのようにキレイではないかもしれませんが・・ヤル気と心はこもっています!
ブログでは、いろいろなコトを書いていくつもりです。
ホームページができたらまた報告します!

2008年03月17日(月)

びしゃご⑲   室戸荘

びしゃごがムラムラダケを口に入れようとした時、六助のヨメが来ました。

六助のヨメ 「ちょっと!びしゃごちゃん!」
びしゃご  「あら、六助さんの奥さん、どうしました?」
六助のヨメ 「マンボー返してもらえん、うちく食料がないき。」
びしゃご  「そうだったんですか・・すいません・・どうぞ・・。」
六助のヨメ  「びしゃごちゃんは悪くないきねぇ・・帰ったら、うちの夫をシカらんと・・。」
びしゃご  「なんか、すいません・・。」
六助のヨメ  「あら、このイモもろうてかまん?」
びしゃご  「どうぞ。」
六助のヨメ  「米もかまん?大根も?まんじゅうも?」
びしゃご  「え、・・どうぞ・・。」
六助のヨメ  「ありがとさん♪」

そして・・六助のヨメが持って来たフロシキはいっぱいに満たされ、びしゃごの食料はだいぶ減りました。

六助のヨメ  「ん~・・びしゃごちゃん、おいしそうなキノコ食べゆうやん、ワタシにも一口食べさせて!」
びしゃご  「どうぞ。」
高僧  「そ、それは・・むうぅ・・・!」
六助のヨメ  「パクパクん~・・・おいしいわ!こんなうまいキノコはじめてやわ!さて・・そろそろ帰って夫をシカらんと・・それじゃまたね~。」

六助のヨメはムラムラダケをほとんど食べて、家に帰りました。

高僧  「なんという女じゃ!」
びしゃご  「どうしました?」
高僧  「びしゃご!おぬしはハラがたたんのか!」
びしゃご 「いえ、べつに。」
高僧  「・・・・まあよい・・残ったキノコを食べるがよい・・。」
びしゃご  「あっ、はい、いただきます!」

びしゃごは残ったわずかのムラムラダケを食べました。

びしゃご  「お坊さん!このキノコすごく美味しいですよ!」
高僧  「うむ・・そうじゃろぅ・・・。」
びしゃご  「ごちそうさまでした。」
高僧  「どうじゃ・・だんだんキモチもカラダも・・・元気になってきたか・・・?」
いろっぽいびしゃご  「お坊さん・・わたし・・だんだん変な気分になってきました・・。」
高僧  「うむ・・そうじゃろう・・。」
いろっぽいびしゃご  「はぁ・・お坊さん・・。」
高僧  「わしもそろそろがまんできんぞ・・。」
いろっぽいびしゃご  「お坊さぁ~ん・・。」
高僧  「びしゃご~~・・♪♪♪。」

高僧はびしゃごのもとに歩みよりました・・・。

  また次回。  この物語はほとんどフィクションです


2008年03月12日(水)

びしゃごー登場人物編ー 室戸荘

「びしゃご」に今まで出てきた全人物を紹介します。

    土佐

(びしゃご)  ヒロイン。昔々、室戸に実在したといわれる悲劇の絶世の美女「おさご」さんがモデルです。人を疑うコトを知りません・・。

(夫)  びしゃごの亭主。ぐ~たらでサバ以外の魚を釣ったことがありません。

(大名)  土佐山内家大名。物語の重要な存在。

(側近)  大名の側近。

(五助と六助と六助のヨメ)  室戸岬の住民。

(高僧)  土佐一の高僧。びしゃごの真のカオを見て性格が変わる。

(弟子)  高僧の弟子。逃亡中・・。

(農家の若い衆)  びしゃごのファン達。

    紀州

(大将)  紀州一の羽刺(もりうち) 男前。後の室戸鯨組の創始者。

(漁師A)  大将の子分。自称紀州一の力持ち。自称大将の懐刀(ふところがたな)等など。

(紀州からの漁師達)  3名。大将の子分。

(網元の長男、次男)  大将の兄達。

(荒くれ者たち)  夫の夢にでてきた凶悪そうな人達。

(巫女)  那智大社の巫女。大将に一目惚れ・・。

   その他

(佐喜浜町の備長炭) 非常に良質。夫がびしゃごのカオにつけようとしたが、失敗した。

(マンボー)  六助がびしゃごに差し入れしたサカナ。非常に美味である。

(ムラムラダケ)  いかにも怪しいキノコ・・。

まだまだ登場人物は増える予定ですので、次回からもぜひぜひ見てください!

2008年03月10日(月)

びしゃご⑱   室戸荘

夫と大将たちが紀州をでて数日後・・

   びしゃごの家

六助  「びしゃご~♪失礼するぞ~♪」
びしゃご 「あら、六助さん。」
六助  「今日は珍しいモンを釣ったき、びしゃごに差し入れじゃ!」
びしゃご 「コレはマンボーじゃないですか!いいんですか・・。」
六助  「えいえい、気にしなや、アンタの旦那と違ってワシはサバ以外の魚も釣れますんで。覚えといてくださいな!」
びしゃご 「はい!ありがとうございます・・助かります。」
六助  「どういたしまして!またね~♪」

(注;マンボーは室戸では良く食べられる食材であり、マンボーの味噌煮込みは非常に美味である)

