びしゃご⑦ 室戸荘
びしゃご 「お坊さん、顔の墨はちゃんと取れてますか?」
高僧 「鼻の先にまだ少しついておる・・。」
びしゃご 「あらら、そうですか・・・これでどうでしょう?」
高僧 「うむ、大丈夫じゃ・・・ところで、びしゃごよ。」
びしゃご 「はい?」
高僧 「いまワシが話した事じゃが・・。」
びしゃご 「クジラの取り方とかの話ですか?」
高僧 「そうじゃ、3年後、土佐に大名が帰る前におぬしら夫婦の生活が楽にならねばならん。ワシの言った話をすぐに帰って教えてあげるのじゃ。」
びしゃご 「はい!」
高僧 「よしよし・・・そしてすぐにでも紀州に漁法を学ばせにゆくのじゃ。」
びしゃご 「紀州にですか!?」
高僧 「そうじゃ、早く亭主に学ばせに行くように言うのじゃ。」
びしゃご 「はい!」
そして、びしゃごが家に帰ると、家の中でゴロゴロしてる夫のひとりごとが聞こえました。
夫 「う~ん、なんぼ考えてもこの魚(サバ)を取る方法しか思いつかんぜよ・・・村の五助も六助もこの魚以外の取り方を知らん言うしの~・・・しょうがないの~びしゃごには、ずっと顔に墨を塗っといてもらうか。」
びしゃご 「あなた!」
夫 「お、びしゃご、水汲みから帰ってきたか、おつかれさ~ん♪」
びしゃご 「あなた、みくろ洞にいたお坊さんから、いい事を教えてもらいました。」
夫 「どうしたぜよ、急に・・。」
びしゃごは夫に高僧から聞いたことを教えました。
夫 「そんなこと言われても~、国抜けは重罪やし~、紀州ってどこにあるか知らんし~、やき、ワシは行きたいけど、行けれん。」
びしゃご 「ほんとやね~困ったね~、もう一度、お坊さんに相談してみます・・。」
翌日、びしゃごは高僧に相談に行きました。
高僧 「どうしたのじゃ、その顔は?」
がんぐろびしゃご 「じつは・・・」
びしゃごは昨日の家でのことを話ました。
高僧 「さようか、びしゃご、ワシは良いことを知っているぞ。」
がんぐろびしゃご 「おしえてください。」 また次回。
この物語はほとんどフィクションです。
コメント
おお、先生。新年から筆の進みが快調ですねっ!
さすが「100話をめざす」(←前ログ参照)だけのことはある。
今回はまた、
なかなかそう簡単に紀州へ旅立たないところとか
情報を小出しにして相手を丸め込んでいく高僧の腹黒さ(?)とか
まさに正月2時間スペシャル、って感じですね~。
いやいや、決して冷やかしているんじゃないですよ。
この、「むかしばなし民話」的なテイストに見せていながら
ところどころで“現代っ子”な面を垣間見せる登場人物設定や
顔にススを塗られた後は
ちゃんと「びしゃご」が「がんぐろびしゃご」に変わってる芸の細かさなど
いまや確立しつつあるsoul先生ワールドが私はスキですよ♪
100話達成のあかつきには、単行本化しましょう!
挿絵は私が描きますよ。…萌え系でよければ(笑)
Posted by: びぃなす | 2008年01月08日 02:34
びぃなすさん!単行本になったら、ぜひお願いします!萌え系ですか・・イイ感じ☆ですね!
びぃなす殿!昨日は筆の進みが快調どころか、昨日はボツ作品になった⑦⑧を載せていました・・・。今回の⑦は昨日3回目の作品でござる・・。かなりのスタミナを消費しました。
ですが・・びぃなす殿や見てくれている人が何人かいてくれていますんで、ヤリがいがあります。
この先も頑張るゾー!
Posted by: muroto☆soul☆ | 2008年01月08日 12:52