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2008年01月07日(月)

びしゃご⑦   室戸荘

びしゃご  「お坊さん、顔の墨はちゃんと取れてますか?」
高僧  「鼻の先にまだ少しついておる・・。」
びしゃご  「あらら、そうですか・・・これでどうでしょう?」
高僧  「うむ、大丈夫じゃ・・・ところで、びしゃごよ。」
びしゃご  「はい?」
高僧  「いまワシが話した事じゃが・・。」
びしゃご  「クジラの取り方とかの話ですか?」
高僧  「そうじゃ、3年後、土佐に大名が帰る前におぬしら夫婦の生活が楽にならねばならん。ワシの言った話をすぐに帰って教えてあげるのじゃ。」
びしゃご  「はい!」
高僧  「よしよし・・・そしてすぐにでも紀州に漁法を学ばせにゆくのじゃ。」
びしゃご  「紀州にですか!?」
高僧  「そうじゃ、早く亭主に学ばせに行くように言うのじゃ。」
びしゃご  「はい!」

そして、びしゃごが家に帰ると、家の中でゴロゴロしてる夫のひとりごとが聞こえました。

夫  「う~ん、なんぼ考えてもこの魚(サバ)を取る方法しか思いつかんぜよ・・・村の五助も六助もこの魚以外の取り方を知らん言うしの~・・・しょうがないの~びしゃごには、ずっと顔に墨を塗っといてもらうか。」
びしゃご  「あなた!」
夫  「お、びしゃご、水汲みから帰ってきたか、おつかれさ~ん♪」
びしゃご  「あなた、みくろ洞にいたお坊さんから、いい事を教えてもらいました。」
夫  「どうしたぜよ、急に・・。」

びしゃごは夫に高僧から聞いたことを教えました。

夫  「そんなこと言われても~、国抜けは重罪やし~、紀州ってどこにあるか知らんし~、やき、ワシは行きたいけど、行けれん。」
びしゃご  「ほんとやね~困ったね~、もう一度、お坊さんに相談してみます・・。」

翌日、びしゃごは高僧に相談に行きました。

高僧  「どうしたのじゃ、その顔は?」
がんぐろびしゃご 「じつは・・・」

びしゃごは昨日の家でのことを話ました。

高僧  「さようか、びしゃご、ワシは良いことを知っているぞ。」  
がんぐろびしゃご 「おしえてください。」    また次回。

この物語はほとんどフィクションです。

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コメント

おお、先生。新年から筆の進みが快調ですねっ!
さすが「100話をめざす」(←前ログ参照)だけのことはある。

今回はまた、
なかなかそう簡単に紀州へ旅立たないところとか
情報を小出しにして相手を丸め込んでいく高僧の腹黒さ(?)とか
まさに正月2時間スペシャル、って感じですね~。

いやいや、決して冷やかしているんじゃないですよ。
この、「むかしばなし民話」的なテイストに見せていながら
ところどころで“現代っ子”な面を垣間見せる登場人物設定や
顔にススを塗られた後は
ちゃんと「びしゃご」が「がんぐろびしゃご」に変わってる芸の細かさなど
いまや確立しつつあるsoul先生ワールドが私はスキですよ♪
100話達成のあかつきには、単行本化しましょう!
挿絵は私が描きますよ。…萌え系でよければ(笑)

びぃなすさん!単行本になったら、ぜひお願いします!萌え系ですか・・イイ感じ☆ですね!
びぃなす殿!昨日は筆の進みが快調どころか、昨日はボツ作品になった⑦⑧を載せていました・・・。今回の⑦は昨日3回目の作品でござる・・。かなりのスタミナを消費しました。
ですが・・びぃなす殿や見てくれている人が何人かいてくれていますんで、ヤリがいがあります。
この先も頑張るゾー!

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