びしゃご 「ほんとにみんな、やさしい人で助かるわ・・・みくろ洞のお坊さんからは、たくさんキノコを頂いたし・・五助さんからはイモを頂いたし・・・六助さんからはマンボー・・・農家の若い人達からはお米を・・他の方にもいろいろ・・・。」

夫が紀州に行っているあいだに、びしゃごの家にはたくさんの食料があふれんばかりになっていました。

びしゃご  「こんなにたくさん食料があれば、しばらくのあいだは安心ね♪・・・・だけど、お坊さんから頂いたキノコの中に変な色したキノコがいくつかあるのが気になるわ・・。」

その時、高僧がびしゃごの家にきました。

びしゃご 「あ、このあいだはありがとうございます!」
高僧  「わしのこのあいだのキノコは食べたか・・?」
びしゃご  「いえ、まだです・・。」
高僧  「さようか・・しかしたくさんの数の食料じゃな・・・。」
びしゃご  「はい、みなさんが差し入れしてくださって。」
高僧  「さすがじゃな・・。」
びしゃご  「は?」
高僧  「いや、なんでもない・・。ところでびしゃごよ・・」
びしゃご  「はい。」
高僧  「ワシがこのあいだ持って来た、キノコを料理してやろう!あの中にムラムラダケというキノコがあるのじゃ・・それを食べればキモチもカラダも元気になるぞ・・。」
びしゃご  「ありがとうございます。」
高僧  「うむ・・。」

そして高僧はキノコを焼いてびしゃごに出しました。

びしゃご  「それじゃあ、お坊さんいただきます。」
高僧  「うむ、良く味わって食べるがよい・・。」   また次回。

この物語はほとんどフィクションです

2008年03月03日(月)

びしゃご⑰   室戸荘

夫  「若頭・・・どうやって室戸岬に行きましょう?」
若頭 「う~ん、ソレをワシも考えてるが・・・。」
夫  「・・・・。」
若頭 「・・・とりあえず、村に帰るか・・。」
 
夫と若頭は、地元の村に一旦帰りました。
そして浜に行き・・・

若頭 「かなり危険やけど・・舟で行く!・・コレしかないか・・・?」
夫  「は~・・二人だけで逆流の海を・・たしかにかなり危険ですね・・・。」
若頭 「・・・・。」

その時

漁師A  「若大将ーー!」
若頭 「おまえたち、どうしたんだ。」
  
漁師Aが3人の漁師を引き連れてやってきました。

漁師A 「若大将、ワシをはじめ四名、若大将にどこまでもお供します!」
若頭  「おまえたち・・・。」
漁師A 「これからは若大将や若頭やなくて、大将と呼ばして下さい!」
大将  「好きなように呼んでくれ・・。」
夫  「これだけ人がおれば室戸岬にいけるかもしれんぜよ・・。」
漁師A 「・・・おい、あんた、ワシは紀州一の力持ちってので、知れ渡ってるんやで~ワシがおれば室戸岬ゆうとこまで、おちゃのこさいさいや!」
夫  「・・・・そうですか。」
漁師A  「用意した舟があります。大将どうぞ使ってください・・・。」

大将 「おまえたちのため・・必ず室戸を土佐を日本一のクジラのまちにしてみせるで!」
漁師達  「おー!」

そして、夫と大将と漁師達は西へむかい出航しました。   また次回。
 
この物語はほとんどフィクションです

2008年02月25日(月)

びしゃご⑯   室戸荘

そして、夫と若頭は熊野の那智大社につきました。

夫  「しっかし・・たくさんの人がいますね~。」
若頭  「あぁ、これが目的なら手形なしに関所を通れるしな、旅気分で参拝するもんが最近は増えてるんや。」
夫  「そうですか。」
若頭  「あそこでお札をもらえるから、並ぼう。」

二人は社務所に並びました。そして10分ほどして・・。

しんどそうな巫女  「次のかた~。」
若頭  「お札を二枚お願いします。」
巫女  「!!・・・は、はい二枚ですね。」
若頭  「はい。」
一目惚れした巫女 「あの~お名前は?おところは?」
若頭  「いや、名のるほどのもんやないです・・・土佐の室戸岬から来ました。」
巫女 「そうですか・・・はい、どうぞ!」
若頭  「おおきに・・やない、ありがとう・・。」
巫女 「おみくじもどうですか?那智大社のおみくじはすごく良く当るって評判なんですよ。」
若頭  「やってみるか・・。」

若頭はおみくじを引きました。

巫女  「おめでとうございます!大吉です!大吉はほとんど出ないのにスゴイですね!」
若頭  「いやぁ・・。」
夫  「・・・わしにも引かせてくれんかい。」
巫女  「・・・・こっちの箱から引いて・・。」

夫はおみくじを引きました。

夫  「なんじゃ、こりゃー!」
巫女  「あら~コレはほとんど出ないのにスゴイですね~。気をつけてください。」
夫  「・・・・。」
若頭  「ま~あんまり気にするな、そろそろ行こうか・・。」
巫女  「またぜひ那智大社にいらして下さい!」

二人はお札をもらい、那智大社を後にしました。   また次回。

この物語はほとんどフィクションです

2008年02月20日(水)

びしゃごークジラ編ー  室戸荘

DSC00012.JPG

室戸の歴史に鯨は切っては離せないと自分はおもいます。
そこで・・いつも「びしゃご」でクジラの事を書かせてもらってるので・・室戸の道の駅「キラッメッセ室戸」にある鯨館を見に行きました!

