びしゃご (33) 室戸荘
夫とお姫様が部屋に入ってしばらくして・・
運び人 「しつれいします。お料理をお持ちしました。まずは、お刺身をお持ちしました。」
お姫様 「・・お刺身ですか。カツオとシマアジとタイですね?」
運び人 「さすがは、お姫様!目が肥えておいでで♪最高の魚を用意しましたので、どうぞ♪」
夫 「こりゃ~、まっこと!うまそうぜよ♪ヨダレが飛び出そうぜよ♪運び人さん!こんなうまそうな喰いモン見たら・・ワシは酒が飲みたくなったぜよ!」
運び人 「酒ですか?」
夫 「そりゃ~、おまん!ウマイ喰いモンには酒がないとツマランやろ~が?」
運び人 「はあ~・・ではすぐにお持ちします。」
夫 「すぐやで!」
お姫様 「うふふ・・わらわも頂こうかの~♪」
運び人は酒を持って来るために、部屋を出ました。
料理屋の主人 「どうだった?どんな身分のお方か分かったか?」
運び人 「いえ・・昼間から、酒を持って来い。と言われたので・・今から「土佐鶴」を持っていくところですが・・。」
(注:「土佐鶴」とは、高知県を代表するお酒です。「司牡丹」も美味しいです♪)
料理屋の主人 「昼間から酒~?よし!今度はワタシが運ぼう・・ちょっと探ってみるわ。」
しばらくして、夫とお姫様のいる部屋に、料理屋の主人が酒を持って来ました。
料理屋の主人 「失礼いたします。殿方様!お姫様!お酒をお持ちしました。」
お姫様 「うむ、くるしゅうない。」
料理屋の主人 「あの~お言葉ですが?」
お姫様 「なんじゃ?」
料理屋の主人 「いえ、お姫様にでは無く・・殿方さまに・・。」
夫 「なんじゃ?ワシにかい?」
料理屋の主人 「はい。殿方様はどちらの藩からいらっしゃったのでしょうか?それと、最近の土佐藩の塩の価格の高騰はどのようにお考えでしょうか?差し支えなければお聞かせください?」
酒を飲んでる夫 「知らん。」
料理屋の主人 「はい?」
酒を飲んでる夫 「そんなことより!酒が足りんわい!こんな小さいトックリやなくて、樽で持ってこんかい!」
お姫様 「まあ、あなた様。イイ飲みっぷり♪主人・・早くお酒を持って来なさい。」
料理屋の主人 「はっ、はい!失礼いたしました!すぐに樽でお持ちします!」
料理屋の主人は急いで部屋を出て樽酒を用意しに行きました・
運び人 「樽なんか持ってどうしたんですか?」
料理屋の主人 「酒が足りんそうで、樽ごと持って来いと言われたのじゃ!かなりご立腹じゃ。」
運び人 「そうですか・・。で?どういう身分の方で?」
料理屋の主人 「知らん。だが、なんといか・・すごい迫力のかたじゃ~。今までウチの客におらん感じの方や・・!」
運び人 「そうですか・・では、アレを用意しますか?」
料理屋の主人 「あの・・特別なお客様にだけ渡す「アノ特別なお土産」をか・・・そうだな。損はないかもしれん・・。」
また次回。
この物語はほとんどフイクションです