びしゃご 50 室戸荘
そして、いよいよ「日の本一美女決定」が始まろうとしてました。江戸城の天守閣では・・将軍と白装束を身にまとった三藩主(土佐・伊予・讃岐)が・・。
徳川家の爺 「では、殿・・そろそろ。」
将軍 「あい分かった!では、おぬしら(三藩主)もついてまいれ!」
白装束を着た土佐・伊予・讃岐藩主 「はい・・・。」
将軍 「元気がないな~。心配いたすな♪この道50年の介錯の名人を用意しておる♪」
白装束を着た土佐・伊予・讃岐藩主 「・・・。」
・・・讃岐藩の待合室・・・
さんごを見る女中 「美しい・・。(ウットリ)江戸の町であなた程の女性を見たことはありません。」
さんご 「やっぱりそうですか♪・・・父上、ワタシは必ず勝ちます。」
さんごの父 「相変わらず負けず嫌いやな。さんごよ・・お前の一番良いトコロは姿カタチでは無い・・。」
さんご 「それは?」
さんごの父 「今は言うまい・・お前が一番になれば言おう。さんごよ・・一番大事な事はビリにならないコトだ・・。藩主様の命はお前に懸かってる事を忘れるな・・。」
さんご 「はい・・。」
・・伊予藩の待合室・・
タチバナ姫を見る女中 「我々が出来る事は全ていたしました・・御武運を。」
宇和島家臣 「姫様・・美しいございます・・。」
タチバナ姫 「今回は・・ワタシが屋敷を出てアナタにも迷惑をかけましたね・・。」
宇和島家臣 「いえ・・。」
タチバナ姫 「女中のみなさん・・このモノ(家臣)とだけで話たい事が・・。」
女中 「はい、しかしお時間がせまっております。手短に・・。」
女中達は部屋を出ました。そして部屋には姫と宇和島家臣だけに。
宇和島家臣 「「さんご」のコトでしょう・・。大丈夫です。」
タチバナ姫 「ワタシは以前・・小豆島に行った時に「瀬戸の花」と言われる女に興味を持ち・・「さんご」を見に行った事があります・・。」
宇和島家臣 「姫様・・勝負は分かりません・・。もうお止めくだされ・・。」
タチバナ姫 「今回、江戸に到着し・・讃岐藩は「さんご」を呼んだと聞いて、ワタシは・・負けて伊予藩主を切腹させてしまうと責任を感じ屋敷から逃げました・・。」
宇和島家臣 「・・・。」
タチバナ姫 「そして、町で土佐藩の関係者(夫)と出会い、「土佐藩屋敷に来ないか?」と誘われました・・。ワタシは土佐代表の美女が見てみたいと思い土佐藩屋敷へ・・。」
宇和島家臣 「それは知りませんでした。」
タチバナ姫 「そこで土佐代表の「びしゃご」さんに出会いました・・。その時、ワタシは「さんご」には負けるが「びしゃご」さんになら勝てると思い・・安心して伊予藩屋敷に戻りました。」
宇和島家臣 「それは・・なによりですな・・。」
タチバナ姫 「しかしです・・。先ほど風呂場で「びしゃご」さんに会い・・(涙)」
宇和島家臣 「姫様・・伊予藩主の切腹、そして伊予と宇和島の関係が悪化する事の責任を感じておるのでしょうが・・。それは間違いです。」
タチバナ姫 「間違い・・?」
宇和島家臣 「姫様はなにも悪くありませね・・では、そろそろお時間・・行きましょう!」
タチバナ姫 「はい・・。」
部屋に入って来た女中 「そろそろ・・お時間です。」
タチバナ姫は女中に連れられ会場へ・・。
タチバナ姫を見送る宇和島家臣 「姫様・・。」
・・・土佐藩待合室・・・
女中 「すみませんが・・お時間なので、みなさま(夫と家臣ABと高僧)は会場へ。」
夫 「ええ~・・。キレイになったかもしれん、びしゃごにココで会わせてくれんのか~」
女中 「はい。」
高僧 「しかたあるまい・・ん!?おぬし(夫)!!」
高僧は夫の顔を見てビックリしました。
夫 「なんや!おまん(高僧)!ワシの顔になんかついてるんかい!?」
高僧 「いや・・おぬし(夫)の顔に死相が出ておる・・。南無阿弥陀仏!!」
高僧は念仏を唱え始めました。
夫 「死相~・・縁起が悪いコトを言うなぜよ!(怒)」
そして・・遂に・・「日の本一美女決定」が行われるのでした。 また次回。
この物語はほとんどフィクションです