そして到着。・・入場料は大人350円という大変リーズナブルな価格!
ちなみに高校生以下は150円です!

載せている写真は鯨館内のジオラマです!室戸の浜で鯨を捕獲しているトコロです。

室戸では1624年から鯨漁が始まり、その当時はモリを使い漁をしていました。そして1683年に和歌山より、モリと網を併用した「網捕り式捕鯨法」を知り、そして始めました。
そして鯨組という赤ふんどしをつけた鯨捕りの組織ができたそうです。
その鯨組は当時はみんなの憧れで、でっかいクジラをみんなで引っぱりながら歌う鯨歌は、さぞかし勇ましかったでしょう・・・。
そして、その鯨組は後に「津呂くみ」と「浮津くみ」というふたつの鯨漁の団体になったそうです!

「びしゃご」では紀州からやって来た、若頭を鯨組の創始者にしようとおもいます!
みなさまも室戸の「道の駅」に寄られた時はぜひぜひ「鯨館」も見て下さい。

鯨好きにはたまりません!

2008年02月18日(月)

びしゃご⑮   室戸荘

びしゃご  「やめてください!わたしになにをするんですか!」
荒くれ者たち  「ぐへへ・・こんなベッピンがこんなトコロにおるとは・・おとなしくせんかい!」
びしゃご  「いや~(涙)」

夫  「びしゃご!!・・夢か・・イヤな夢やったな~・・・寝よう・・zzz。」

高僧  「びしゃごよ・・どうやら、おまえの亭主は死んだようじゃ・・。」
びしゃご  「そうですか。」
高僧  「うむ、これからはワシがおまえを幸せにしてやるぞ。」
びしゃご  「はい、ふつつか者ですが、よろしくお願いします・・。」
高僧  「びしゃご・・。」
びしゃご  「お坊さま・・。」

夫  「びしゃご!! ・・また夢か~びしゃごが心配じゃの~・・・!!秘策が思いついたぜよ・・。」

そして翌朝・・。

夫  「あの~若頭・・はなしたい事があるんですが・・。」
若頭  「なんじゃ。」
夫  「ウチのヨメが心配なんで、帰ろうと思うんですが。」
若頭  「そうか・・仕方がないな・・。」
夫  「それで、ものは相談ですが・・。」
若頭 「なんじゃ。」

夫は昨夜に思いついた秘策を若頭に話しました。

若頭  「・・・ワシに紀州を捨て、土佐の室戸岬に来てクジラ漁を・・。」
夫  「どうでしょう?」
若頭  「・・・・。」
夫  「やっぱり無理ですか・・。」
若頭  「・・・・。」
夫  「わかりました。一人で帰ります。」
若頭  「ここにいても、兄が跡を継ぎ、自分のやりたいようにはできん・・土佐でヒトハタ上げるのも良いかもな・・。」
夫  「それじゃぁ・・・。」
若頭  「あぁ、行こう土佐へ。」
夫  「あの~帰るには熊野ってトコでお札をもらわんといかんのやけど、熊野ってドコにあるんですか?」
若頭  「心配するな、熊野はすぐ近くや。」

若頭はみんなに別れを告げ、夫と熊野に行きました。  また次回。

この物語はほとんどフィクションです

びしゃご⑭   室戸荘

そこに現れたのは、網元の長男でした。

網元の長男 「この男に聞いたが、ソイツは土佐から来たモノらしいやないか!」
漁師A 「若大将・・すいません・・。」
網元の次男 「ま~兄貴、ここはワシの顔にめんじて許してやってくれんか・・。」
網元の長男 「だいたい・・ワシらがクジラをさばいているのに、お前等は酒盛りか!すぐにやめろ!」
若頭  「・・・・。」

漁師達は酒を飲むのをやめ、片付けはじめました。

網元の長男 「片付けが終わったら、すぐにワシらの手伝いに来い。分かったな!」
漁師達  「はい・・。」

そして、漁師達は消え、夫と網元の次男と若頭だけが残りました。

網元の次男 「相変わらずやな、兄貴は・・。」
夫  「なんか、自分のせいでこうなったみたいで、すいません・・。」
若頭  「気にすんな、たぶん兄は役人に報告はせんやろう。」
夫  「そうですか、助かった~。」
若頭  「長男もな、悪いヤツやないけど、最近、この紀州もクジラの取れる量がめっぽう減って、跡継ぎの長男もいろいろと大変なんや・・。」
夫  「そうですか。」
若頭  「さて、みんなも消えたし、ワシらも帰るか。」
夫  「あの~若頭・・わしが泊まるところ、どっかないですか・・。」
若頭  「そうじゃ、ワシの家の納屋があるわ、屋根があるだけマシやろう。」
夫  「ありがとうございます・・。」

夫は若頭の家に行きました。    また次回。

この物語はほとんどフィクションです

2008年02月11日(月)

びしゃご⑬   室戸荘

若頭  「どこから・・こんな舟で来たんじゃ、理由が知りたいが・・。」
夫  「・・はい・・じつは・・・。」

夫は紀州に来たワケを話しました。

若頭  「女のために、ここで漁方を覚えて、金持ちになるために舟に乗って来たというのか?」
夫  「は~、コレしか無かったぜよ・・。」
若頭  「・・・ははは、その命知らずなトコロが気にいった!役人には秘密にしといてやるわ。」
夫  「ありがとうございます・・。」
若頭  「今から陸に上がって、酒盛りをするがおぬしもどうだ?土佐の漁師の話が聞きたい。」
夫  「はい、よろこんで!」

