びしゃご⑥ 室戸荘
高僧 「ここから遥か東の紀州の国にクジラを捕らえる方法があるらしいぞ・・。」
がんぐろびしゃご 「クジラってあの大きい岩くらいの魚ですよね!」
びしゃごは「びしゃご岩」を指さしました。
高僧 「そうじゃ、あの岩くらい大きな魚じゃ。」
がんぐろびしゃご 「わたしも見たことがあります。」
高僧 「そうか、しかしあの岩は大きいの~あの岩の頭からの景色も良いかもしれんな~。」
がんぐろびしゃご 「お坊さん!あの岩はココで一番大きな岩やき、足でもすべらしたら大変ですよ・・。」
高僧 「ははは、さようか、ところで話は戻るが、その紀州の国には大きな網を海底に張り、その網を引き、その一帯の魚を一網打尽にとる漁法もあるらしいぞ。」
がんぐろびしゃご 「ほんとうですか!」
高僧 「おぬしの夫に教えてやったらどうだ?」
がんぐろびしゃご 「ありがとうございます!」
高僧 「これで、おぬしの顔に墨を塗ろうなど、くだらん事を考えなくなるだろう。」
がんぐろびしゃご 「はい・・。」
高僧 「よしよし・・ではそこの「行水の池」で顔の墨を落とし、帰って夫にその話を教えてあげなさい。」
(注:「行水の池」とはみくろ洞の下にあり弘法大使空海が1000日の業のあいだソコで身を清めていたという。)
二人は「行水の池」に行きました。
がんぐろびしゃご 「お坊さんのおかげで助かりました。ありがとうございます!」
高僧 「あたりまえの事をしただけじゃ・・・。」
びしゃごは顔を洗いました。
高僧 「!!!」
高僧はびしゃごの顔を見てびっくりしました。 また次回。
この物語はほとんどフィクションです。