夫は漁師達の浜に連れて行ってもらいました。
夫は晴れて紀州上陸に成功しました。
そして、その夜・・。

若頭  「今夜はトコトンやるぞー!」
漁師達  「おー!(笑)」

漁師達は浜で飲めや歌えやの酒盛りを始めました。

夫  「じゃん、じゃん酒持って来~い!土佐の男は酒じゃ負けんぜよ!」
漁師A 「おい、あんた、若大将が呼びよったで~。」
夫  「なに・・若頭が・・すぐに行かんと。」

夫は若頭のトコロに行きました。

夫  「どうも、このたびは助けていただき、そのうえこんな席に呼んでいただいて・・。」
若頭  「ははは、気にするな!困ったときはお互い様じゃ!ワシの横に座っているのは、ワシの兄じゃ。兄にお前の事を話したら、兄も気に入ったみたいじゃ!」
網元の次男  「おまえの女のために紀州まで来たアホなとこが気に入ったわい・・。」
夫  「は~ありがとうございます・・・。若頭さんは何人兄弟なんですか?」
若頭  「3人兄弟での~ワシが三男でこの人が次男じゃ・・ところで、あんたを紀州まで来らすほどの女なんやから、びしゃごっちゅう女はよほどの美人なんじゃろうな~・・。」
夫 「そりゃもう、じまんの嫁ですわ!」
若頭  「会ってみたいの~。」
その時、だれかの大きな怒鳴り声が響きました。  
「だれじゃ!そいつは!よそものじゃないか!役人につきだせい!!」
 
また次回。

この物語はほとんどフィクションです

2008年02月04日(月)

びしゃご⑫   室戸荘

夫が見たものは、20メートルはあるクジラを13隻の船に乗った漁師が捕獲しているトコロでした。

夫  「すごいぜよ・・・。あんなでっかいクジラを!」

漁師達は樽のついたモリをクジラの体中に投げ刺してました。

夫  「な、なんちゅう、無駄のないうごきじゃ・・。」

そして、クジラのうごきが弱まってきたところに、一人のモリを持った若者が舟からクジラの背中に飛び乗り、頭に向かい走りだしました。

夫  「なんちゅう命知らずな・・・。」

そしてクジラの頭にモリを振り下ろしました。

若頭  「南無阿弥陀仏!」

直後、クジラはピクリとも動かなくなりました。その辺りの海は血で真っ赤に染まりました。

夫  「これが・・びしゃごの言いよったクジラの漁法かの~迫力があったの~ ん?感心しちゅうヒマやなかった・・、おーーい!!助けてくれー!」

漁師A  「若大将!おつかれさまです!こんだけでけ~の捕まえたら、網元も大喜びでしょ。」
若頭  「はっはは、そうやな・・みんな!今夜はとことん酒を飲むぞ!」
漁師達  「おー!(笑)」
漁師A  「あれ?あんなトコに小舟に乗った人が・・・。さては、浜に置いてあった舟に酔っぱらいが眠って知らん間に、ここまで流されたんでしょう・・。どうします?」
若頭  「困った時は、お互い様や。」

若頭の舟は、夫の舟のもとに漕いで行きました。

若頭  「大丈夫か?」
夫  「はい~大丈夫ぜよ。しかし・・あなたさん、男前でガタイもえいし、えい根性しちゅうな~。」
漁師A 「そりゃ、この人は若いけど、紀州一の羽刺(モリ打ち)やで~あたりまえやん。・・・ところで若大将・・このオトコは紀州のもんやないみたいですけど、お役人にしらせますか?」
夫  「え~そんな~・・。」
                       また次回。
この物語はほとんどフィクションです

2008年01月28日(月)

びしゃご⑪   室戸荘

室戸岬を出発して3日後、夫は海の上を漂流していました。

夫  「・・・・・三日たったぜよ・・そもそも紀州なんて国はほんとにあるのか・・?おにぎりもぜんぶ食べてしもうたし・・しょうがないアレをヤルか・・・。」

夫はハリにヤドカリをつけ、海にサオを振りました。

夫  「こうなりゃ、自給自足ぜよ。」

直後・・すぐにアタリがきました。

夫  「お、ワレながら自分の腕前にほれぼれするの~♪何が釣れたかの~・・。」

釣れた魚はサバでした。

夫  「うっ・・・釣れたのはいいが、よりによってコイツかい!ヤドカリはまだまだ、たくさんあるき・・コイツを餌に大物を狙うか・・・。」

夫は欲張ってサバのついたサオを振りました・・・直後すぐにアタリがきました。

夫  「!!!   でかい!かなりの大物じゃ・・こんなでかいのは始めてじゃ・・よし、背びれが見えてきたぜよ、もう少しじゃ・・・うわ~~。」

夫が釣った魚はサメでした。

夫  「サメじゃ~・・・しまった、サオを持っていかれた~。どうしよう・・。」

そして夫の小船のまわりにサメの群れが囲みました。

夫  「食うモンも無くなったし・・サメの群れに囲まれるたし・・びしゃご・・ワシももはやここまでかもしれん・・ サバをすて サメにかこまれ ふねのうえ・・。」

夫は辞世の句を唄い、死を覚悟しました。その時、遠くに人の声らしき音が聞こえました。

夫  「ん・・こりゃ~人の声じゃ!ワシ助かるかもしれん!・・・なんじゃ!あれは!」

夫はなにかを見つけました。     また次回。

この物語はほとんどフィクションです

2008年01月21日(月)

びしゃご⑩   室戸荘

びしゃご  「・・・こんな夜更けにダレかしら・・。」

びしゃごはおそるおそる戸へ。

びしゃご  「どなたさんですか・・?」
夫  「わしじゃ!開けてくれ!」
びしゃご  「え、あなた!すぐに開けます。」

びしゃごは戸のつっかえ棒をはずし、夫を家にあげました。

びしゃご  「あなた紀州へ行ったんじゃないの・・。」
夫  「あの坊主が、1日で行ける言いよったけど、ハラが減ったもんやき戻ってきたぜよ!」
びしゃご  「まぁ・・。」
夫  「びしゃご、悪いが明日また紀州にむかうき、おにぎりを増やしてくれんかの~。」
びしゃご  「わかりました・・なんとかしてみます・・。」
夫  「それとハラが減っちゅうき、なんか食うモノはないか?」
びしゃご  「おかゆの残りがありますよ。」
夫  「ハラに入ったらなんでもえいわ。それと~今日みんなに見送ってもろうて、明日もまたじゃ、面目ないから明日はコッソリ出て行くき。」
びしゃご  「はい・・。」

びしゃごは夫にご飯を食べさせて、二人は床につきました。
そして翌朝・・。びしゃごは六助の家へ。

びしゃご  「すいませ~ん。」
六助  「なんじゃ、びしゃご、なんか用か?」
びしゃご  「じつは・・夫が昨夜に帰ってきて、おにぎりを増やしてって言うけど・・ウチにはもうご飯がないんです・・。」
六助  「わかったぜよ・・ほかならぬびしゃごの頼みやきね~。」
びしゃご  「ありがとうございます!」

びしゃごは昨日の3倍のおにぎりを用意しました。そして、びしゃごと夫は二人で浜へ。

夫  「よしよし、コレだけ飯があれば大丈夫やろう。すまんな~。」
びしゃご  「・・・。」
夫  「どうしたぜよ・・そんなカオして?」
びしゃご  「あなた、気をつけてね。オナカがすいたらいつでも帰ってきてください。」
夫  「大丈夫や・・今度は必ず紀州に行くで。おにぎりすまんな。」
びしゃご  「あなた・・。」

夫は再び舟をだしました。    また次回。

この物語はほとんどフィクションです

2008年01月14日(月)

びしゃご⑨   室戸荘

夫 「ワシの舟で1日で行ける~?コレがあったら関所を通れる~?ほんとうか~?」
がんぐろびしゃご 「えぇ、みくろ洞のお坊さんが言ってました。」
夫 「だいいち、その坊主は信用できるのか?あやしいモンぜよ・・。」
がんぐろびしゃご 「あなた、わたしにずっとこの顔でいろっていうの・・。」
夫 「いや・・そういうわけやないけど~ワシも収入が良くなる方法をいろいろと考えちゅうで・・・。」
がんぐろびしゃご 「いい考えがあるんなら、教えてください。」
夫  「ふむ~、うむ~・・ぐぅ~・・むむむ・・。」
がんぐろびしゃご 「あなた・・・紀州に行ってください。」
夫  「はい。」

翌日、おにぎり3個と水と証明書を持ち、夫は舟を用意して海に行きました。
見送りにびしゃごと高僧と五助と六助が来ました。

びしゃご  「あなた、必ず帰って来てね!」
夫  「あぁ。」
五助と六助  「紀州っちゅうトコで漁法を覚えたら、わしらにも教えてや!」
夫  「おうよ!」
高僧  「よし!ワシが海上安全のありがたい呪文を唱えてやろう!」
夫  「・・ありがとうございます・・。」
高僧  「南無阿弥陀仏!! よし、これで安心じゃ・・。」
夫  「なにからなにまですいません。」
高僧  「あたりまえのことをしただけじゃ・・・。」

夫はみんなに別れを告げ、舟に乗り遥か沖の方へ、そして舟が見えなくなりました。

五助と六助 「あんな舟で大丈夫かね~?」
びしゃご  「大丈夫かしらね~?」
高僧  「心配するな、大丈夫じゃ。」

そしてその夜・・・びしゃごの家の戸をたたく音がしました。  また次回。

この物語はほとんどフィクションです

2008年01月08日(火)

びしゃご⑧   室戸荘

高僧  「うむ、紀州の国はこの室戸岬のすぐ東じゃ。」
がんぐろびしゃご 「あれ・・・お坊さん遥か東って言ってませんでした?」
高僧  「ワシはそんなこと言ってないぞ。」
がんぐろびしゃご 「そうですよね。」
高僧  「うむ、さいわいなことに、この室戸岬の沖を流れている海流は東の方へ、つまり紀州への流れなのじゃ。」
がんぐろびしゃご 「そうなんですか!」
高僧  「紀州は近い、亭主の持っておる小舟に乗れば1日で紀州に行ける。帰って亭主に出発の準備をさせるのじゃ。」
がんぐろびしゃご 「はい!・・・あの~帰りはどうしたら・・・国抜けは重罪なんですよね・・。」
高僧  「うむ・・じつはワシは土佐では名の通った坊主でな、熊野参りの為という事でワシの朱印があれば、許される。然し、帰りは必ず熊野神社のお札を貰ってくるのじゃぞ。それで大丈夫じゃ。」

高僧はびしゃごに高僧の朱印を押した熊野詣の証明書を渡しました。

がんぐろびしゃご 「ほんとうにありがとうございます!なんとお礼をしたらいいか・・・。」
高僧  「あたりまえのことをしただけじゃ・・。」

びしゃごは家に帰り、高僧から聞いた話を教え、高僧の証明書を渡しました。

                            また次回。
この物語はほとんどフィクションです

2008年01月07日(月)

びしゃご⑦   室戸荘

びしゃご  「お坊さん、顔の墨はちゃんと取れてますか?」
高僧  「鼻の先にまだ少しついておる・・。」
びしゃご  「あらら、そうですか・・・これでどうでしょう?」
高僧  「うむ、大丈夫じゃ・・・ところで、びしゃごよ。」
びしゃご  「はい?」
高僧  「いまワシが話した事じゃが・・。」
びしゃご  「クジラの取り方とかの話ですか?」
高僧  「そうじゃ、3年後、土佐に大名が帰る前におぬしら夫婦の生活が楽にならねばならん。ワシの言った話をすぐに帰って教えてあげるのじゃ。」
びしゃご  「はい!」
高僧  「よしよし・・・そしてすぐにでも紀州に漁法を学ばせにゆくのじゃ。」
びしゃご  「紀州にですか!?」
高僧  「そうじゃ、早く亭主に学ばせに行くように言うのじゃ。」
びしゃご  「はい!」

そして、びしゃごが家に帰ると、家の中でゴロゴロしてる夫のひとりごとが聞こえました。

夫  「う~ん、なんぼ考えてもこの魚(サバ)を取る方法しか思いつかんぜよ・・・村の五助も六助もこの魚以外の取り方を知らん言うしの~・・・しょうがないの~びしゃごには、ずっと顔に墨を塗っといてもらうか。」
びしゃご  「あなた!」
夫  「お、びしゃご、水汲みから帰ってきたか、おつかれさ~ん♪」
びしゃご  「あなた、みくろ洞にいたお坊さんから、いい事を教えてもらいました。」
夫  「どうしたぜよ、急に・・。」

びしゃごは夫に高僧から聞いたことを教えました。

夫  「そんなこと言われても~、国抜けは重罪やし~、紀州ってどこにあるか知らんし~、やき、ワシは行きたいけど、行けれん。」
びしゃご  「ほんとやね~困ったね~、もう一度、お坊さんに相談してみます・・。」

翌日、びしゃごは高僧に相談に行きました。

高僧  「どうしたのじゃ、その顔は?」
がんぐろびしゃご 「じつは・・・」

びしゃごは昨日の家でのことを話ました。

高僧  「さようか、びしゃご、ワシは良いことを知っているぞ。」  
がんぐろびしゃご 「おしえてください。」    また次回。

この物語はほとんどフィクションです。

2007年12月31日(月)

びしゃご⑥  室戸荘

高僧  「ここから遥か東の紀州の国にクジラを捕らえる方法があるらしいぞ・・。」
がんぐろびしゃご 「クジラってあの大きい岩くらいの魚ですよね!」
びしゃごは「びしゃご岩」を指さしました。
高僧  「そうじゃ、あの岩くらい大きな魚じゃ。」
がんぐろびしゃご 「わたしも見たことがあります。」
高僧  「そうか、しかしあの岩は大きいの~あの岩の頭からの景色も良いかもしれんな~。」
がんぐろびしゃご 「お坊さん!あの岩はココで一番大きな岩やき、足でもすべらしたら大変ですよ・・。」
高僧  「ははは、さようか、ところで話は戻るが、その紀州の国には大きな網を海底に張り、その網を引き、その一帯の魚を一網打尽にとる漁法もあるらしいぞ。」
がんぐろびしゃご 「ほんとうですか!」
高僧  「おぬしの夫に教えてやったらどうだ?」
がんぐろびしゃご 「ありがとうございます!」
高僧  「これで、おぬしの顔に墨を塗ろうなど、くだらん事を考えなくなるだろう。」
がんぐろびしゃご 「はい・・。」
高僧  「よしよし・・ではそこの「行水の池」で顔の墨を落とし、帰って夫にその話を教えてあげなさい。」
(注:「行水の池」とはみくろ洞の下にあり弘法大使空海が1000日の業のあいだソコで身を清めていたという。)
 
二人は「行水の池」に行きました。
がんぐろびしゃご 「お坊さんのおかげで助かりました。ありがとうございます!」
高僧  「あたりまえの事をしただけじゃ・・・。」
びしゃごは顔を洗いました。
高僧  「!!!」
高僧はびしゃごの顔を見てびっくりしました。    また次回。

この物語はほとんどフィクションです。

2007年12月30日(日)

びしゃごー特別編ー  室戸荘

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伝説とされてる、このびしゃごのモデルの「おさご」ですが、地元の人に聞いてみると実際に「おさごのお墓」が室戸岬のみくろ洞の横の空海の銅像の近くにあるらしい・・・・。
そこで「びしゃご」をいつも書かせてもらってるので、「おさごのお墓」にお参りをしようと思いました!

そして・・・空海の銅像に到着!受付のおばさんに「おさごのお墓」の場所をたずねてみると・・・
おばさん 「一番奥のお釈迦さんの横を少し歩いたとこに・・・名前は書いてないけど、それが「おさごの墓」って話やけど・・・。」
自分 「ありがとうございます!」
これで、場所が分かり一安心。

そして「おさごのお墓」に到着・・・。
ここ土佐では有名な、坊さんとお馬という女性がかけおちした話があり(実話)、そのお馬のお墓もここにはあります。ただ二人のお墓の差はかなりありました。お馬のお墓は東京で埋葬されていたのを、室戸岬に空海の銅像が出来たときに、分骨しお墓を建てただけあって立派!やけど「おさごのお墓」といわれる墓はなんか寂しそうでした・・・。
お墓に頭を下げて「おさごのお墓」の写真を撮らせてもらい、今日のブログに載せさせていただきました。
おさごさんのためにも今以上「びしゃご」をがんばれねばとおもいました!もちろんのこと本業もです!

みなさまよいお年を!

2007年12月25日(火)

びしゃご⑤   室戸荘

夫  「困ったね~っておまえ、困ることがあるか。」
びしゃご  「いまの生活は貧しいしね~あなたの稼ぎが良かったらなんも迷わんけど。」
夫  「びしゃご!おまえは今の生活じゃ満足できんのか!」
びしゃご  「だって毎日この魚(サバ)ばっかり食べるのは、もうイヤやもん。」
夫  「う、う~(涙)」
びしゃご  「ごめんなさい、少し言い過ぎました。」
夫  「それじゃ~びしゃご~、ワシがこの魚(サバ)以外の魚を釣って稼ぎが良くなったら、おまえはワシのもとにおるっちゅうことやな?」
びしゃご  「そうね、岩くらい大きな魚(クジラ)や赤い魚(タイ)をとって生活がラクになったら、あなたのそばにずっといるわ。」
夫  「ワシはおまんが生きがいやから、がんばるぜよ・・・」
びしゃご  「あなた・・・」
夫  「びしゃご・・・」

しばらくして。
夫  「・・・びしゃご、よくよく考えたら・・おまえがべッピンだから、こういう事になるんじゃ。」
びしゃご  「へ?」
夫  「ふふふ、名案が思いついたぜよ!」
びしゃご  「あなた!なにをするの!」
夫  「おとなりさんから、もろうた佐喜浜町の備長炭を顔に塗っとるんだ!」
びしゃご  「イヤー!」
夫  「あまりに良過ぎて、つかん・・、しょうがない、なべ底の墨をぬるか!」
(注:室戸市佐喜浜町の備長炭は非常に良質で手でさわっても墨がつきにくいという。)
びしゃご  「イヤー!」
びしゃごのかおは真っ黒になりました。
夫  「ワシの稼ぎが良くなるまでの間はそうしちょきや。」
がんぐろびしゃご  「そんな~(涙)」

と、きのうのことをびしゃごは高僧に話しました。
高僧  「さようか・・ところで名は?」
がんぐろびしゃご 「びしゃごです。」
高僧  「びしゃごか、わたしは良い事を知っているぞ。」
がんぐろびしゃご 「ぜひ、教えてください。」
                               また次回。
この物語はほとんどフィクションです

2007年12月24日(月)

びしゃご④   室戸荘

弟子  「師匠ー!あれはバケモノー!はじめて見ました!」
高僧  「う、ワシもはじめ・・久しぶりに出会うた・・。」
二人はみくろ洞の外にまっ黒なカオの妖怪を発見しました。
弟子  「師匠~怖~ございます~早く退治をお願いします!」
高僧  「うむ、ワシの呪文で退治してやろう。ワシの呪文は土佐一じゃ。おまえもついてこい。」
弟子  「はい・・・。」
二人はみくろ洞から出て妖怪に10メートルの距離まで近づきました。
弟子  「師匠~お願いします~。」
高僧  「だまっておれ!」
高僧は気合を入れて呪文を唱えました。
高僧  「リン・ピョウ・トウ・シャー・カイ・チン・レツ・ザイ・ゼンー!(あれ、全然効いてないぞ・・どうしよう・・・。)」
妖怪は二人の存在に気づき、近づいてきました。
弟子  「あわわ、逃げろ=」
弟子は師匠を残しいちもくさんに逃げました。
高僧  「あのヤロー・・・わしももはやここまでか・・。」
妖怪はさらに近くに、高僧は死を覚悟しました。
高僧  「わしの負けじゃ!煮るなり喰うなり好きにせい!」
がんぐろびしゃご 「お坊さん、さっきからにぎやかにしゆうけど、ひょっとしてわたしを妖怪に間違いました?」
妖怪の正体は顔に墨を塗ったびしゃごでした。

高僧  「おぬしは妖怪ではなかったか・・間違えてすまぬ、ほんとうに恥ずかしい・・ところでどうして顔に墨など塗っておるのだ?」
がんぐろびしゃご 「じつは夫と二人で考えまして・・・ところでどこかえ走っていった若い方を探さなくていいんですか?。」
高僧  「気にしなくてけっこう、アイツは破門じゃ、もう戻ることもないだろう・・・。」
がんぐろびしゃご 「はぁ~なんか、すいません。」
高僧  「その顔なにか深いワケがありそうじゃの~わしに話てくれんか。」
がんぐろびしゃご 「じつは・・。」
びしゃごは高僧に昨夜の事を話ました。    また次回。

この物語はほとんどフィクションです。

2007年12月18日(火)

びしゃご③  室戸荘

その翌日に、室戸岬のみくろ洞に土佐一の高僧が弟子を連れて修行に来ました。
弟子  「さすがは室戸岬ですね~きれいですね~」
高僧  「未熟者!!あたりまえだ!この素晴らしい風景から空海さまも感じられたものがあるのだ、お前もまだまだ修行がたりんの~。」
弟子  「すいません・・・ですが、さすがは師匠、空海さまがみくろ洞でされた「1000日の業」を師匠もされるとは。」
(注:「1000日の業」とは弘法大使空海がみくろ洞で1000日間修行をして悟りを開いたという。空海の名はみくろ洞からの眺めから思いついたという。)

高僧  「わたしは空海さまがこの土地、この室戸岬、このみくろ洞でなにを感じ取り、なにを悟ったかを知りたいのだ・・。」
弟子  「さすがは師匠。」
高僧  「今日から1000日間は空海さまにあやかり、禁欲生活じゃ!はたして若いお前にガマンができるかの~~。」
弟子  「師匠・・・自分も1000日の間に自分なりになにかを感じとりたいと思い、ついてきました・・。」
高僧  「うむ・・良い心がけじゃ・・・・。」
そして二人はみくろ洞で座禅をくみました。その直後。
高僧  「は!あれは!」
弟子  「師匠!あれは!」
二人はなにかを見つけました。         また次回

この物語はほとんどフィクションです

2007年12月17日(月)

びしゃご②   室戸荘

びっくりしたびしゃごに大名は言いました。
大名  「ワシは参勤交代で3年の間、江戸に行かねばならぬ。土佐に帰って来たらおまんをヨメにむかえるぜよ!」
それを聞いたびしゃごはすぐに
びしゃご  「勘弁してつかあさい!わたしには主人がいます!」
大名  「ほ~~ワシの求婚の申し出を断るともうすか。」
大名は怪しげな微笑みをうかべました・・・。
怪しげな大名  「まあよい・・・・無理にとは言わぬ3年後また、あらためておまんのもとに来るぜよ・・。」
びしゃご  「すいませんです!」
こうして大名行列は東の方に消えました。 そして夕方になり。

夫  「びしゃご!帰ったぞ!」
びしゃご  「あなた、お帰りなさい。」
夫  「となりの五助から聞いたけど、お殿さまに求婚の申し出をされたらしいやないか!」
びしゃご  「そうなの・・・」
夫  「で、どうするぜよ・・。」
びしゃご  「そうね~お殿さまの嫁っ子になれたら、おいしい飯や~きれいなべべも着れるし~つらい水汲みや海女仕事もせんでえいきね~♪それにお殿さまの言う事を聞かざったら、打ち首モンって六助のヨメが言いよったし、やっぱりわたし行こうかしら・・・。」
夫  「それはないぜよ!せっかくびしゃごのためにでっかい魚(サバ)を釣ってきたに~、それにワシはおまんが生きがいやに~~行かれたら困るぜよ・・。」
びしゃご  「・・・困ったね~・・・。」                また次回。

   この物語はほとんどフィクションです。

2007年12月11日(火)

びしゃご①   室戸荘

室戸岬のみくろ洞の前に、高さが20m以上の大きな岩が、名前は「びしゃご岩」
その昔・・・びしゃごって名前の女がその岩の上から、身投げをしたそうです。
そのわけは、その女性が美しすぎて、困り果ててらしい・・・。
     

夫 「びしゃご!今日はでっかい魚を釣ってきて、おまんに食べさせちゃうき!」
びしゃご 「あなた、今日は天気が崩れそうやき・・気をつけてね。」
夫 「・・・・んじゃ~~今日はびしゃごと一日中まったりとおろうかの~~♪」
びしゃご 「まあ、あなたったら・・・でも食べる物がウチにはもうないわ。」
夫 「そうじゃの~でっかい魚が釣れたら、すぐに戻るき!」
びしゃご 「いってらっしゃい。」
びしゃごは夫を見送った、しばらくして山内家大名の一同がびしゃごの家の前を通りました。
びしゃご 「あれは!大名行列!おでむかいをしなきゃ。」

側近 「殿!室戸岬の海はまことに優雅でございますなぁ。」
大名 「うむ、まことに天晴れじゃ!」
側近 「殿、地元の民が家から出て出迎えておりますぞ。」
大名 「・・・・・。」
大名は民の方を一点に見ていました。
側近 「殿、どうされましたか、この優雅な景色ではなく、なにゆえ民の方ばかり・・・?」
大名 「・・・。」
側近 「・・・さては殿をにらみつける、ふとどきものが!」
大名 「ワシはおまんが気に入ったぜよ。」
側近 「は?」
大名 「そこの女!名はなんと申す!」
びっくりしたびしゃご 「わ、わたし~びしゃごで、です!すいません!」
大名 「びしゃごか、変わった名前じゃのう。」
びっくりしたびしゃご 「はい~すいません!」
大名 「ワシはおまんを嫁としてむかえるぜよ!」
側近 「は~?」
びしゃご 「へ?」
大名はびしゃごに求婚の申し入れをしました。  また次回。